あの松岡修造がたじたじ…「ポジティブ思考とは全く違う」吉田沙保里が"残り3秒"でも焦らないワケ
「一生懸命」を楽しめる人、苦しくなる人の決定的違い
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2011年の世界選手権の決勝戦、相手にポイントを奪われたまま残り3秒からの優勝を遂げた吉田沙保里選手の逆転劇はいまなお記憶に残る。スポーツドクターの辻秀一さんは「試合中の吉田さんはやることに集中し、心はゆらがずとらわれずの『ごきげん』が共存している」という――。 ※本稿は、辻秀一『いつもごきげんでいられるひと、いつも不機嫌なままのひと』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
人間関係で悩む人がいつまでも減らない理由
多くの人が、まわりの人とうまくやっていきたいと考えているのに、人間関係の悩みがなくならないのはなぜなのでしょうか。
私は、どんなことも「自分で決めている」と考えられるようになると、人間関係はぐっと楽でシンプルになると思っています。
好むと好まざるとにかかわらず、私たちは、すべてのことを自分で決めて生きています。自分の脳が「やる」と指令を出すから、行動ができるのです。
社長から命令されて、いやな仕事をやらされているとしても、「やる」と決めたのは「自分」です。「断れなかったんです」とあなたは言うかもしれませんが、社長に脳をジャックされたわけではありません。
命令されたことを断らずに、その仕事を引き受けると決めたのはあなたなのです。
「やりたくないことまで、自分で決めたと考えるなんてつらい」と思うかもしれません。けれども、見方を変えれば逆です。
「決めるのは自分だ」「自分に選択権があるんだ」と考えると、生きるのがずっと楽になるのです。
人生の主役は自分です。どんなときも自分が決めて、自分が行動して、生きているのだと考えてください。自分の人生なんだから、どんな選択をしたっていいのです。
これが真実の世界です。
このことに気づくと、「自分はまわりに振り回されていた」と思っていたのが、じつは自分で選んできたのだとわかり、心が軽くなるのです。
それは「自分のせいだ」と責める自責とはちがいます。
世の中の多くの人は、みな不機嫌です。
まわりの人がたいてい不機嫌なので、私たちの脳はまわりに持っていかれてばかりで、人のきげんを気にしたり、人のきげんをとったりすることに忙しくなっています。
そして自分も不機嫌なのです。
不機嫌なままだから、余裕がなくて、起こった出来事に対して、人のせいにしたり、文句を言ったりしてしまうのです。みんなが人のせいにし合って、誰も責任をとらない世の中になっているのはこのためです。





























