恐竜が大繁栄したのに大絶滅した理由と一緒…かつて成功したのに"突然ダメになる企業"が持っていない能力

恐竜が大繁栄したのに大絶滅した理由と一緒…かつて成功したのに"突然ダメになる企業"が持っていない能力

うまくいっているときほど、まじめに反省する気にならない

かつて栄華を誇った企業が、一転して不調に陥るのは何が原因なのか。KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授の三谷宏治さんは「恐竜が『大繁栄』した後に『大絶滅』した例から学べることがある」という――。 ※本稿は、三谷宏治『経営戦略全史〔完全版〕』(日経ビジネス人文庫)の一部を再編集したものです。

「大繁栄」していた恐竜の「大絶滅」

地球生命史上まれに見る大発展を見せていた「恐竜」は、約6550万年前、他の多くの生命種とともに姿を消しました。

それは数千種に及ぶ、恐竜類、翼竜類、首長竜類、魚竜類(その総称が恐竜)の全てを巻き込んで、ほぼ完全な絶滅でした。この大絶滅のナゾが、解かれつつあります。

大絶滅の主要因は直径10kmの小惑星の衝突です。その時解放されたエネルギーは、なんと広島型原爆10億個分。マグニチュード11以上の地震と高さ300メートルの津波が起きました。

想像を絶する爆発とともに大量の粉塵が世界を覆い、太陽光を遮さえぎり、地球は急速に寒冷化しました。植物が枯れ、草食獣が倒れ、肉食獣が飢え、結果、全生命種の75%が絶滅しました。いわゆる「K-Pg絶滅」です。恐竜は、小惑星衝突による地球規模での環境悪化(寒冷化)によって滅んだのです。

でも解明すべきはそれだけでしょうか。いや、違います。大繁栄がなければ、大絶滅も、ありえません。

「絶滅」のナゾだけでなく、「繁栄」のナゾも解かねば。なぜに恐竜は、小惑星に阻まれるまで2億年以上にわたる永き大繁栄を享受できたのでしょうか。

“自然環境の悪化”により恐竜たちの天国が誕生

その答えもまた“自然環境の悪化”です。

2億5000万年前、全ての大陸が1つに集まり(パンゲア超大陸)、それが巨大マグマ上昇を引き起こし、地球規模での巨大噴火が発生しました。

この超巨大な焚き火によって、大気中の酸素の大幅な減少とともに、放出された大量の二酸化炭素による超温暖化や、強烈な海洋汚染が引き起こされたと考えられています。生命は史上最大の痛手を受け、全体の95%もの種が絶滅に追い込まれました。

仮にこの超温暖化をくぐり抜けても、多くの種はその後2000万年も続いた極端な酸素欠乏(スーパーアノキシア)に耐えられなかったからです。これがいわゆる「ペルム紀末の大絶滅」です。

恐竜はその直後に生まれ、スーパーアノキシアを生き延びました。生き残った生命のほとんどいない地球上は、恐竜たちの天国でした。

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2025.09.12

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