近年、子どもの国語力の低下が叫ばれています。子どもの国語力をつけてあげるために、どんなことに気をつけておけばいいのでしょうか。小さい頃から気をつけておくことや家庭でできることなどを教育専門家の西村則康先生に教えて頂きました。
こんにちは。西村です。
近年、子どもの国語力の低下が叫ばれています。
家庭教師としてご家庭にお邪魔し、子どもたちを指導している私も、「もっと国語力をつけるために、小さい頃にちょっと気をつけてくれていたらよかったのに」と感じることが多いのです。では、お子さんに国語力をつけてあげるために、どんなことに気をつけておけばいいのでしょうか。
「宿題!やったの?」
「今日の算数のテスト、できた?」
「早く!塾、行きなさいよ!」
こんな会話が日常茶飯事になるのが、中学受験生のご家庭です。塾がある毎日は忙しく、塾に与えられる「やるべきこと」が多いのです。親も子も忙しいのが、お子さんが中学受験を目指すご家庭の毎日なのです。
確かに、冒頭の「単語だけ」の会話を読んでいると、そんな会話ばかりしていては、お子さんの国語力が伸びないのも無理はないと感じるかもしれませんね。でも、受験期の日常はそれでなんとかなる、つまりそれでもお子さんに国語力がついているというご家庭は、お子さんが小さい頃からあることを心がけていると感じるのです。
それは、何だと思いますか?
それは、お子さんが小さいときこそ、正しいことばで話すことです。
お子さんが小さいと、どうしても単語中心に話しかけがちです。でも、ある程度ことばを話せるようになったら、赤ちゃんことば、子どもことばだけでなく、ときには大人のことばで話すことが重要です。
その意味では、お母さんが「正しい日本語」を話すことを心がけることも大切ですね。
大人の人と話す機会が多かった子は、成長していったときに言語能力が高くなるというのはよく言われることです。確かに大人どうしでは、子ども相手のときよりも「文章で話す」ということが多いからかもしれません。
では具体的に、どんなことに気をつけて子どもと話せばいいのでしょうか。
私がお母さんたちにおすすめしているのは、助詞、いわゆる「てにをは」を省かずにお子さんと話をするよう意識することです。親が、意識的に多彩な表現で子どもに話しかけてあげることも、とても大切なことです。
こういうと、なんだか親は責任重大と感じてしまうかもしれません。
でも、そんなに構えなくても大丈夫です。
いろいろな感情をすべて「ヤバい」で片付けるようなことがなければOK、くらいに考えて、声かけを楽しんでください。
お子さんがまだ知らないことばを意識的に使い、お子さんの言葉の知識を充実させてあげましょう。
「今日はすがすがしい天気だね。」
こう言うと、お子さんはどんな反応をするでしょうか。
「すがすがしいって、何?」
そんな反応かもしれないですね。
「今日みたいに、青空が気持ちよくて、気分がいいでしょう?そんな気分をすがすがしいっていうんだよ。」
こんな会話で、お子さんの中のことばの世界は広がっていきます。
知識の量だけでなく思考力や表現力が大切、と近年叫ばれています。でも、考えることも表現することも、ことばを使ってするのです。
その意味で、たくさんのことばをお子さんに与えてあげることが、親からの何よりのプレゼントになります。
もちろん、読み聞かせや音読も効果があります。
絵本や書籍はことばの宝庫。
親が思いつかないことばなども、お子さんに与えてくれますね。
たくさんの本に触れることで、親子で使える言葉の世界はどんどん広がっていきます。
絵本でも何でも、お子さんがどう感じたかをことばにさせてあげることが大切です。
「どんな色の葉っぱだったと思う?」
「カエルくんはどう思ったのかな?」
「どんなに大きなカブだったんたろうね。」
お子さんの感想を聞き、それをお母さんが「大人のことば」に言いかえてあげるのもよいですね。
お子さんが誰より信頼し、全てにおいて「お手本」とするのが親、とくにお母さん。そのお母さんと交わしたたくさんのことばが、 お子さん自身をつくっていきます。
ぜひお子さんといっぱい会話を楽しんで、お子さんの中のことばを育ててあげてください。
西村則康
教育研究家。家庭教師集団「名門指導会」代表。中学受験ポータルサイト『かしこい塾の使い方』主任相談員。日本初の「塾ソムリエ」として、塾の活用法や塾選びなどの受験ノウハウを世に送る。テレビ、新聞、教育雑誌などで活躍中。おもな著書に『いちばん得する中学受験』(すばる舎)、『中学受験基本のキ!』(日経BP社)、『頭のいい子の育て方』(アスコム)、「中学受験は親が9割」シリーズ(青春出版社)など、20冊を超える著書がある。
2018年09月25日
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