安易な「ネタバレ配信」で突然の逮捕、罰金100万円の有罪判決…YouTuberが飛びつく「ゲーム実況」に潜む落とし穴
「著作権侵害」を一部のゲーム会社が許諾しているだけ
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ゲームのプレイ映像を動画化し配信する「ゲーム実況」は法的に問題ないのか。弁護士の上野裕平さんは「多くのゲーム会社は宣伝になることを理由にゲーム実況についてガイドラインを設け、著作権侵害を主張していない。しかし、許可されていないシーンを配信するなど違反行為を行うと、逮捕されてしまうこともある」という――。 ※本稿は、上野裕平『アーティスト六法』(小学館)の一部を再編集したものです。
「ゲーム実況」は実は著作権侵害行為
Q.ゲーム実況は昔からあるし、みんなやっているのでゲームの著作者の許可を得る必要はないんですよね?
私が運営しているYouTubeチャンネルが今月で収益化可能になり、ようやくこれから広告収入が得られます。そこで、今後はゲーム実況に力を入れていこうと考えているのですが、そもそもゲーム実況をするにあたって、そのゲームのメーカーに無断で動画配信をしてもいいのでしょうか。収益化可能になるまでだいぶ苦労したので、チャンネルがBANされる(アカウントが利用停止になる)のは避けたいです。
A.原則としては著作権侵害にあたりますが、ゲームメーカーがゲーム実況を認めている場合が多いです。
YouTubeで広告収入を得る最初のハードルが、「チャンネル登録者数1000人」と、「公開されている長尺動画の過去365日間における総再生時間が4000時間以上」又は「公開されているショート動画の過去90日間の視聴回数が1000万回以上」のいずれかを満たすことであり、これはそこそこ厳しい条件になっています。ここを超えると広告収入が得られ、YouTuberとしてようやくスタートラインに立ったことになります。
一方で、ゲーム実況は動画配信の中でも圧倒的な人気を誇るジャンルで、YouTuberとして活動していく上では是非モノにしたいコンテンツの一つです。YouTubeにはこれだけゲーム実況があふれているので、法的にはなんら問題ないようにも思えますが、果たして本当に大丈夫なのでしょうか。





























