30歳女性が「初めて会った人」と数日で婚約…人口世界一のインドで「アプリ婚」が急増している納得の理由
選べるカーストは800種類以上、ベジタリアンかどうかも必須
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中国を抜き人口世界一となったインドで、マッチングアプリを利用する若者が急増している。親や親戚がお膳立てしたお見合い結婚が「常識」だったにもかかわらず、スマホを介して男女が出会うようになったのはなぜか。朝日新聞記者2人の共著より、最新の婚活事情を紹介する――。 ※本稿は、石原 孝・伊藤弘毅『インドの野心 人口・経済・外交――急成長する「大国」の実像』(朝日新書)の一部を再編集したものです。
14億人の社会に起きつつある変化
インド人の80%以上がお見合い結婚をしている。
この国に赴任したばかりのころ、地元紙が報じていた記事に目がとまった。14億人もの人口がいるインドの人々は、どうやってパートナーを探し、家庭を築いていくのだろうか。
試しに、私と年齢が変わらない40代の男性運転手になれ初めを聞くと、「親戚が紹介してくれた女性とお見合い結婚をした」「結婚式の日まで、その女性と会ったこともなかった」と言うではないか。
多くの場合、親や親戚が必死になって良き相手を探し回ってきた。手広く相手を募ろうと、子どものプロフィールを新聞広告に載せて募集する人までいる。
とは言え、首都のニューデリーや商業都市のムンバイ(旧ボンベイ)に行くと、若い男女がショッピングモールで買い物をする姿もみかけるし、自由恋愛を楽しむ若者も増えてきている。
そんな社会の変化も後押ししてか、この国ならではのマッチングアプリの人気が高まっていると聞き、当事者に話を聞くことにした。

























