「早く宿題をやりなさい!」と毎日言うのは逆効果…わが子のやる気を引き出し成績を上げる"親のすごい声かけ"
本番に弱い子に効くのは「いつも通りにやれば大丈夫だよ」
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授業は理解できているのに、テストになると力を発揮できない子がいる。プロ家庭教師集団名門指導会代表の西村則康さんは「大量の塾の宿題をこなしているうちに、アタフタ学習になっていることが多い。親の普段の声かけを工夫してみてほしい」という――。
塾の宿題はできるのに応用問題は解けない
授業は理解できているようなのに、テストになると思うように点が取れない。頑張っている子供本人も、サポートする親も、歯がゆい気持ちになるだろう。だが、「分かる」と「解ける」の間の距離は人それぞれ。本人は「分かったつもり」でも、本当に理解できているかどうか疑わしいことは多々ある。
「授業で習ったこの問題は解ける」もしくは「この問題を解く手順は分かっている」という場合、塾のテキストから離れた実力テストの問題を自力で解くまでの距離はまだ遠い。ここの距離を埋めるのに必要なのが、「この問題」ではなく、「このような問題の特徴は何か?」という捉え方ができているかどうか。
多くの子の場合、塾の授業では理解できて、宿題で類題を解くことまではできている。しかし、その範疇を超えた応用問題になると、途端にできなくなってしまう。原因は「この問題を解くときには、この公式を使えばいい」といった丸暗記学習に陥っているから。そういう子は、目の前にある「この問題では何が問われているか」に意識が向かず、問題文に出てくる数字をただ自分の知っている公式に当てはめようとする。
「このような問題」を解くための力
だが、総合力が求められる実力テストで、授業で習った問題やテキストに載っている問題がそのまま出ることはまずない。「この問題」ではなく、「このような問題」を解くには、「このような問題の特徴」をきちんと理解し、「目の前にあるこの問題は、ここの距離を聞かれているのだから、線分図を書けば解けるかな? いや、待てよ。ダイヤグラムかもしれない」など、自分の頭の中に収納されている知識を、条件や状況に応じて適確に引き出す力が求められる。
そのためには、新しい単元を習うときに、「なぜこの場合にこの式を使うのか?」「どんな図を書くと答えが導けるのか?」「そのときに大切なことは何か?」を含めて、自分なりに納得して理解する必要がある。そこが理解できていれば、「分かる」と「解ける」の距離は近い。





























