1日数分これをするだけで誤嚥性肺炎の予防に…高齢者が最も恐れる"死の病"から逃れられる超簡単「筋トレ」
喉の筋力低下だけが原因ではない
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誤嚥性肺炎による死亡者が年々増加している。どうすれば防げるのか。大阪がん循環器病予防センターの伊藤壽記所長は「飲み込む力が落ちていることを原因と考える人が多いが、実は沢山の要因が絡み合って誤嚥は起きている」という――。(第4回) ※本稿は、伊藤壽記『自然治癒力を引き出す』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。
なぜ高齢者の誤嚥性肺炎が増えているのか
多死社会の今、死因の6位にあるのが「誤嚥性肺炎」です。2016年までは誤嚥性肺炎は肺炎(9.1%)として集計されていました。しかし、2017年からは肺炎と誤嚥性肺炎を分けて集計するようになりました。
ちなみに、2023年の統計では、肺炎は全体の4.8%で第5位、誤嚥性肺炎は3.8%で第6位です。高齢化に伴って、今後は誤嚥性肺炎の増加が見込まれます。
誤嚥性肺炎とは、書いて字のごとく誤った「嚥下」による肺炎のこと。食べ物を飲み下す(=嚥下)時に、食べ物や液体が間違って(食道ではなく)気管や肺に入ってしまうことで呼吸器系に炎症を起こす疾患です。
通常、健康な人は誤って肺に食べ物や液体が入っても、かなり激しい咳やむせによって、肺から出すことができます。これを咳嗽がいそう反射と言います。
しかし、高齢者になるとその反射力が低下するために咳が弱かったり、あるいは、咳が出なかったり(咳嗽反射が生じない)します。

























