サッチャー、安倍元首相だけではない…高市早苗氏が「虎の威を借る」ように20代から使った謎の肩書きの正体
初の著書の表紙は「米国連邦議会立法調査官」、中身は「特別研究員」
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10月21日の首相指名選挙で女性初の総理大臣になる見込みの高市早苗自民党総裁。アメリカ・コーネル大学大学院で博士号を取得し、中西部の大学教員として働いたことのある柴田優呼さんは「高市氏は政治家になる前、アメリカ議会で働いた経験のある評論家として売り出したが、当時名乗っていた『元米国連邦議会立法調査官』という肩書きには違和感がある」という――。
最初の本の表紙には「米連邦議会立法調査官」
今や衆参両院で少数与党となった自民党。新しく総裁になった高市早苗氏は、国会で首相指名にこぎつけられるのか。実現すれば日本初の女性首相の誕生となるが、高市氏が最初のキャリアとして、テレビの出演番組や自著で使っていた肩書き「元米国連邦議会立法調査官」は経歴として盛り過ぎだったのではないかと、疑問視する声がこれまで度々上がってきた。
高市氏は安倍晋三元首相や英国のサッチャー元首相への尊敬の念を語り、その過程で自身も「安倍(晋三)氏の後継者」「日本のサッチャー」と呼ばれるようになってきたが、そうして大物になぞらえながら存在感を増し、立身出世を遂げていく高市氏流のやり方は、既に約35年前のキャリア開始時から始まっていたように見える。
現在、新聞やテレビの多くは高市氏の経歴を紹介する時、まるで奥歯にものがはさまったように、「米国連邦議会で働いた経験がある」といった曖昧な言い方にとどめている。高市氏自身の公式プロフィールを見ると、「米国連邦議会Congressional Fellow(金融、ビジネス)」とあり、以前、テレビに登場する際や著書のプロフィールで名乗っていた「米国連邦議会立法調査官」とは異なる肩書きとなっている。

























