赤ちゃんの予防接種のスケジュールの立て方とワクチン接種のポイント

赤ちゃんの予防接種のスケジュールの立て方とワクチン接種のポイント

赤ちゃんが生まれて間もない時期に始まる予防接種。育児が大変なこの時期、大切な命を守るため、予防接種に見落としがないか不安を感じる方も多いでしょう。今回は、子どもの予防接種スケジュールとワクチン接種を受けるときの基本的なルールやポイントについて解説します。

金髙太一(おひさまクリニック)
子どもの健康と命を守るために必要なワクチン接種。現在日本では、予防接種法に基づき、病気を防ぐため誰もが受けるべきとして、伝染の恐れがある疾病の予防接種を推奨しています。
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ベストなタイミングで予防接種を受けるためのスケジュール

赤ちゃんが生まれると、定期接種しなければならないワクチンの多さから、どのタイミングで受けるべきか分からなくなってしまう方も多いもの。

予防接種は接種可能な月齢や回数、間隔がそれぞれのワクチンによって異なり、分かりにくく複雑ですが、あらかじめ予防接種のスケジュールを組むことで、見落とすことなく確実に予防接種を受けることが可能です。

あらゆる病気から大切な子どもを守るためにも、予防接種のスケジュールを作成し、漏れることなく受けるようにしましょう。

 日本小児科学会では、国が推奨している予防接種のスケジュールを2011年より発行しています。 保護者の意見を反映して、分かりやすく月単位の記載に統一して作成されています。
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※日本脳炎ワクチンの定期接種は基本的には3歳からスタートしますが、日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎が発生した地域・豚の日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児に対して、生後6カ月からの定期接種開始が推奨されています。
生後2カ月から打てるヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルスからスタートし、3カ月から四種混合、5カ月でBCG、1歳になると麻疹・風疹、水痘(みずぼうそう)、ムンプス(おたふくかぜ)…など打てる時期はワクチンごとに異なります。

もちろん、子どもの風邪などで予定がズレてしまうこともありますが、、時期が過ぎてしまうと補助が受けられなかったり、接種できなくなるワクチンもあるため、可能な限りスケジュールに沿って接種することが大切です。

スケジュールを立てる際は、各自治体から配布される予診票が手元にあるか確認しましょう。スケジュールは母子手帳や小児科学会のホームページなどで確認するか、小児科クリニックなどで相談するのも良いでしょう。

特に0歳のワクチンは種類や接種回数が多いため、できるだけ早く接種すると安心です。基本的に同時接種が可能で、効果や副作用も単独での接種と変わりません。

出典:日本小児科学会の推奨する予防接種スケジュール/日本小児科学会

赤ちゃんへの予防接種の重要性

赤ちゃんや子どもは、病気に対する免疫が未熟で病気にかかることで、重い後遺症が残ってしまったり、ときには命が脅かされたりといったリスクもあるため、予防接種を受けることは非常に大切なのです。

定期接種と任意接種の違い

予防接種には、予防接種法に基づいて各自治体が主体となって実施する「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」があります。
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  • Hib(ヒブ)ワクチン
  • 小児用肺炎球菌ワクチン
  • B型肝炎ワクチン
  • ロタウイルスワクチン
  • 4種混合ワクチン
  • BCG
  • MR(麻しん風しん混合)ワクチン
  • 水痘ワクチン
  • 日本脳炎ワクチン
  • 2種混合ワクチン
などのワクチンについては、定期接種となっています。

一方、
  • おたふくかぜワクチン
  • 3種混合ワクチン
  • 季節性インフルエンザワクチン
などは任意接種に分類されます。

さらに重要なのは、定期接種は基本的には公費で受けることが可能であるのに対し、任意接種の費用は自己負担になります(地域により助成が出ることもあります)。

任意接種のワクチンも、重要性は定期接種のワクチンとほぼ同じ。予防できる病気にかからない、もしかかった場合にも軽くすませるために可能であれば接種したほうがよいでしょう。

ワクチンごとの接種間隔の違い

お子さんの予防接種スケジュールを組む際にママたちが混乱してしまう理由のひとつが、ワクチンごとの接種間隔の違いです。

生ワクチンと不活化ワクチン

ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。このワクチンの種類によって生じるのが次の予防接種を受ける間隔の違い。

生ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを材料に作られています。

そのウイルスや細菌が体内で増殖して免疫を高めていくため、接種の回数は少なくて済むことや十分な免疫ができるまでに約1か月が必要になる点が特徴です。

一方、不活化ワクチンは、病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせたものやよく似たものを材料として作られ、自然感染や生ワクチンに比べて生み出される免疫力が弱いため、1回の接種では十分ではなく、何回か追加接種が必要になります。

これらの違いにより接種間隔にも影響が出ます。

生ワクチン接種後に、異なる種類の注射生ワクチンを接種する場合はは4週間(中27日)以上あける必要が生じます。

2020年10月から不活化ワクチンと経口生ワクチンの接種間隔には制限がなくなりましたが、注射生ワクチンを連続して接種するときには、接種間隔を必ず確認しましょう。
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ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ(厚生労働省)
また、同じワクチンの接種を複数回受ける場合は、生ワクチンであっても不活化ワクチンであっても、ワクチンの種類ごとに次回接種までの間隔が決められています。
接種を受けたワクチンの免疫をしっかり獲得するためにも、ワクチンの種類と接種間隔をきちんと理解することが大切です。

ワクチン接種後に、医師が次にどのワクチンを接種すれば良いか教えてくれたり、かかりつけ医に相談すれば、説明してくれるはずです。不安な場合は確認しておきましょう。

出典:ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ/厚生労働省

ワクチン接種をスムーズに進めるポイント

ワクチンスケジュールがズレないためには、接種月齢が来る前にあらかじめ予約をする、複数ワクチンを同時接種をするなどの対策が有効です。

接種月齢が来る前に予約を

ワクチンが接種できる年齢(月齢)がそれぞれ異なるのは、

・母親からもらった免疫の減少による感染症にかかりやすい年齢
・かかった場合に重症化しやすい年齢
・ワクチンを安全に接種でき、高い効果を得られる年齢

などを考慮して決められているからです。

赤ちゃんの機嫌や体調などで受けられないことも考え、「定められた接種期間中に受けよう」と考えるのではなく、「受けられる時期が来たら、すぐに受ける」ことが基本になります。

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予防接種は予約制のことが多いため、かかりつけ医で接種をしたら、次回の接種日を決めてしまうのもよいでしょう。

そうすることで、先の見通しがつきやすく、スケジュールに余裕をもつことができます。

世界中で行われている同時接種

日本では、赤ちゃんが0歳で接種するワクチンは種類も多く、接種回数は15回以上。これらを1本ずつ単独で受けると、赤ちゃんだけでなく、その度に通院しなければならない保護者への負担も大きくなります。

そこで、有効なのが二種類以上の予防接種を一回で行う同時接種。広く世界中で行われている方法で、早くから必要な免疫をつけることができ、さまざまな感染症から子どもを守ることができます。

同時接種の効果や安全性は、単独接種と変わりなく、発熱などの副反応が出やすくなることもありません。

本数や組み合わせなどの制限もないため、予防接種を受ける際は医師と相談しながら進めていきましょう。

また、予防接種を受ける際は普段の子どもの様子や既往歴を知っている、かかりつけの小児科医で受けることが大切です。

なかには、予防接種のスケジュールを病院側で管理してくれたり、スケジュール管理について個別に相談に乗ってくれたりする小児科もあるため、早めに予防接種の相談をしておくとよいでしょう。

スケジュールを立てて確実な予防接種を

予防接種は赤ちゃんの健やかな健康と成長のために重要なものです。

ご紹介したスケジュールを参考に、漏れなく接種できるよう医師にも相談してみてください。

また、信頼できるかかりつけの小児科探しも出産前から行っても早すぎることはありません。

赤ちゃんが誕生したら頻繁に通うことになるため、実際に問い合わせたり、先輩ママや新生児訪問の助産師、保健師さんなどから情報を集めるなど、早めに行動しておくと安心ですね。

監修:金髙太一

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金髙太一(おひさまクリニック)

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おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。

子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

おひさまクリニック
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2021年02月11日

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