承認欲求の強い"トランプ型"上司にはてきめん…報連相の前に付け加えるべき"ゴマすり"キラーワード

承認欲求の強い"トランプ型"上司にはてきめん…報連相の前に付け加えるべき"ゴマすり"キラーワード

ゼレンスキーも会談で1分間に9回連発した

トランプ政権の閣僚たちは、日々どのようにトランプ大統領に接しているのか。20年以上、ホワイトハウスで取材してきたジャーナリストの阿部貴晃さんは「閣僚たちは、承認欲求の強いトランプ大統領の性格をよく理解しており、日頃から大統領への感謝、感銘、功績への称賛を頻繁に口にしている。こうした“ゴマすり発言”により、上司である大統領の機嫌がよくなり、会議が円滑に進んでいる」という――。

上司はごきげん、すばらしい雰囲気の会議に

その日の定例会議には、およそ20人が出席していた。最初に、楕円形のマホガニー製の大きなテーブルの中央に座った上司が、口を開いた。これまでの業績や達成してきたことを鼻高々に語り、それに対し、周囲の部下たちは何度も頷きながら、上司の話に、耳を傾けていた。

ひと通り話し終えると、上司は部下を一人ずつ指名し、それぞれが担当する仕事の現状について報告を促した。

ある部下は、まず「○○さんがこの仕事を私に任せてくださったことには、感謝してもしきれません」と上司にお礼を述べ、その後、自身が担当するプロジェクトの進捗状況について説明した。別の部下は、「○○さんのリーダーシップやご発言の素晴らしさには、いつも本当に感銘を受けています」と自然な流れで上司を称えた。さらに別の部下も、上司の功績を讃える言葉から発言を始めた。

会議は1時間半以上続いたが、上司は終始ご機嫌で、満面の笑みを何度も浮かべ、笑いや拍手が絶えないすばらしい雰囲気の会議となった。

皆さんは、このような会議をどう感じるだろうか。部下が上司を褒めすぎではないかと思うかもしれない。自分にはなかなかそこまで上司を直接褒めることはできないとも思うかもしれない。あるいは、会議がすばらしい雰囲気だったのであれば、それでいいのではと思う人もいるだろう。結果的に、こうした発言により、上司の機嫌がよくなり、この日の会議はうまくいったのである。

これがアメリカのトランプ政権の日常なのだ。

トランプ政権の閣僚会議

このシーンは、今年、トランプ大統領がホワイトハウスで主宰した閣僚会議において、実際におきたことだ。

トランプ政権の閣僚にとって、閣僚会議は真剣勝負の場だ。滅多に直接会えない上司である大統領に対し、自分の部署の成果を他部署のトップの前でアピールできる貴重な機会だからである。

閣僚たちは、これでもかというほど大統領を褒める。そして、その褒め方が非常に巧みだ。その言葉に乗せられ、トランプ大統領も上機嫌になる。

あからさまな称賛は「ゴマすり」と言えるかもしれないが、そのような発言に気分をよくするのはトランプ大統領だけではないし、多くの日本人上司にも当てはまるだろう。こうした発言は、会議を円滑に進める潤滑油の役割も果たしており、必ずしもネガティブな意味合いだけを持つわけではない。本稿では、この「ゴマすり発言」のポジティブな側面に注目していく。

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://style-cp.kidsna.com/advertisement

2025.09.11

ニュースカテゴリの記事

KIDSNA STYLE 動画プロモーションバナー
【天才の育て方】#25 古里愛~夢はグラミー賞。名門バークリー音楽大学に合格した、13歳のジャズピアニスト

天才の育て方

この連載を見る
メディアにも多数出演する現役東大生や人工知能の若手プロフェッショナル、アプリ開発やゲームクリエイターなど多方面で活躍する若手や両親へ天才のルーツや親子のコミュニケーションについてインタビュー。子どもの成長を伸ばすヒントや子育ての合間に楽しめるコンテンツです。