まずは「5分集中」するだけでいい…"集中力が途切れない人"がやっているたった1つの習慣
"時間の質"を変えるだけで1日が変わる
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仕事を効率的に終わらせるには、どうすればいいのか。『「過集中」メソッド やる気ゼロからでもゾーンに入れる脳の使い方』(主婦と生活社)を書いた新井琴香さんは「“なんとなく”で作業を始めてはいけない。ダラダラと続けることになりパフォーマンスが下がってしまうだろう。没頭するほどの集中力を得るには、いくつかコツがある」という――。(第1回) ※本稿は、新井琴香『「過集中」メソッド やる気ゼロからでもゾーンに入れる脳の使い方』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。
「何分集中するか」を事前に決めておくといい
時間が経つのも忘れて何かに夢中になったことが、きっと、一度はあるはずです。
「えっ、もうこんなに時間が経ってた!」
「まだ10分くらいかと思ったのに、もう1時間!」
そんなふうに、脳が「過集中モード」に入ったとき、時間の感覚そのものが変わってしまうのです。私たちが普段感じている「時間の流れ」は、決して客観的なものではありません。時計の針が刻む時間とは別に、脳がつくり出す「心理的時間感覚」が存在します。退屈な授業の1時間は永遠に感じるのに、楽しい遊びの1時間は、あっという間。この「体感時間」の変化こそ、脳の状態を映し出しているのです。
では、どうすれば、この時間感覚を意図的に書き換えることができるのでしょうか? 答えは、「時間にゴールをつけること」です。たとえば、「5分だけ集中しよう」「30分以内にここまで終わらせよう」。こんなふうに、小さなゴールを自分に設定するだけで、脳は「今、集中しよう!」とスイッチを入れてくれます。なぜなら、脳は「期限」があると、パフォーマンスを一気に高める性質を持っているからです。
時間は「長さ」ではなく「質」が大事
逆に、「いつまでにやればいいかわからない」状態だと、脳はすぐに集中力を落としてしまいます。無限に続くマラソンでは、最初から全力で走ろうとは思いません。でも、ゴールがすぐそこに見えている50メートル走なら、自然と力いっぱい駆け出せます。それと同じです。だから、最初はほんの小さなゴールでいいのです。
「5分だけ」、「1ページだけ」、「この問題だけ」。そんな手が届きそうなゴールをつくることで、脳は自然に集中モードに切り替わり、没頭できるようになります。
つまり、時間をただ使うのではなく、「時間にゴールをつける」。この意識だけで、あなたの集中力は、まるで別次元に引き上げられていきます。最初の一歩は、たった「5分」。でもその5分が、あなたの集中力を大きく変えるスタートになります。
ここで、ひとつ意識しておきたいのは、「時間の密度」はコントロールできるということです。たとえば、同じ60分という時間でも、スマホを見ながらダラダラ作業した60分と、集中してひとつのことに没頭した60分では、得られる成果も満足感もまるで違いますよね。
これは、時間そのものが違うわけではなく、私たちが「その時間の中にどれだけ意味を詰め込めたか」の違いです。そして、この「時間密度」は、過集中モードに入ることで一気に高まります。つまり、時間というのは「長さ」よりも「質」が大事。この意識を持つだけで、「時間がないからできない」という感覚が大きく変わってくるのです。

























