渋谷・新宿は都心、では上野は…マクドナルドの価格から残酷なほどにわかってしまう「都市のリアルな序列」

渋谷・新宿は都心、では上野は…マクドナルドの価格から残酷なほどにわかってしまう「都市のリアルな序列」

同じ駅の周辺でも価格差が生じるワケ

都心と郊外の境界線はどこにあるのか。X(旧Twitter)でさまざまなデータを可視化・発信しているにゃんこそばさんの著書『データでわかる東京格差』(SB新書)より、マクドナルドが導入している地域別価格に関する箇所を紹介する――。(第1回)

地域別価格を導入しているマクドナルド

近年、ファストフードなどの外食の価格が地域によって変わり始めているのをご存じでしょうか? いわゆる地域別価格です。

例えば、マクドナルドでは2023年から地域別価格を本格的に導入し、『都心型店舗』『準都心型店舗』『通常価格店舗』『特殊立地店舗』の4種類の価格を設定しています。

また、スターバックスやコメダ珈琲店、スシローなどでも、都市の規模などによって値段に差をつけています。外食チェーン各社が地域別価格を導入・拡大している背景には、地代や賃料、人件費といった、店舗の維持・運営にかかるコストが都市部を中心に高騰していることがあります。

もちろん、全国一律で値上げすることも可能ではありますが、地方の店舗で都市部と同じように大幅な値上げをすると、客離れを起こしてしまう可能性があります。そのため、都市部ではコストの増加分を価格に適切に転嫁して利益を確保し、地方では顧客が受け入れやすい価格を維持することで、全体の売上と利益の最大化を図っているものと考えられます。

さっそく、マクドナルドの店舗を価格設定によって色分けしてみました(図表1)。出典はマクドナルドの公式サイト(2025年8月時点)です。

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いわゆる都心5区のほか、近郊の商業拠点でも「都心型店舗」となっている(『データでわかる東京格差』より)

渋谷・新宿は「都心」、上野は「準都心」

冒頭でも触れたように、マクドナルドは4種類の地域別価格を導入しています。まずは都心店の広がり方から、マクドナルド本部の考える「都心」の範囲を探ってみましょう。

(1)都心店:賃料や人件費が特に高い大都市圏の一部の店舗(ビッグマックの価格:通常店+60円(2025年8月下旬時点))
(2)特殊立地店:賃料や人件費が特に高い空港、サービスエリアなどの施設内の店舗(同+60円)
(3)準都心店:都心部の周辺など、運営コストがやや高いエリアにある店舗(同+20円)
(4)通常店

東京都心周辺では、山手線の南半分に都心店が集中していますね。上野から池袋までを時計回りに結んだ区間(上野〜東京〜品川〜渋谷〜新宿〜池袋)では、多くの店舗が「都心店」に設定されています。

一方で、北側の区間(池袋〜田端〜上野)はほとんどが「準都心店」。東京をぐるりと一周する山手線の中でも、オフィス街や繁華街が発達している区間と、住宅地としての性格が強い区間がはっきり分かれる結果となりました。郊外に向かう路線を見ると、駅ビルや商店街、オフィス街などが発達した「駅力」(駅を中心とした商業・交通の吸引力)の高い駅がわかります。

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2025.11.21

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