都立立川国際中等教育学校・附属小学校 開校から2年間の取り組み、私立との違い、成果とは
公立で初の小中高一貫校として「東京都立立川国際中等教育学校附属小学校」が開校したのは2022年4月。一貫校ならではのカリキュラム、充実した英語教育などが注目を集めました。今年度で3年目に突入した「立国小」の今を、学校訪問レポートと校長先生への取材でお伝えします!
「東京都立立川国際中等教育学校附属小学校」、通称「立国小」が開校したのは2022年4月、公立でははじめての小中高一貫校として注目を集めました。
公立で私立一貫校のような教育が受けられるのではないか、と期待した親御さんも多いでしょう。
実際、開校に際して立国小が打ち出したのは、小・中・高12年間の教育を通じて「国際社会に貢献できるリーダー」「グローバル人材」を育成するという目標でした。
そのために、特に語学教育と探究的な学びについては、独自のカリキュラムを組んで力を入れています。
そこで、開校からちょうど2年が経とうとする今年(2024年)1月、これまで行ってきた教育の実状や成果などをお聞きするため、実際に学校を訪問しました。
そこで見せていただいた授業風景のレポートと、校長先生のお話をお届けします。
【学校訪問レポート】公立小中高一貫校のユニークな教育とは
取材に伺ったのは、2024年1月。3学期が始まって間もない時期でした。
立国小ならではの特徴を知るために、まずはいま在校している1年生と2年生の授業風景や、校内の施設を見学しました。
語学教育の充実
校名に「国際」と掲げているように、立川国際小の大きな特徴のひとつはグローバル人材教育です。
そのために語学教育に力点がおかれ、英語はもちろんフランス語や中国語など6言語に、小学校1年生から年間を通じて触れる機会を設けています。
その授業の様子とは、どんなものでしょうか?
◎英語教育
まず、立国小の設立時に多くの注目を集めたのが、英語教育の充実です。
1年生から週に4時間の英語の授業を設け、義務教育期間9年の間に、一般の公立校よりも1,000時間以上多くの時間を英語教育に割いています。
取材時は開校からまだ2年しか経っていないため、在校生は1年生と2年生のみで、英語の授業もまだ入り口ですが、それでも独自の取り組みが見られました。
そのひとつが、短時間学習「Eタイム」です。
週に3回、朝の15分を英語に触れる時間に充てています。
授業を担当するのは、外国人のALTと日本人英語教諭のペアです。
取材当日は、英単語と絵を結び付けたり、耳で聴いた英語を文字で書いたりといった内容で行われていました。
基本的にはALTの先生が英語で授業を進め、日本人教諭はわからない子や集中が途切れた子などのサポートに回ります。
立国小では、この「Eタイム」を含めた英語の授業を習熟度別のクラス分けで行っています。
帰国子女やインターナショナルプリスクール出身者などは、もっともレベルの高い「発展クラス」で、この日の授業では2年生ですでに長文のテキストを使っていました。
文章中に出てくる英単語をピックアップして、「英単語を英語で説明する」という難易度の高い課題も出されましたが、子どもたちは自分の知っている単語の中から意味の似ているものを挙げるなど、積極的に答えようと挑戦する姿が印象的でした。
一方、これまで英語にあまり触れてこなかった子どもたちは、「標準クラス」「応用クラス」などに分けられます。
こちらの授業では、日付の数え方を覚えて、「誕生日はいつですか?」という簡単な質問に答えるという課題などを行っていました。
ちなみに小学校で使う英語のテキストの他に、中等教育学校(=中等)のALTの先生が欧米の実践を参考にして選書した洋書も活用しています。
指導案もその先生がつくっているとのことで、「聞く」「話す」を中心としたより実践的な学びの場になっているようでした。
◎多言語教育
一方、多言語教育では、1年を通じてドイツ語、スペイン語、フランス語、中国語、韓国語、アラビア語の6言語に、毎月1~2時間ほど触れる機会を設けています。
世界の言語の中からこの6つを学ぶのは、児童・生徒たちの将来を考えてのことだそうです。
立国のビジョンは、将来国際社会で活躍して貢献できる人材を育成することです。
その手段、ツールとして外国語が必要なので、まずもっとも汎用性が高い英語を学びます。
ただ、子どもたちのキャリアパスを考えたときに、いろいろな分野で活躍するように育てるには、英語だけでは足りないかもしれません。
そこで、2つ目の外国語も学ぶ必要が出てきます。
英語の次に汎用性があるものといえば、スペイン語やフランス語が挙がりますし、医学の分野に進むなら、ドイツ語ができればよりよいでしょう。
日本はアジアの一国でもあるので、中国語や韓国語も押さえておきたいところ。
さらにこれからの国際社会を考えると、中東諸国への理解は欠かせないためアラビア語が選ばれたそうです。
講師の先生は、東京外国語大学や中央大学の留学生です。
校内のオープンスペースには「マルチリンガル絵本コーナー」が設けられ、子どもたちが自由に手に取れるようになっているなど、日常的に多言語に触れられる環境も整えられていました。
また、たとえばドイツ語を学んだときには給食でドイツ料理を出すなど、言語と同時に各国の文化を知る工夫も行っているとのことです。
探究的な学び
もうひとつ、立国小が力を入れているのが「探究的な学び」です。
これは教育の現場で近年のトレンドのひとつでもありますが、立国小ではどのように取り組んでいるのでしょうか。
その様子も実際に取材しました。
◎「探究の技」を身に付ける
探究的な学びにおいて立国小がまず行っているのは、子どもたちに「探究の技」を身に付けさせることだそうです。
学びの中で、「ものの見方、考え方」「調べ方」「表現のしかた」をさまざまな具体的手法として整理、活用していきます。
下の写真は、その技をリスト化したもので、廊下に大きく掲示されていました。
ここには、児童たちから出てきた「考える技」「調べる技」「表現する技」がまとめられています。
人が何かについて考えるとき、たとえば「辞書やインターネットで調べる」「実際にその対象に触れてみる」「データを比較する」「何人かで議論する」などさまざまな方法で考えをまとめるでしょう。
ですが子どもたちは、「〇〇について考えましょう」と言われても、最初のうちはどう考えればいいのかがわかりません。
そこで、「考える」ための手段としてはどのようなものがあるのかを、「技」と名付けて1年生から意図的に学びに取り入れているのです。
このように可視化された「技」を見ることで、児童は「どんな技を使うんだっけ?」「ああ、こうすればいいのか」と認知できます。
もしそれがうまくいかなくても、「これがだめなら、こっちの技を使おう」と別の方法を試すなど、このリストから自由に技を引き出して組み合わせ、身に付けていける仕組みです。
◎異学年、中高と交流できる「ラーニング・コモンズ」
小中高一貫教育の大きなメリットのひとつに、異学年、異校種との交流があります。
この点は立国小でも重視されていて、さまざまな取り組みを行っています。
中でも特徴的なのは、「ラーニング・コモンズ」という施設です。
オープンスペースに図書エリア、対話エリア、国際交流エリア、視聴覚ホールなどが設けられています。
中等の校舎からも、空中歩廊を渡って日常的に中等生が使用しており、小学生が本を読むそばで、中等生が自習をする姿なども見られます。
交流もしばしばあり、中等の演劇部が小学生に演劇を見せてくれたり、吹奏楽部が演奏してくれたりということもあるそうです。
◎自然に触れる「四季のにわ」
また、校庭とは別に「四季のにわ」という屋外スペースもあります。
築山を中心に、この校舎が建てられる前からこの場所にあったイチョウなどの樹木が残され、子どもたちが自然に触れることができる場所です。
また、敷地内にある学校園では、子どもたちが野菜を育てる体験をしています。
昨年度は2年生が挑戦、「JA東京みどり」に協力を仰ぎ、その指導のもとに大根、小松菜、カブをつくって給食で食べました。
このほかにも立国小では、
・具体的な学びの目的と結びついた、さまざまな学校行事
(思考力、探究力、発信力を育むためのスピーチコンテストなど)
・入学から12年後、そして卒業20年後を見据えたキャリア教育
などの独自のカリキュラムを組んでいます。
開校から3年目でまだ卒業生は輩出していませんが、現時点で実際に何か成果は上がっているのでしょうか?
そこで、現状の成果や課題などについて、校長先生にお話を聞きました。
校長先生に聞く、立川国際小の設立意義、成果、そして課題とは
東京都立立川国際中等教育学校附属小学校の校長を務めるのは、横田 雅博先生です。
立国小の開校に携わった市村裕子前校長のあとを受けて、今年(2024年)4月1日から新校長に就任しました。
それまでは、東京都の都立学校教育部・教育改革推進担当課長として、都立校の教育改革に携わってきましたが、現在は立国の小学校と中等教育学校(中高一貫校)をあわせた全体の校長を務めています。
そこで横田校長に、開校から3年目に突入した立国小について、未就学児の親御さんが知りたいと思われることを伺いました。
公立の小中高一貫校を設立した意義
そもそもこれまで「私立の小中高一貫校」は多数あり、子どもたちの教育において一定の重要な役割を果たしてきました。
そこに「いま」「なぜ」東京都が小中高一貫校をつくる必要があったのでしょうか?
その意義は、「新しい教育システムの構築」だと言います。
「現在さまざまな教育課題がありますが、中でも(小・中・高)各校の間をどのように円滑につなげていくか、というのはひとつ大きい問題です。
どの校種(=小学校、中学校など学校の種類)の学校も先生たちも、自分の学校だけで教育が完結するわけではなくて、児童・生徒が自分のところに来る前の校種とのつながり、そして次の校種とのつながりが非常に重要になってきます。
東京都には、中高一貫教育を6年間で行う教育システムの学校が10校ありますが、6年間かけて生徒を育成していくというのは、(中学校3年+高校3年と分かれている場合に比べて)非常にシームレスに進められるので生徒もさまざまなチャレンジができますし、チーム力も上がる、という効果があることがわかっているんです。
ということは、そこにさらに附属の小学校を設置することで、今度は12年間のシームレスな教育ができるというわけです」
たしかに、小学校、中学校、高校がそれぞれまったく異なる教育方針や目的、カリキュラムで運営されている場合は、子どもたちは進学するごとに過去の学びや経験を一旦リセットして新たな学校に合わせることを求められるかもしれません。
先生方も、6年、3年という限られた時間の中で、子どもたちにできるだけの教育をしたとしても、それが次にスムーズに連携して引き継がれなければ、せっかくの取り組みも十分な成果をあげられない恐れがあるでしょう。
その点、小中高一貫校であれば、子どもたちは6歳から成人する18歳までの12年間を一貫した教育方針、教育目標、カリキュラムのもとで過ごすことができます。
途中で分断されないことで、目指す教育の成果が得られる確率は高まりそうです。
ただ、それだけなら私立の一貫校でもこれまで実践されてきたでしょう。
それをあえて「公立」で行う意図はどこにあるのでしょうか?
「本校だけが何か取り組みをして成果を出して終わるのではなく、その取り組みがどの学校にも活用できるように提案を発信していくことが、本校の重要な責務のひとつです。
それによって、下の校種から次の校種に上がってきた児童、生徒をよりよく育成することにつながる、そういう意義を感じています」
「私立一貫校」は、自校独自の教育を突き詰めていくことで各校ごとの存在意義を確立しています。
それに対して「公立一貫校」である立国は、「12年間一貫教育」という分断のない教育システムの中でさまざまな試みや取り組みをし、その成果を普遍化して多くの学校に敷衍していく役割をになっているのです。
私立の小中高一貫校との違い、アドバンテージとは?
日本の教育において、公立の小中高一貫校がもつ意義は理解できました。
では実際にその教育を受ける子どもとその保護者の視点に立ったときに、同じ一貫校でも「私立」と「公立」では何が違うのでしょうか?
もちろん、「公立は私立よりも学費などが抑えられる」というコストメリットはあります。が、教育の内容に関して、公立一貫校ならではの特色、アドバンテージはあるのでしょうか。
「そのご質問はよく受けますが、私は私立との違いや他校との比較で考えたことはあまりありません。
それよりも、それぞれの学校が目指すものを持っています。
本校が目指すのは、国際社会で貢献して活躍できる人、より平穏な社会を構築する役に立てる人材を育てることです。
そのためのチャンスをいかにあたえられるか、というのが学校の責務だと思いますので、『これだけいろいろなチャンスを提供しています』と言える学校でありたい、とは思っています。
たとえば本校は校名に『国際』とついていますが、国際教育や海外交流などはどこでもやっていることで、公立は私立にはかなわない、とよく言われます。それはやはり、予算などの問題があるわけです。
けれども、やり方で工夫はできます。
うちの場合、都立の強みがある。東京都として海外の各省庁とつながって、留学生を海外に送ったり連れてきたりということがたくさんあるんです。
だから、チャンスは学校だけで作るものではなくて、東京都も含めて作られる、そこは(アドバンテージとして)あるかもしれません」
ちなみに、立国小の開校を担った市村前校長は、さまざまな学校や教育プログラムを参考にしていたそうです。
たとえば私立や公立の小中高一貫校の協力を得て、それぞれの教育内容を見せてもらう、ということもしていました。
また、市村校長は以前、東京都で「国際バカロレアコース」の開設を担当していたため、その教育も立国小に影響したようです。
「国際バカロレア(=IB)」とは、スイス・ジュネーブにある「国際バカロレア機構」という団体が提供している国際的な教育プログラムです。
グローバル人材の育成や、国の枠にとらわれない世界的に通用する大学入学資格の付与などを目的としていて、そのために独自の教育プログラムを組んでいます。
※参考記事:国際バカロレアの本質的な学びを通して、世界で活躍できるリーダーを育成する
特に市村前校長が意識したのは、IBの考え方のひとつである「学習者像=Learner Profile」だったそうです。
IBでは、すべての教科を通じて「このような人を目指そう」という10の人物像を設定していて、たとえばその中から「今日の授業では、“挑戦する人” になることを目指しましょう」というような具体的目標を決める、という方法をとっています。
目標をお題目のようにただ飾っておくのではなくて、みんなが共有して授業の中でどんどん活用していくのです。
前校長は立国小でも同様に、「『こういう人になりましょう』というビジョンを明確に打ち出すことは大事。どこの学校でもやっていることかもしれないけれど、抽象的ではなくなるべく具体的に提示することが重要」と考えていました。
このように、国や都が行う教育的な取り組みにいち早くアクセスして取り入れることができるのは、たしかに公立ならではと言えるかもしれません。
開校から2年間の成果
前述したように、立国小学校は開校から間もなく、在学しているのは1年生と2年生だけで、12年一貫教育の成果が出始めるまでまだ時間がかかります。
それを踏まえた上で、まずは2年間目指す教育を実践してきて、先生方はどのような手ごたえを感じているでしょうか?
「開校前に考えていたよりも、(実際に入学した子どもたちを見ていると)いい意味で『もっといろいろできるかも』という可能性をとても感じます。
おそらく子どもは ── 特に小学校段階の子どもというのは、みんな知的な好奇心をたくさん持っていて、それをいかに引き出すかというのが、小学校段階の教育にとって本当に大切な礎なんだ、と思います」
子どもたちの可能性を感じる例として、こんなエピソードを教えてくれました。
◎2年生でも「先輩」「下級生のお手本」という自覚が育つ
いま学校では、ひとりに1台ずつ(コンピューターの)端末が導入されています。
既存の学校であれば、高学年の児童が1年生にその使い方などいろいろなことを指導することができますが、立国小にはまだ2年生までしかいません。
そこで立国小では、2年生が1年生に端末の使い方を教えるように設定しましたが、先生方の中には「教えることができるのかな」という不安を抱く人もいました。
ところが、子どもたちはちゃんと教えるようになったそうです。
これは、もちろん日々の教育の中で醸成された成果でもありますが、子どもたちが自然に「自分たちは先輩なんだ」「1年生のお手本にならなきゃ」という自覚を得ていました。
人間は、おかれた環境の中で自分で考えて成長していくものなんだということを、先生方が感じた出来事でした。
◎「低学年にはこれはできないだろう」という枠や天井を超えることができる
また、立国小では文化祭で子どもたちによる発表活動を行っています。
昨年は2年生が校内の菜園で野菜を育てて収穫、食べるまでをまとめて発表しました。
その際に、ポスター作りはもちろん、当日の来場者の呼び込みや会場の仕切り、質疑応答までをすべて児童が担当したそうです。
これを見た先生方は、「『小学校低学年だからこれはできないんじゃないか』と天井や枠にはめてはいけない」「子どもたちには無限の可能性があるのだから、チャレンジさせたほうがいい。もし目標値が少し高かったとしても、われわれ指導者が少しサポートをすれば、彼らはできるんだ」と強く感じたといいます。
たしかに実際の授業でも、2年生に対して先生が「英単語を英語で説明させる」というとても難易度の高い課題を出していました。
それに応えて、子どもたちも何とか説明しようと、知っている単語の中から意味が近いものを探すなど、あきらめずにいろいろ考えをめぐらせる様子が見られました。
「そういう(学びに限界を設けない)自由度の高さが、きっと可能性を伸ばしてあげているんでしょう。
間違えたり失敗したりすることで、そこから学んで『メタ認知』が育っていくものだと思うので、その精神で児童に対応して、児童もまたそれに応えてくれています」
保護者の反響
そのような教育の方針は、保護者からも好意的に受け止められているようです。
「まだ1、2年生だけなので、『学校が大好きで、楽しく通っています』といったお話をいただいていて、大きな課題は今のところないと思います。
ただ、きっと保護者の方の多くは、英語教育に非常に期待されていらっしゃると思いますので、『もっともっと(力を入れてほしい)』という思いはおそらくあるでしょうから、それに対してはていねいにご意見を伺って、できるところを改善していきたいですね」
実は立国小には、保護者が学校教育に参加できるユニークな仕組みも設けられています。
「『チーム立国人材バンク』というものを作っています。
保護者の中にはいろいろなスキルや経験をお持ちの方がいらっしゃって、たとえば『〇〇語が少し話せます』『この楽器が弾けます』といったことを登録していただくんです。
それで、何かの機会にゲストティーチャーで来ていただいたり、ご協力いただいたりしています」
そのような仕組みがあれば、保護者が学校での教育のあり方を目にする機会もあるでしょうし、保護者の声が学校側により届きやすそうです。
今後の課題
このように、さまざまな試みに挑戦していて成果も上がりつつある立国小ですが、最後に校長からは今後の課題も挙げられました。
「『探究的な学び』のプログラムは、もう少し掘り下げていかなければいけないと思っています。
先ほど見ていただいた『探究の技』などをどのように蓄積して使えるようにしていくか、その共有のしかたや指導のしかたなどは、もっと工夫が必要ですね」
「探究的な学び」は、現在の日本の学校でもっとも重視されている学習活動のひとつです。
これにより、自ら考え、判断し、問題を解決する力を育むことを目的としています。
立国小でも前述したように、「探究の技を身に着ける」「ラーニング・コモンズの活用」「四季のにわプロジェクト」など独自の取り組みで探究的な学びを深めていますが、今後はその手法がさらに洗練されていくことが期待できるようです。
「子どもたちがもっている知的好奇心や『伸び』などに応えきれているかというと、応えきれていない部分がまだある、もっとできることがあるんじゃないか、と思っています」
私立一貫校や他校と比較するのではなく、「グローバル人材を育成できる公立小中高一貫校」のパイオニアとして、立国小でできることを考えて果敢にチャレンジしていく ── その柔軟性の高さと先生方の情熱こそが、立国小ならではの存在意義なのかもしれません。