【助産師監修】新生児が寝すぎて心配。授乳間隔や起こすときの工夫

【助産師監修】新生児が寝すぎて心配。授乳間隔や起こすときの工夫

2023.01.24

Profile

河井恵美

河井恵美

エミリオット助産院 看護師/助産師

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等、様々な診療科を経験し、助産師歴は25年。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在は、シンガポールの産婦人科クリニックに勤務し、日本人の妊産婦さん方のサポート。世界にいる親御さんを応援するため、インターネット上でエミリオット助産院も開設している。

新生児期の赤ちゃんは、昼夜の区別がなく、2~3時間のサイクルで短い睡眠を繰り返すと言われています。新生児のときに寝すぎていると心配になるママもいるかもしれません。昼間に寝すぎて夜中寝ないと悩むママもいるようです。 今回の記事では、助産師の河井恵美さんに監修していただき、新生児の睡眠についてご紹介します。新生児期の睡眠サイクルや、新生児が寝すぎるときに確認したいこと、寝すぎる新生児への母乳やミルクをあげるタイミング、新生児を起こすときに工夫したこと、寝すぎる場合に考えられる病気について体験談を交えてお伝えします。

新生児期の睡眠サイクルは?

新生児期の睡眠サイクル・特徴

新生児は2~3時間のサイクルの短い睡眠を繰り返し、1日で合計16~20時間程寝る※と言われています。まだ昼夜の区別がなく、夜中であっても授乳やおむつ替えが必要で、出産直後のママは辛いと感じることもあるでしょう。生後4カ月頃までは生活リズムが整わないことが多いため、辛いときは周囲にサポートをお願いして、赤ちゃんの睡眠サイクルに合わせて一緒にお昼寝するとよいかもしれませんね。

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月齢別の睡眠時間と特徴
※出典:「未就学児の睡眠指針」/愛媛大学医学部附属病院 睡眠医療センター

新生児期の赤ちゃんの睡眠に関する体験談

新生児期の赤ちゃんの寝る様子についてママたちに体験談を聞いてみました。

30代ママ
30代ママ

入院していたときは寝ては起きての繰り返しだったのですが、自宅に戻ったら昼間は授乳の時間以外よく寝ていました。夜中は、昼間寝すぎて寝ないこともありました

30代ママ
30代ママ

新生児期の睡眠サイクルは1、2時間おきに起きると聞いていたのですが、入院中に赤ちゃんと同室になったときからよく寝ていてびっくりしました。看護師さんにアドバイスをいただき、授乳間隔を整えるために2、3時間おきに起こすようにしました

生後間もない新生児期はママのお腹の中にいるときと同じように昼夜関係なく短いサイクルで寝たり起きたりを繰り返すと言われているようですが、1日のうちほとんどの時間を寝ていたり、長時間まとまって寝たりする新生児もいるようです。赤ちゃんがあまりに長い時間寝ていると心配になったというママの声もありました。

新生児が寝すぎるとき確認したいこと

新生児が寝すぎているときに赤ちゃんの状態を見るとよいかもしれません。新生児のどのようなことを確認していたのか、ママたちの体験談をご紹介します。


おしっこの回数や量

30代ママ
30代ママ

赤ちゃんが寝すぎていて起こした方がよいか悩んだときは、脱水症状になっていないかを確認しました。おむつ替えをしてから時間が経っているのに濡れていなかったら、赤ちゃんを起こして授乳をするようにしていました

赤ちゃんのおしっこの量が普段より少ないときは、起こすようにしていたというママの声もありました。体の中の水分が不足することで、おしっこの回数や量が減っているかもしれないので、脱水症状が心配なときは赤ちゃんを起こして授乳をするとよいかもしれません。


肌の状態

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iStock.com/Yuji_Karaki
20代ママ
20代ママ

新生児の頃よく寝ていて心配になったときは、赤ちゃんの唇を触ってみてカサカサしていないか確認しました。カサカサしていなくて潤っているときは、そのまま寝かせていました

30代ママ
30代ママ

朝授乳をして寝てから昼前までずっと寝ていることがありました。赤ちゃんの様子を見ると汗をかきながら寝ていたので、脱水症状を防ぐために水分補給をさせたいと思い起こしました

赤ちゃんが寝すぎるときは、肌の状態や顔色が悪くなっていないか確認したというママの声もありました。赤ちゃんが寝すぎているときは、脱水症状など具合が悪くなっていないか顔や体の状態を確認するとよいかもしれません。


寝ている時間

20代ママ
20代ママ

新生児期に、5時間くらい寝たままのときが数回ありました。赤ちゃんが寝た後、自分もいっしょに寝ていましたが、起きたときに赤ちゃんはまだ寝ていたので、さすがに心配になり起こしました

30代ママ
30代ママ

いつもは約3時間おきに起きたり寝たりを繰り返していたのですが、5時間以上まとめて寝ていたときがありました。出産のときの入院中に、3時間以上経ったら起こして授乳するようにと言われていたので起こして授乳しました

睡眠時間を計っていなくても、昼過ぎから夕方までずっと寝ていて気になって起こしたというママの声もありました。睡眠時間が5、6時間以上の場合は、水分補給のためにも起こして授乳などをしてもよいかもしれません。


赤ちゃんが脱水症状を起こしている可能性があるとき

おしっこの回数や量、肌の状態から以下のケースに該当する場合、赤ちゃんが脱水症状を起こしている可能性があります。

  • おしっこの量や回数が少なくなっている
  • おしっこの色が濃くなっている
  • 唇や皮膚が乾燥している
  • 泣いても涙が少ない、出ない
  • 目が落ちくぼんでいる

上記のいずれかのケースに該当し、脱水症状を起こしている可能性がある場合、1ヶ月健診までの赤ちゃんの診療科は「産科」か「小児科」となります。まずは出産した病院に電話などで相談してみましょう。

なお、1人で新生児を連れて病院へ行くというのはハードルが高いと感じることもあるでしょう。そのようなときには家族はもちろん、周りにサポートをお願いするとよいかもしれませんね。

寝すぎる新生児への母乳やミルクのタイミング

新生児期の授乳は、睡眠サイクルに合わせて2、3時間おきにあげているママもいるようですが、寝すぎる新生児へどれくらいの授乳間隔であげていたのでしょうか。ママたちに体験談を聞いてみました。


泣いたとき

30代ママ
30代ママ

3時間以上経っても寝ているときは、赤ちゃんの状態を見て大丈夫そうならそのまま寝かせておいて、起きて泣いたら母乳をあげていました

赤ちゃんが泣いたときに授乳していたママもいるようです。寝ていてもお腹が空いたときは泣いてママに知らせるのかもしれませんね。


体重が増えていないとき

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k r e f/Shutterstock.com
20代ママ
20代ママ

赤ちゃん用の体重計を買って、新生児の頃毎日計っていました。最初の頃は泣いたら母乳をあげていましたが体重が増えていませんでした。授乳のリズムを早くつかむためにも2~3時間おきに起こして母乳をあげたら、体重が増えるようになりました

30代ママ
30代ママ

赤ちゃんが産まれてから10日ほどして、出産した病院で赤ちゃんの体重測定がありました。そのとき体重があまり増えていなかったので、授乳のリズムを規則正しくしようと思い3時間おきに起こしてミルクをあげていました

産まれてからある程度日数が経っても体重が増えていないときに、数時間おきに起こして授乳をしていたママもいるようです。赤ちゃんとママの授乳のリズムを早くつかむために、新生児の頃からなるべく規則正しい授乳間隔で母乳をあげていたというママの声もありました。

赤ちゃん用の体重計を買って、毎日確認していたというママもいるようです。


ママの胸が張るとき

30代ママ
30代ママ

母乳をあげていますが、授乳から2時間くらい経つと、おっぱいが張って痛かったので、どうしようもないときは赤ちゃんを起こして授乳していました

母乳の場合、授乳間隔が空いておっぱいが張っているのを放っておくと、乳腺炎などにならないか心配になるママもいるようです。おっぱいが張って痛いときは、搾乳して母乳を保存しておく方法もありますが、授乳のリズムをつかむためにも赤ちゃんを起こして授乳するとよいかもしれません。

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寝ている新生児を起こすときの工夫

寝ている新生児を起こしたいときに、どのように起こせばよいのか気になるママもいるかもしれません。よく寝ている赤ちゃんを起こすときに工夫していたことをママたちに聞いてみました。


声をかける

30代ママ
30代ママ

起こすときは、赤ちゃんの名前を優しく呼びながら声をかけていました。声かけは起こすときに最初に行う手段で、敏感になっているときだとパチっと目を見開いていました

赤ちゃんを起こすときに声をかけていたママもいるようです。起こすときに明るい歌を歌ったというママの声もありました。優しく語りかけるように声をかけてあげるとよいかもしれません。


おむつ替えをする

30代ママ
30代ママ

寝すぎている赤ちゃんを起こすときは、おむつ替えをしていました。寝ているときだと交換がしやすかったです。起きると泣いてしまうので、おむつをすばやく替えていました

赤ちゃんを起こすきっかけとしておむつ替えをしていたというママもいるようです。おむつを替えてもまだ起きないときは、おむつを開けたままにして、うちわで仰いで股に刺激を与えて起こしていたというママの声もありました。


顔や足をくすぐる

20代ママ
20代ママ

赤ちゃんを起こしたいときは、肌への刺激になるかと思い、顔や足の裏をくすぐって起こしました。くすぐると顔や足をちょっと動かして目を覚ましてくれました

顔や足などの体をくすぐる起こし方は簡単にでき、赤ちゃんとのスキンシップにもなってよいかもしれません。くすぐる以外にも、頭をなでたり、体にフーっと息を吹いたりとさまざまな起こし方ができるようです。

新生児が寝すぎる場合に考えられる病気

新生児が寝すぎる場合、実は病気だったというケースがあるようです。実際に新生児が寝すぎると不安になったり、病気を疑ってしまったりするかもしれません。新生児が寝すぎると感じる場合に、どのような病気のケースがあるかご紹介します。


乳幼児突然死症候群(SIDS)

乳幼児突然死症候群(SIDS)は、赤ちゃんが眠っている際に突然亡くなってしまう病気です。

現在の医療では原因がまだはっきりとわかっていませんが、うつぶせ寝や受動喫煙によってリスクが高くなるともいわれています。

赤ちゃんの異常を見逃してしまわないよう、よく眠っているからといって長時間目を離さずにこまめに赤ちゃんの様子を確認することが大切です。


新生児黄疸

新生児黄疸は、生まれたばかりで肝臓機能が未熟なため、血流中のビリルビンの増加が原因で皮膚や眼が黄色くなることです。

ほとんどの赤ちゃんに多少の黄疸がみられるといわれており、その回復のために睡眠時間が長くなることがあります。

心配のいらない場合がほとんどで、生理的な黄疸であれば生後7日ほどで自然に治まりますが、まれに血液型不適合などが原因で起こる病的黄疸のケースもあります。

新生児が寝すぎるときは様子を見よう

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iStock.com/Satoshi-K

生後間もない新生児の中には昼寝しすぎてしまい、夜中に寝ない赤ちゃんもいるようです。寝すぎて病気ではないかと心配なときは肌の状態を確認したり、ママのおっぱいが張るときや赤ちゃんの体重の増えない場合は、授乳のリズムをつかむためにも赤ちゃんを起こして母乳など授乳をしたりするとよいかもしれません。寝すぎる赤ちゃんを起こすときは優しく触れたり声をかけたりしながら、気持ちよく赤ちゃんを起こせるとよいですね。


監修:河井恵美(エミリオット助産院)

Profile

河井恵美

河井恵美

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等、様々な診療科を経験し、助産師歴は25年。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在は、シンガポールの産婦人科クリニックに勤務し、日本人の妊産婦さん方のサポート。世界にいる親御さんを応援するため、インターネット上でエミリオット助産院も開設している。
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