朝ドラ「ばけばけ」のモデル、ラフカディオ・ハーンと18歳下の小泉セツが出会ってすぐ事実婚状態になったワケ【2025年10月BEST】
ハーンはセツを見て「足が太いから士族の娘ではない」と怒った
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2025年10月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。朝ドラ部門の第1位は――。 ▼第1位 朝ドラ「ばけばけ」のモデル、ラフカディオ・ハーンと18歳下の小泉セツが出会ってすぐ事実婚状態になったワケ ▼第2位 1年で失踪、3年で離婚したはずが…「ばけばけ」モデル・セツの"最初の夫"が14年も"婿養子"のままだった理由 ▼第3位 一緒に海水浴に行くほどの大親友だったのに…小泉八雲と「ばけばけ」で吉沢亮演じる英語教師との"永遠の別れ" 『怪談』などで知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は小泉セツと国際結婚し日本に帰化する。2人のひ孫・小泉凡さんは「ハーンにとって神々の住む出雲はあこがれの土地だった。そこで生涯の伴侶と出会ったことに運命的なものを感じる」という――。 ※本稿は、小泉凡『セツと八雲』(朝日新書)の一部を再編集したものです。
横浜で半年ほど過ごしてから、島根で英語教師に
1890(明治23)年、横浜に上陸してから5カ月ほどたった頃、八雲は島根県尋常中学校と師範学校の英語教師のポストを得ました。月給は100円です。
それは当時の知事に次ぐような厚遇でした。10代の頃からお金に苦労してきましたが、40歳にしてようやく経済的にも報われた格好です。
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに
八重垣作る その八重垣を
『古事記』に出てくる日本最古とされる和歌。来日前から「出雲」の象徴であるこの和歌を胸に刻んでいた八雲です。大分県に赴任する話もあったようですが、あこがれの島根県への赴任が決まりました。ご縁としか言いようのない話で、躍り上がるほど喜んだことでしよう。
この年は大日本帝国憲法の施行と同じ年にあたります。260年余り続いた江戸時代の体制が一新され、近代国家として整備が進められる時代の教育者の一人、ということにもなります。
松江に着いたのは8月30日でした。蒸気船で大橋川の船着き場に着き、対岸の富田旅館で旅装を解き、そのまま3カ月ほど暮らしました。女将のツネと女中のノブに食事などの世話になります。





























