女性が洋服を着るのも英語を話すのもダメ…「ばけばけ」で描かれる以上にヒドい小泉八雲のモラハラ夫ぶり
それゆえに日本文化を世界に広めることができた
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NHK朝ドラ「ばけばけ」ヒロインが嫁ぐ外国人のモデル、小泉八雲とはどんな人物だったのか。歴史評論家の香原斗志さんは「彼を書いた史料には、さまざまな変人エピソードがある。ただそれは、感性が研ぎ澄まされた人だからこその言動だった」という――。
「ばけばけ」ではわからない小泉八雲の本当の姿
松江中学の教壇に立つようになったレフカダ・ヘブン(トミー・バストゥ)に、同僚の錦織友一(吉沢亮)は振り回されっぱなしだった。NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の第6週「ドコ・モ・ジゴク」(11月3日~7日放送)。
滞在していた花田旅館の主人の平太(生瀬勝久)は、ヘブンが何度忠告しても、目の悪い女中のウメ(野内まる)を医者に見せない。ついにヘブンは怒って、「リョカン、デマス」といい出した。借家に移り住むに当たっては、身の回りの世話をしてくれる女中がほしいといい、遊女のなみ(さとうほなみ)が志願したが、百姓出身だからダメで、嗜みを身につけた士族の娘でなければならないという。
そこで錦織はトキ(髙石あかり)に頼み込んだ。折しも、実母のタエ(北川景子)が物乞いまでするほど零落したのを見てしまったトキは、思案の末、お金のために女中になることを受け入れた。
ところが、第7週「オトキサン、ジョチュウ、OK?」(11月10日~14日放送)では、ヘブンはトキの手や足を観察し、「彼女は士族の娘ではない。シジミ売りだ、だまさないでくれ」と、英語で錦織に伝えた。
トキは長期間の機織り生活のせいで、手がたくましくなっていたのだ。錦織が「ラストサムライ(註・小日向文世が演じる松野勘右衛門)の娘だと伝え、ヘブンもようやく納得するが、こうした場面からも、「ばけばけ」のヘブンはかなり厄介や人物に見える。では、ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーンも、いわゆる変人だったのだろうか。





























