育休には、「育児休暇」と「育児休業」の2種類あることをご存知ですか?「育児休暇」は、休暇中に育児をすること、「育児休業」は、法律に基づいて取得できる休業制度です。ここでは、男性の「育児休業」について、育休の期間、手当、取得率、そして実際に育休を1年間取得した筆者の夫の体験談などをご紹介します。
女性に比べて、男性は育休をとりづらいのでしょうか?筆者の知り合いに体験談を聞いてみました。
筆者の友人である子育て中のパパに話を聞いてみました。
「育休に興味はあったが、部署内の人数が少ないので、言い出せなかった」
「出産後に数日休んだが、それ以上仕事を離れる勇気はなかった」
とのこと。
彼らは、上司に育休について相談することはありませんでした。もし今、育休を取得したいと上司に言ったら、どんな反応をされるのか不安で言い出しづらい、今の仕事から離れる勇気がない、と不安になってしまうのは仕方がないことかもしれません。
「毎日バリバリ仕事をこなしてきたのに、育休を取得したら出世コースから外されてしまうのでは」という不安を持つ人もいるかもしれません。
筆者の友人の旦那さんは、「育休をとりたかったが、順調に昇格しているなか、育休を取ると、一時的に仕事から離れるため、出世コースから外されてしまうのでは?」と育休を取得しませんでした。
「育休は男性も取得可能である」と、法律で認められていることを知っていますか?育休の期間や手当などについてご紹介します。
育児・介護休業法によって、女性だけでなく男性の育児休業の取得も認められています(※1)。
勤め先に育児休業に関する規定がない場合でも、申し出ることにより育休を取得することが可能。契約社員や妻が専業主婦の場合でも取得できます。ただし、勤め先で働き出してから1年未満の場合や、1週間に2日以下しか働いていない場合などは対象外です。
男性のみが育休を取得する場合、育休の期間は、子どもが1歳になる誕生日の前日までの期間です。パパもママも育休を取得する場合、育休の期間は子どもが1歳2カ月になるまで、となります。
育休後、子どもを保育園に入れたくても入れなかった場合は、1歳6カ月まで期間を延長することが可能ですが、休業期間は最長で1年間です。
厚生労働省によると、男性の取得期間で最も多いのは「5日未満」で56.9%です(※2)。
育休中の給料は、勤め先の規定により異なります。給料が支払われない場合は、雇用保険からの育児休業給付金の受け取りが可能です。
育休を取得してから最初の半年間は、育児休業開始前賃金の67%の育児休業給付金が支給されます。育児休業給付金には、所得税、社会保険料、雇用保険料がかかりません。
手取り賃金で比較すると、休業前賃金の約80%が支給されることになるのです。育休開始から半年を過ぎると、休業前賃金の50%の育児休業給付金が支給されます。
ただし、パパとママが半年ずつ育休を取得する場合、1年間にわたって、育児休業開始前賃金の67%が給付されます。
2016年度の厚生労働省の調査によると、男性の育児休業取得率は、3.16%とのこと。2015年度より約0.5ポイント増加し、過去最高を記録しました。ちなみに女性の育児休業取得率は、81.8%です。
厚生労働省では2020年度までに男性の取得率を13%にしたいという目標を立てています。2013年より「イクメン企業アワード」を実施して、男性の育休取得の促進をしている企業を表彰するなどの取り組みをしています(※3)。
男性が育休をとるために、社内で普段からできることをご紹介します。
勤め先の上司や同僚と良好なコミュニケーションをとっていますか?信頼関係がない人たちに育休を申し出ても、冷たい目で見られてしまうかもしれません。
育休は法律で認められた制度ですが、育休をとると決めた日から復帰するまで、温かい目で見守って欲しいですよね。日頃から上司や同僚とコミュニケーションをとり、チームワークを高めておきましょう。
育休開始までの日々は案外あっという間に過ぎてしまうもの。時間意識を高め、育休開始予定日までに引き継ぎをきちんと行いましょう。引き継ぎや人事労務関係の手続きもあるため、育休は早めに申し出るのが無難です。
筆者の夫が育休について上司に相談したのは、出産予定日の半年前でした。安定期に入る頃です。まず直属の上司に個別に相談し、育休取得の許可を得ました。
筆者の夫は、以前上司が育休を取得し、パパとママ2人で子育てした体験談を聞いたことをきっかけに、いつか子どもが生まれたら育休を取得しようと考えていたそうです。
子どもが生まれてからの1年間は、お宮参り、お食い初め、ハーフバースデーなどのイベントや、初めての寝返り、はいはい、たっち、など記憶しておきたい物事が目白押しです。
その期間をいっしょに過ごせたことは、妻の筆者からしても貴重な体験でした。
夫は残っていた有給休暇などの休暇を使い、結局出産予定日の3週間前から、子どもが1歳になった誕生月の月末まで約1年2カ月間、育休を取得。
育休後の復帰のときはさすがにドキドキしていたようですが、今では育休取得前と同じペースで働いています。
「育休を取得して、いっしょに育児を楽しみたい!」と考える男性は年々増えています。近年は「イクメン」ということばが定着してきましたが、男性の育休取得率はまだ高くはありません。
まずは、育休取得中に得られる手当の金額や期間などを確認してみましょう。
長期間育休を取得すると、毎日の子どもの成長を肌で感じられます。子どもの成長は本当にあっという間。特に子どもが生まれてからの1年間は、ママも慣れないことが多く、パパが近くにいると心強いようです。
男性が育休を取得するには、普段から職場の上司やメンバーとのコミュニケーションを円滑にしておくことがポイント。また、早めに育休取得の希望を伝えておくことも大切です。
子どものためにも、ママのためにも、パパのためにも、思い切って、育休の検討をしてみてもよいのかもしれませんね。
※記事内で使用している参照内容は、2017年9月6日時点で作成した記事になります。
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