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【小児科医監修】B型肝炎ってどんな病気?ワクチンの働きや接種回数を知ろう!
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上高田ちば整形外科・小児科 副院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 こどもの心相談医
上高田ちば整形外科・小児科 副院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 こどもの心相談医
上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。
平成28年より定期接種となったB型肝炎の予防接種。接種回数やほかのワクチンとの同時接種、予防接種後の副反応や過ごし方について解説します。またB型肝炎という病名は知っていても、実際の症状や原因を詳しく知らないママのために上高田ちば整形外科・小児科、副院長の千葉智子先生にB型肝炎の詳細を聞きました。
B型肝炎とは
B型肝炎は、血液や体液を介し、B型肝炎ウイルスに感染して起こる肝臓の病気です。感染経路や潜伏期間、症状について解説します。
感染経路
B型肝炎の感染経路は、「垂直感染」と「水平感染」の2つがあります。
「垂直感染」は、ママから子どもへと感染した場合をさします。出産時の母子感染、妊娠中に子宮内、産道内でママのウイルスが赤ちゃんに感染するケースです。
「水平感染」は、性行為、ピアスの穴あけなどが原因の感染をさします。
潜伏期間
B型肝炎の潜伏期間は、1~6ヶ月程度です。なかでも、1~3ヶ月が一般的だといわれています。
症状
B型肝炎には、急性型と慢性型があり、型によって症状が違ってきます。
急性B型肝炎の症状は、
・全身倦怠感
・食欲不振
・嘔吐
・褐色尿
・黄疸
褐色尿は、濃いウーロン茶のような色の尿のことです。
黄疸の特徴は、白目部分や皮膚が黄色みを帯びてくることです。
慢性B型肝炎は、急性B型肝炎と違い、病気が徐々に進行していくため、全身の倦怠感や食欲不振などを感じないことがほとんどです。まれにだるさや黄疸などの症状が出て感染に気づくことがあるようですが、ほとんどは検査をして初めて感染が分かるようです。
B型肝炎ワクチンの接種について
B型肝炎は幼少期の予防接種で感染を予防できる病気です。B型肝炎の予防接種は、平成28年10月1日から定期接種になりました。B型肝炎ワクチンの接種を受けるタイミングや、同時接種ができるかなどをご紹介します。
料金
B型肝炎の予防接種は現在、定期接種として1歳未満で3回、自己負担なしで接種できます。母子感染予防のワクチンに関しては、保険診療で接種ができるため、出産した病院などでご確認ください。
理由があって、予防接種の期間中に受けられなかった子どもに対しても、地域によって費用の一部が助成されることもあるようです。
接種のタイミング
平成28年10月より0歳児に対するB型肝炎ワクチン(HBワクチン)が定期接種となりました。接種する年齢が若いほど、免疫の反応が得られたり、小児期の水平感染を予防しやすいことから、予防接種の対象者は1歳になるまでの赤ちゃんとされています。
接種回数は合計で3回とされており、生後2ヶ月、3か月、7~8か月接種することが標準とされています。ただし、感染リスクの高い場合は生後すぐでも接種することができます。1回目と2回目の接種は27日以上の間隔をあけます。さらに、1回目の接種から139日以上(約5カ月)の間隔をあけて3回目を接種することが定められています。
ワクチンの種類、接種方法
B型肝炎は、不活化ワクチンを使用し、皮下注射で接種します。
同時接種可能?
赤ちゃんの調子のよい時を狙って予防接種の規定に従った期間の範囲内に、別々に接種するために何度も病院に行くのは大変ですよね。種類の違うワクチンを同時に接種するのはよいのでしょうか。
赤ちゃん期に接種が定められているワクチンは種類が多いため、同時接種は可能です。B型肝炎の予防接種は、生後2ヶ月で受けるヒブ(Hib)、小児用肺炎球菌、ロタウイルスワクチンと同時接種することもできます。
副反応が気になる場合には、どの組み合わせで同時接種をしてよいか、かかりつけ医と相談するとよいでしょう。
ワクチンの必要性
B型肝炎は、感染していても症状が出ない人もいます。症状が出ていなくても、病気が進んでいたり、治療が必要な場合もあります。ワクチンを打っておくと、免疫ができB型肝炎に感染した場合でも重症化を防げるため、ワクチンの接種は有効と考えられています。
予防接種の副反応
副反応とは
薬を飲んだときに、薬の効果以外の症状が出る場合がありますよね。これを薬の副作用といいます。ワクチンを接種したあとにも、熱が出たり、注射をした部位が腫れたりするなどの反応が出ることがあります。
B型肝炎ワクチンの副反応
実際にB型肝炎の副反応として以下のような症状の報告があったようです。
・倦怠感
・頭痛
・注射を打った箇所の腫れ
・赤み
・痛み
予防接種から数日以内に、赤ちゃんに上記のような症状が出たときは、安静にして様子をみるようにしましょう。
こんな副反応がでたら病院へ
予防接種を打って、以下のような症状があらわれたら病院での受診が必要です。
・高熱
・けいれん
・じんましん
・息苦しそうな様子
このような症状以外でも、おっぱいやミルクが飲めないほどにぐったりしたり、汗が大量に出たり、声が出にくくなったりするアナフィラキシーの症状がみられたときには緊急を要します。すぐに病院に行きましょう。
予防接種をした後の過ごし方
予防接種は身体に抗体をつくる反応を起こすものです。予防接種後は基本的にはいつも通りの生活で大丈夫ですが、下記のようなことを意識しておくとよいでしょう。
安静にする
予防接種をしたあとは、外遊びや身体を使った遊びではなく絵本を読んだり、パズルやブロックなどの室内遊びでなるべく安静に過ごしましょう。
病院で様子をみる
予防接種後は、アナフィラキシーの症状を起こさないか様子をみるために、15分程度は病院で待つように指示される場合もあります。また、気になる症状が出たときに病院ですぐにみてもらえるように遠出はせず、予防接種を受けた場所の近くにいるようにした方がよいかもしれません。
お風呂について
予防接種後にお風呂に入るのはよいですが、注射を打った箇所をこすったり、もんだり、ゴシゴシ洗うことはやめましょう。
子どもの健康を考えてB型肝炎の予防接種を受けましょう
B型肝炎は、予防接種を受ける期間や回数が決まっている定期接種です。ほかのワクチンと同時接種も可能です。
赤ちゃんのうちに予防接種を受けておけば、将来、B型肝炎によって肝硬変や肝臓がんとなるリスクを減らすことができます。子どもが健康で元気な未来を描けるよう、早めに予防接種を受けるようにしましょう。
監修:千葉智子先生(上高田ちば整形外科・小児科 副院長)
Profile
千葉智子
上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。
※記事内で使用している参照内容は、記事作成の2018年8月29日時点のものになります。