赤ちゃんの成長の証「後追い」はいつからいつまで?上手な対処法とは

赤ちゃんの成長の証「後追い」はいつからいつまで?上手な対処法とは

子育てにおける悩みのひとつ、「後追い」。赤ちゃんが後追いをするようになると、ママ・パパは思うように家事や仕事ができなかったり、トイレにも行けなかったりという人もいるようです。「後追いは一体いつまで続くのか……」と不安に感じることもあるでしょう。今回は後追いの理由や対処法を、体験談を交えて紹介します。

赤ちゃんの後追いとは

赤ちゃんの後追いとは、ママやパパの姿が見えていないと不安を感じ、常に後を追いかけてくる、離れると泣く、などの行動を指します。後追いの時期には、家事や仕事が思うようにできなかったり、トイレにも落ち着いて行けないことなどにストレスを感じたり、また赤ちゃんが泣いている姿を見て心を痛めることもあったりするかもしれません。

後追いをする理由

赤ちゃんは成長するにつれて、ママやパパなど身近な人とそうでない人とを区別できるようになります。そして、いつもお世話をしてくれるママやパパへの愛着や信頼感が芽生え、特別な存在だと認識をするようになります。

そのため、ママやパパが視界からいなくなってしまうと不安に感じ、泣いてしまいます。また、ハイハイの習得によって自分で移動することができるようになるため、ママやパパを求めて後をついてきたり、探し回る行動へと繋がるのです。

1
※写真はイメージ(iStock.com/Yagi-Studio)

後追いの時期や程度は個人差が大きく、後追いをあまりしない赤ちゃんもいます。後追いをしない原因はさまざまですが、赤ちゃんの性格や生活環境が影響していることがほとんどです。たとえば、部屋全体が見渡せる間取りで暮らしていたり、ママやパパの他にも祖父母や兄弟がいる場合などは、安心感から後追いが少ないこともあります。

また、保育園への入園やママの妊娠、引っ越しなど環境の変化が赤ちゃんの情緒に影響を与え、一度おさまった後追いが再び始まることもあるようです。

後追いはいつからいつまで?

後追いが始まる時期は、生後6カ月~11カ月頃が目安になりますが個人差が大きく、「ハイハイが上手にできる頃」「つかまり立ちができるようになる頃」ともいわれています。

一方、後追いが落ち着く時期は1歳~2歳頃が多いです。これは1歳を過ぎると言葉の理解が進み、「ちょっと待っててね」などの言葉が伝わるようになることが関係しています。また、ママやパパの姿が見えなくても少し待っていたら戻ってくると経験により理解するため、自然と離れていても平気になっていきます。

2
※写真はイメージ(iStock.com/Yue_)

後追いが始まる時期や終わる時期は、生活環境や赤ちゃんの性格によってさまざまです。他の赤ちゃんと違っていても不安になることはありません。

こちらの記事も読まれています

後追いの対処法

後追いが続くと、思うように家事や自分のやりたいことができずにストレスを感じるママ・パパも少なくないでしょう。後追いやそれによるストレスが少しでも軽減されるような対処法を紹介します。


赤ちゃんへの声かけを増やす

後追いが激しいときは、赤ちゃんに気づかれないようにこっそりとその場を離れるママ・パパもいるかもしれません。ですが、こっそりと離れるのは逆効果ともいわれています。「すぐに戻るから待っててね」と声をかけてから離れることを習慣づけるほうが、そのときは泣いたとしても、結果的には後追いが早く落ち着くケースが多いようです。

そもそも「待っててね」と声をかけても意味が通じなかったら、赤ちゃんの不安は解消されません。最初は言葉がわからなくても何度も繰り返して伝えることで、赤ちゃんに理解させてあげることが大切です。


赤ちゃんの視界に入るように工夫する

視界からママ・パパがいなくなることで赤ちゃんが泣いてしまうのであれば、常に赤ちゃんの視界に入るように意識してみることもおすすめです。たとえば洗濯物を干すときは、赤ちゃんを窓際に移動させて目が合うようにしたりママが何をしているか見えるようにしたりするとよいでしょう。

ママのなかには、「ゆっくりお風呂に入りたいときには赤ちゃん用の椅子をお風呂に持ち込み、お風呂の端っこで座らせていた」「化粧をするときも離れると泣くので、洗面所の床で遊ばせていた」というママもいるようです。


便利なアイテムを活用する

赤ちゃんの後追いを経験したママ・パパからは、後追い期に便利なアイテムを教えてもらいました。

30代/4児のママ
30代/4児のママ

後追いの時期はおんぶ紐が重宝していました。おんぶをするとすぐに寝てしまうことが多かったので、その間に急いで家事をこなしていました。肩や腰が痛くなりにくいおんぶ紐や昔ながらのシンプルなおんぶ紐などを口コミを参考に購入し、状況に応じて使い分けていました。

20代/2児のママ
20代/2児のママ

娘が7カ月頃は後追いが激しく、私はトイレにもゆっくり行けなかったため、そんなときは子ども向けの動画を活用していました。まだ小さいうちからテレビや動画を見せることには罪悪感もありましたが、その間は泣かずに待っていてくれたので、気持ちがラクになりました。

3
※写真はイメージ(iStock.com/RichLegg)
30代/1児のママ
30代/1児のママ

掃除中にもハイハイ期の娘がついてくるので、掃除機のコードが邪魔になるのがストレスでした。思い切ってコードレススティック掃除機に買い替えたところ、掃除のハードルが驚くほどに下がり、ストレスが軽減されました。

役に立った育児グッズランキング1位は94.3%で◯◯。子育てに使える用品やレンタル品も調査

役に立った育児グッズランキング1位は94.3%で◯◯。子育てに使える用品やレンタル品も調査

気持ちの持ち方を変える

後追いは、この先ずっと続くわけではありません。いつか子どもが大きくなったときに、「あの時の後追いは可愛かったな」としみじみ思い出す日がくるでしょう。こんなにも自分を求めてくれることは二度とないかもしれないと考えると、気持ちが少し変わるかもしれません。

また、保育園に入園するときはママやパパと離れたくなくて大泣きする子どもが多いです。朝子どもと別れるときにママやパパが不安そうな顔をすると、子どもに不安な気持ちがうつってしまいます。「ここは楽しい場所なんだ」と子どもが感じられるように、明るく笑顔でさっぱりと別れるように心がけましょう。

後追いにまつわる体験談

赤ちゃんの後追いを経験したママ・パパからは下記のような話を聞くことができました。

30代/1児のママ
30代/1児のママ

子どもの後追いが始まってからは、トイレに行くのにも苦労しています。トイレのドアを閉めると、この世の終わりくらいに泣くので、仕方なくトイレのドアを開けっ放しにしています……。夫がいるときもつい開けっ放しにしてしまい、子どもが産まれる前では考えられなかったなと思っています。

40代/1児のママ
40代/1児のママ

夕方になると特に後追いが激しく、料理をしている私の足元で大号泣されます。これまでは、ご飯の準備を中断して外を散歩したり、おんぶで料理をして対応していましたが、疲れてしまいました。

最近は食事の時間をきっちりと決めることはやめて、赤ちゃんの機嫌に付き合いながらゆっくりと準備をするようにしています。生活リズムは少し崩れましたが私の気持ちに余裕がうまれ、赤ちゃんの後追いも前より可愛く思えるようになりました。

4
※写真はイメージ(iStock.com/monzenmachi)
30代/2児のママ
30代/2児のママ

息子は1~2歳の頃、激しい後追いがありました。私に対してだけ後追いをしていたので、少しでも離れると大泣きする姿にストレスを感じていました。ですが、息子が中学生になった今、トイレのドアの前で涙目になって忠犬みたいに私を待っていた姿を思い出すと、本当に可愛かったなと思います。後追いは限られた時期だけですし、大切な思い出になりますよ。

20代/1児のママ
20代/1児のママ

娘の後追いは生後6カ月頃から始まり、4歳になった今でも続いています(笑)。どこでもついてくる姿は可愛いので、抱っこするなどして甘やかしてしまいます。最近はパパへの後追いも増えてきて、私はラクになりパパは機嫌が良くなるので、これもいいなと思っています(笑)。

40代/3児のママ
40代/3児のママ

長男は9カ月で後追いが激しい時期に保育園に入れたため、毎朝預けるときに大泣きで、とても辛かったです。こんなに泣いている子どもを置いて仕事に行くのかと、当時は葛藤がありました。一方で次男は後追いが始まる前の4カ月で入園させたため泣くこともなく、気持ちが少しラクでした。

30代/3児のママ
30代/3児のママ

3人子どもがいますが、後追いをしてきた子はひとりもいません。長女が1歳頃、保育園の行事で担任の先生に後追いしている姿を見て、複雑な気持ちになったことを覚えています(笑)。先生も気まずそうでした。

40代/3児のママ
40代/3児のママ

3人子どもがいますが、後追い期は料理が一番大変だった記憶があります。キッチンにバリケードを設置して急いで料理をしていましたが、バリケードにつかまり立ちをして泣いていた姿を覚えています。2人目、3人目の時も同様に後追いはありましたが、気持ちに余裕があった分、可愛く感じる気持ちが強かったです。

後追いは成長の証。心の余裕を持って対応を

5
※写真はイメージ(iStock.com/Edwin Tan)

後追い期はママやパパにとっては大変な時期ですが、赤ちゃんが成長している証拠です。子どもが大きくなると、後追いされていたことをきっと懐かしく思うでしょう。適度に息抜きをしたり周囲の人にも頼りながら、後追い期を大切に過ごせるとよいですね。


<執筆>KIDSNA編集部


監修:河井恵美(エミリオット助産院)

Profile

河井恵美(エミリオット助産院)

河井恵美(エミリオット助産院)

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等、様々な診療科を経験し、助産師歴は25年。青年海外協力隊でコートジボアールとブルキナファソに赴任した後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在は、シンガポールの産婦人科クリニックに勤務し、日本人の妊産婦さん方のサポート。世界にいる親御さんを応援するため、インターネット上でエミリオット助産院も開設している。

家族カテゴリの記事

ショート動画

教育を親の自己満足にしてはいけない。教育虐待になりうるハイパーペアレンティングの恐ろしさとは

教育熱心はどこまで?

この連載を見る

不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親がどうあるべきか、各専門家に取材しました。
夫婦2人で全部は無理?「子育て・家事・仕事」現代子育てに素敵な選択肢を

共働き家庭が増加している昨今、夫婦ともに実家が遠いと、どうしてもシッターが必要になることもあるのではないでしょうか。今回の記事では、共働き家庭のママが有資格者のみが登録できるKIDSNAシッターのサービスをはじめて利用した様子をレポートします。