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2018年08月04日

【皮膚科医監修】子どものアタマジラミ。原因や症状、流行時期と駆除・対処方法

【皮膚科医監修】子どものアタマジラミ。原因や症状、流行時期と駆除・対処方法

アタマジラミは幼児がかかりやすい子どもの感染症です。アタマジラミの感染経路やアタマジラミが増える原因や症状、流行時期などについて解説します。アタマジラミのときには皮膚科、小児科など何科を受診するか、またアタマジラミと診断されたときの登園やプールについて、駆除方法や家庭での対処法もご紹介します。

加藤円香(恵比寿mamaクリニック)

アタマジラミとは

シラミは幼虫も成虫も皮膚から吸血して、かゆみや湿疹を起こします。

なかでも、アタマジラミ・ケジラミ・コロモジラミの3種は人間に寄生するシラミです。アタマジラミが、人の頭部に付着し血を吸うと、アタマジラミの唾液に対してアレルギー反応として炎症が起きます。

アタマジラミはなぜ発生するのでしょうか。アタマジラミの感染経路や原因、症状などを解説します。

アタマジラミの感染経路と増加する原因や期間

アタマジラミは、「接触感染」でうつります。

保育園や幼稚園で子ども同士、頭を寄せあって遊ぶ場面もありますよね。髪と髪の接触時に感染したり、保育園では午睡の時間に感染する可能性もあります。ほかにも、帽子やタオルなどの貸し借りを介して、感染する場合もあります。

アタマジラミを含む、シラミは1匹だけ発生しても1日に5~6個程度の卵を産むので、どんどん増えていきます。アタマジラミは産卵から最初の成虫が孵化するまでの期間は大体10~14日です。

シラミというと清潔にしていないことが原因というイメージがあるかもしれませんが、実は清潔か不潔かは関係ありません。アタマジラミに接触しまったことで感染するのです。

症状

アタマジラミは、髪の根元に卵が付着して発生します。卵は一見フケと似ていますが、軽いブラッシングでは取れません。シラミの成虫に刺されると、かゆみを伴う赤い丘疹ができる場合はあります。かくと化膿してしまうので、注意が必要です。

アタマジラミの症状として代表的なのは、かゆみです。子どもが頭をかゆがっている様子があるときには、注意深く頭皮を観察しましょう。一方、なかには全く無症状な子どもも少なくありません。髪の毛が十分に生えていない赤ちゃん場合も症状が出づらいため、周囲がアタマジラミの感染に気付けない、ということもあるようです。

流行時期

アタマジラミは、夏に流行るという印象があるかもしれませんが、季節に関係なく1年中発生します

アタマジラミの診断

アタマジラミかもしれないときには、皮膚科を受診するのが望ましいでしょう。

診察では髪の毛の中の成虫、幼虫、毛髪についた卵を検出することで診断します。卵は後頭部、側頭部、耳後部に多くみられます。アタマジラミの卵は、アタマジラミの卵は毛髪に固くこびりついて簡単には取れません。毛を滑って取れるものはフケやヘアキャスト(毛鞘)である場合が多いです。

アタマジラミのホームケア

アタマジラミと診断されたときに感染を広げず、できるだけ早く駆除するためのホームケアをご紹介します。

専用のシャンプーで洗髪

女の子シャンプー
iStock.com/GOLFX

市販されているフェノトリンがはいったシラミを駆除する専用のパウダーまたはシャンプーでアタマジラミを治療します。フェノトリン配合のアタマジラミ専用のシャンプーは、ドラッグストアでも売っているので、手軽に購入できます。

フェノトリンは卵の状態だと駆除の効果が薄く、卵が孵化して幼虫や成虫になってからのほうが、駆除効果は期待できます。シラミの成長速度にあわせて専用のシャンプーを3〜4日に1回、計4回の処置を行うことでシラミを全滅させることができます。

ただし地域によってフェノトリン抵抗性のアタマジラミが増加傾向にあります。その場合はのちに説明する丁寧なブラッシングが必要です。

丁寧なブラッシング

アタマジラミの卵は、軽いブラッシングでは落ちないため、丁寧なブラッシングを心がけましょう。目の細かいクシや、シラミ用の梳き櫛を使用して、根元から毛先まで全体を丁寧にブラッシングして虫や卵を除去することが大切です。さらに温風のドライヤーでしっかり髪を乾かしましょう。

熱湯消毒

アタマジラミの卵や成虫は、55℃のお湯で10分熱湯消毒すると死滅します。衣類や枕カバー、シーツなどは熱湯消毒するとよいでしょう。他のものもクリーニングに出したり、アイロンがけをするなどして、熱処理を行うとより安心かもしれませんね。

カーペットや人形など洗濯機で洗えないものはポリ袋に入れて封をし、2週間程度そのまま置いておくと幼虫や成虫は餓死し、シラミの卵は駆除できます。

洗濯物は分ける

家族でアタマジラミに感染した人がいる場合は、感染の拡大により一層、注意が必要です。できるなら、洗濯物は分けるようにしましょう。

タオルやくしは共有しない

たおる 櫛
focal point/Shutterstock.com

タオルやくしを介して感染する可能性もあります。家族間であっても、タオルやくしの共有は控えることが大切です。

登園の目安

アタマジラミは、登園停止が定められた感染症ではありません。駆除対策を開始していれば登園は可能です。しかし接触感染で感染を広げるため、アタマジラミの感染したことを保育園や幼稚園に伝え、集団行動の中で適切な対応をしていくことが大事です。女の子で髪の毛が長い場合は、髪の毛をまとめるようにしましょう。男の子は、帽子を被るなどして、髪の毛が外部に触れないように工夫する必要があります。

医師の診断と、園の方針に従って過ごすようにしましょう。

アタマジラミのときのプールは?

アタマジラミは髪の毛に強くつかまっているため、水の中に落ちることはないので、プールの水でうつることはありません。しかし、頭が触れあったり、着替えのときにタオルや衣服などが触れることで感染する可能性があります。

保育園や幼稚園でのプールは、通っている園に相談するようにしましょう。

適切な対処でアタマジラミは治る

髪の毛サラサラ 
iStock.com/GOLFX

アタマジラミは、流行時期や季節に関係なく、誰にでも起こりうる子どもの感染症です。毎日頭を洗っていても感染する可能性があります。アタマジラミにかかっても、保育園や幼稚園では出席停止期間は定められていませんが、ほかの子どもに触れないよう、髪や帽子を管理し、頭をよせて遊ばないように配慮をする必要があるでしょう。

はじめは1匹だけでも、日ごとに卵が増えていくので、アタマジラミかもしれないと思ったら早めの受診と治療が大切です。かゆみなどの症状があらわれたら、皮膚科を受診し、シラミや卵を駆除する専用のシャンプーで対処しましょう。

アタマジラミの原因のシラミを駆除することも大切ですが、不潔にしているとかかる感染症ではないので、年長くらいの子どもには、うつる理由を説明したり、子どもの心のケアも大切にしてくださいね。

監修:加藤円香(恵比寿mamaクリニック)

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加藤円香(恵比寿mamaクリニック)

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恵比寿mamaクリニック院長。

3児の子育てをしながら、恵比寿にお母さんと家族のための皮膚科、漢方内科を開院。こどものスキンケアから美容など、小さなことでも相談できる『家族みんなのかかりつけ医』として診察を行なっている。

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