3月11日は防災の日。いざという時に家族みんなが生き抜くための備えとは

必要なグッズや対策方法とは

3月11日は防災の日。いざという時に家族みんなが生き抜くための備えとは

3月11日は防災の日。今年で東日本大震災から8年を迎えます。そこで、万一に備えて小さな子どもがいる家庭では、どんなことをしておけばいいかを紹介します。

妊娠中の地震で「備え」の大切さを実感

筆者は東日本大震災の時、妊娠3カ月でした。とても大切な時期なのにその日は家に帰れず、朝まで会社近くの友人の家ですごしました。

翌日、やっと帰宅できても、本や割れた食器が散乱。とても体を休めるどころではありませんでした。

家にはストック用の水や食べ物もない状態。その時に「前もって災害に備える大切さ」を痛感したのが、この記事を作るきっかけになりました。

子育て世代の防災グッズ

万一の際に役立つ防災グッズ、何をどのくらい揃えるのがいいのかを考えてみました。


備蓄品は家族の状況に合ったものを

備蓄品の目安は家族の人数分×3日分の飲料水と食料になります。

「市販の防災食セットを買ってあるから大丈夫!」と、それだけで安心している人もいるかもしれません。買ったままにせず、中身をあけて


  1. 家族1人ずつに合った量と食品か(家族の年齢や食事の内容を考慮)
  2. 賞味期限

を確認しましょう。

また、賞味期限の近いものは普段の生活で消費し、新しいものと入れ替えると、無駄を出さずに済みます。

子どもが年長以上なら、賞味期限チェックをしてもらい「責任」を持たせるのもいいかもしれません。


防災リュックは1人に1つ

万一、避難中に子どもとはぐれてしまうことも考えて、大人だけでなく子どもにも防災リュックの準備を。

中身は子どもの好きな食べ物やおもちゃなどを入れるといいでしょう。

さらに、家族みんなで防災リュックを背負って非常階段を降りられるか、近くの避難場所まで行けるかを確認してください。

最低限必要な防災グッズリスト。100均で揃うのものや、子ども・赤ちゃんに必要なもの

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参考記事:持ち出し品リストの参考例(総務省消防庁のサイトより)

家の中の防災対策は?

家の中の家具などの対策はどうしたらいいでしょうか。代表的なものを紹介します。


食器棚

棚の扉や引き戸が開いて、食器が飛び出さないようストッパーをつけてください。

また、ガラス扉の場合は飛散防止フィルムを貼るのも忘れずに。

いずれも簡単な作業なので、子どもと一緒にやると、防災の意識が高まると思います。


大きな家具

大きなタンスやピアノなど、大きな家具は転倒防止の突っ張り棒や、滑り止めのマットを下に設置して対策を。

寝室に、倒れたり落下すると危険な大きな家具を置かないようにしましょう。


重量のある電化製品

テレビや電子レンジなどの重い電化製品は、できるだけ低い位置に。こちらも耐震マットなどで転倒防止対策をしましょう。

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家族がそれぞれ離れた場所にいる時

家族がそれぞれ離れた場所にいる時、災害に遭遇することも…。そうなった時に慌てないよう、前もって何をしておけばいいか、ここで確認していきます。


避難場所の優先順位を決める

居住地域や環境は人によってさまざまです。
なので、我が家ならではの避難場所を段階的に決め、家族で共有しましょう。

例えば筆者の家では、祖父母の家が近く、その近くに小学校があるので避難先の優先順位はこのように決めています。


  1. 祖父母の家
  2. 近くの小学校(1が倒壊などの場合)
  3. 近所の公園(2が満員で入れない場合)

災害時の連絡方法

災害時には、携帯電話や固定電話がつながりにくいことが考えらえます。事前に災害時の連絡方法(災害伝言ダイヤルやSNSを使った方法など)を決めておきましょう。

連絡方法が決まったら、事前に使い方、全員が使いこなせるかを確認しておいてください。

特に祖父母の家を避難先にしている場合は、祖父母も使えるかチェックしておくことが大切です。

また、情報収集をするためにスマホや携帯電話、ラジオなどのバッテリーの予備は、普段から常備するようにしましょう。


保育園や幼稚園の引き取り手順

あらかじめ、各園でやっている防災の取り組み(備蓄品の状況、避難方法や手順など)、災害時の対応、お迎えまでどうやって子どもたちは過ごすことになるのか、子どもの引き取り法、園との連絡法などを確認しておいてください。

災害レスキューナースの辻直美先生直伝!「子どもを守りぬく防災対策」

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【実例】親子の防災対策は?

親子で実際にできる防災対策とはどのようなものなのでしょうか。ママたちに調査してみました。


連絡方法、避難バッグと場所は確認

「まだ子どもが小さいので、妻と自分の間での共有になりますが、連絡方法はメッセージアプリとSNSでとる、避難バッグの内容の確認、避難場所の確認をやっています」(2歳半男児のパパ)


沿岸地域育ちなので念入りに

「自分が沿岸地域に育ったこともあり、防災対策は念入りにしています。妻と『最終集合場所の共有(近くの小学校)と道順の確認』『伝言チャンネルの使い方の共有』『保育園へのお迎え方法』を確認。

また、家族全員で定期的に防災訓練も。上の子とは、備蓄品の場所、防災グッズ(家と車の両方)、大きな家具の固定についても説明し、共有しています」(4歳女児、1歳双子女児のパパ)


父母が迎えに行けない時も想定

「うちでは『災害時は夫婦どちらも保育園へお迎えに向かう』ことにしています。でも、仕事柄、どこにいるかわからないことが多いので、すぐにいけない時には、ママ友やファミリーサポートへ依頼するなどの対策を考えています」(5歳男児のママ)


公衆電話のかけ方を確認

「災害時に1人になっても連絡が取れるよう、必ず小銭を持たせて、公衆電話の使い方を確認しています。避難地域までの道順の確認や大きな家具の固定などを子どもと一緒にやるようにし、防災意識を普段から高めるようにしています」(9歳女児のママ)

家族みんなで取り組むことが大切

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防災グッズは準備して終わりではなく、家族に合った内容か、賞味期限などを定期的に見直すことが大切です。

家具や電化製品の置き方、災害時の連絡方法などを防災の日を機会に家族で確認してみるのもいいでしょう。いざという時に慌てないことが、大切な命を守ることにつながるので、親子でしっかり防災対策に取り組みたいですね。

2017.03.11

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