「マイカーvsカーシェア」どちらがお得か…タイムズを月平均476km利用する専門家が導き出した"損益分岐点"
山口県内で比べると年間23万8820円vs15万5520円
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コスパの良さからカーシェアの利用者が増えている。自動車生活ジャーナリストの加藤久美子さんは「私自身は、帰省時に利用していたカーシェアをやめてマイカーを買った。しかし、日常的に車を運転する人にとってはどちらがお得なのか、カーシェア専門家を取材してみると具体的な数字が返ってきた」という――。
実家用の軽自動車をわざわざ買ったワケ
筆者は山口県下関市にある実家へ2カ月に1、2回のペースで、それぞれ7~10日間ほど帰省している。昨年8月、実家用として軽自動車を購入した。2005年11月登録のスズキアルトで、価格は52.7万円(車両本体価格44.9万円+諸費用7.8万円)だった。走行距離は3万6700キロ。旧ビッグモーター(現WECARS)下関店で購入した。
アルトを買うときに少し迷ったのは、まさに、今回のテーマである「カーシェアかマイカーか」であった。実家の車がなくなって5年。下関では必要な時だけカーシェアやレンタカーを使っていたが、タイムズカーの最寄ステーションは実家から約2km。ここは1台だけなので予約で埋まっている時は4km先の下関駅近辺のステーション(合計10台)で予約する。徒歩圏内ではないので不便ではある。
極力費用を抑えるために、通常の買い物や外食の移動には午後6時~翌朝9時の「ナイトパック」を利用することが多かった。最大15時間で2640円(ベーシッククラス)と一律料金であり、6時間超の利用でかかる距離料金(ガソリン代のようなもの)は1km当たり20円。
きっかけはカーシェアの「ペナルティ」
カーシェアをやめてマイカー購入を決意したきっかけは、昨年6月に起こった「寝坊」によるペナルティである。しかも、短期間に2回続けてやってしまった。
タイムズカーのナイトパックは前日午後6時~翌朝9時までは一律料金で、それを過ぎると通常料金(15分220円)となる。ある時、朝10時半頃にタイムズカーからの電話で目が覚めたことがあった。朝9時以降の連絡なしの延長は、ペナルティとして料金が2倍になる。無断延長2時間となると1時間880円×2時間×2倍で3520円! ナイトパックの料金を大幅に超える。
立て続けにこのようなことがあり、精神的なダメージも大きかった。こんなこともあって「カーシェアやレンタカーではなく、いつでも自由に使える実家用の車を買おう!」と決めたのである。