アパホテルの成功は例外中の例外…田端信太郎が「会社が傾く家族経営」の"危険なパターン3つ"を解説する

アパホテルの成功は例外中の例外…田端信太郎が「会社が傾く家族経営」の"危険なパターン3つ"を解説する

「親子・夫婦・兄弟」のそれぞれにリスクの性質が異なる

経営リスクのある会社を見抜くには、どんなことに注意すればいいか。LINE執行役員などを務め、個人投資家でもある田端信太郎さんは「家族経営をしている企業には注意したほうがいい。親が子に事業承継をしたパターン、兄弟で経営しているパターン、夫婦で経営しているパターンなどがあるが、どれも異なるリスクを抱えている場合がある。そのなかでも特にリスクがあるのは『父親が娘に社長を継がせる』パターンだ」という――。(第1回) ※本稿は、田端信太郎『株で儲けたきゃ「社長」を見ろ! いちばん大切なのに誰も教えてくれない投資の王道』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

「父娘」パターンの家族経営が抱える問題点

同族企業の事業承継には様々な形があるが、個人的に最悪だと感じているのが「父親が娘に社長を継がせる」パターンだ。

実際に娘が継ぎ、大問題に発展した事例としては株式会社大塚家具と株式会社スノーピークがある。サンプル数は2だが、見過ごせない。大塚家具では、創業者である父の大塚勝久おおつかかつひささんと娘の大塚久美子おおつかくみこさんが、経営の方向性をめぐって激しく対立する騒動が起きた。

社長に就任した久美子さんは、従来の高級路線を一転、誰もが入りやすいオープンな店舗作りや低価格化を進めたが、結果的に業績は大きく低迷した。最終的には、自力での経営再建は難しくなり、2022年には株式会社ヤマダデンキ(現ヤマダホールディングス)の傘下に入った。

また、スノーピークでは、2代目の山井太やまいとおるさんが娘の梨沙りささんを社長に抜擢した。若い感性で、ブランドに新風を巻き起こすことが期待されていたが、彼女自身の私生活をめぐる問題で、短期間で社長を辞任することになった。

この騒動が直接的な原因とは言えないが、その後スノーピークは業績が大きく悪化し、最終的には上場廃止という結果に至っている。なぜ、父が娘に継がせると上手くいかないのか。それは、父が娘に対して適切な距離感を保つのが難しいからだ。

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2025.09.11

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