「子どもの不登校」で"収入ゼロ"になる家庭も…それでも親たちが教育費を払い続ける"悲しすぎるワケ"
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「子どもの不登校」で“収入ゼロ”になる家庭も…それでも親たちが教育費を払い続ける“悲しすぎるワケ”(髙坂 康雅/Webオリジナル(外部転載)) 『不登校のあの子に起きていること』より #2 〈「まさか、ウチの子が不登校になるなんて」…「いじめ」でも「勉強」でもない、子どもたちが不登校に陥る“真の理由”〉から続く
年々、増加傾向にある小中学生の「不登校」。文部科学省によると、その数は2023年度に約34万人で、前年度から5万人弱の増加、10年前と比較して約3倍となっている。
不登校に悩むのは子どもたちだけではない。子どもが家にいるようになると、保護者は働き方を変えなければならなくなり、収入の減少に見舞われる。中には収入がゼロになるようなケースもあるという。青年心理学を専門とする髙坂康雅氏による新著『不登校のあの子に起きていること』(筑摩書房)より一部抜粋し、お届けする。(全3回の2回目/続きを読む)
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子どもが不登校になることで生じる、もうひとつの現実的な問題が、お金に関わることです。先ほども紹介したように、子どもが不登校になると、離職したり勤務時間(シフトや残業など)を減らしたりなど働き方を変えなければならない状況が生じます。そしてそれは収入の減少につながっています。
NPO法人「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」が2023年に行った調査では、31.0%が、子どもの不登校をきっかけに収入が減ったと回答し、2.6%は収入がゼロになったと回答しています。
また、子どもが不登校になると、収入が減るだけではなく、支出が増える可能性もあります。子どもが昼間自宅にいるため、普段用意しなくてもよい食事を用意する必要があり、食費がかかります。フリースクールに通えるようになったとしても、昼食代はかかります。
フリースクールの多くは有料であるため、入会金や会費、利用料などがかかります。学校で授業が受けられないため、家庭で学習をさせようとすると、問題集などの教材費や家庭教師・塾の費用もかかります。病院などに通っていれば、通院費や治療費、カウンセリングの費用などもかかってきます。これらの、親にとっては想定外の支出が生じてくるのです。