何を言っても改善しない相手に、二流は熱く向き合おうとし、一流があっさり「あきらめる」ワケ

何を言っても改善しない相手に、二流は熱く向き合おうとし、一流があっさり「あきらめる」ワケ

コントロールするのは相手ではなく自分のメンタル

部下や同僚にフィードバックするときは何に気を付けるべきなのか。コミュニケーションの専門家の戸田久実さんは「フィードバックは、する側もされる側も多大なストレスがかかる。ネガティブなものにしろ、ポジティブなものにしろ相手を尊重する心構えが必要だ」という――。 ※本稿は、戸田久実『すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる~』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

これ以上ストレスをためないために

フィードバックをする側もされる側も、精神状態が常によいわけではありません。

「フィードバックを一生懸命していたけど、疲れ果ててしまった…」

「伝えるときに熱くなりすぎて反省している」

といった心境になることもあります。

疲れていたとしても、マネジメント側の人は多くの責任を担わなくてはいけません。ですから、自分の心を健康な状態に保っておくことは、とても重要なことなのです。

感情を整理できないことがあるなら、日頃からアンガーマネジメントも取り入れながら、必要以上のストレスを抱えないようにしましょう。

アンガーマネジメントでは、「ストレスや怒りを抱えすぎないために、自分が何か行動することで変えられること、変えられないこと、言い換えればコントロールできること、できないことの見極めをしましょう」ということを伝えています。

自分の力では変えられないことに対して、

「なんでこうなんだろう?」

「どうして思い通りにならないんだろう?」

と思ったところで現状は変わらず、自分のストレスや怒りが大きくなるだけです。

自分の力ではどうにもならないことの場合は割り切り、これ以上のストレスがたまらないために何ができるか、ということに目を向け、行動の選択をしてほしいのです。

これからの時代は、マネジメント側の人が疲れ果てる前に、自分のメンタルケアを行うことも欠かせません。不要なトラブルが起こらないよう、日頃から心を整える自分なりの習慣を身につけておきたいものです。

「肯定的に」あきらめる

何度も改善に向けたフィードバックをしても、まったく変わらない人もいます。

変わる意志が見られない人に対しては、無力感を持つこともあるでしょう。

何度言っても改善されないケースには、主に次の2つの傾向が見られます。

・相手に変わる意志がない

・本人は改善したいと思っていても、能力的に難しい

どちらなのかを見極めることが重要です。

変わる意志がないと思われる人に対して、

「なぜ、この人は変わらないのか?」

「普通、ここまで言われたら変わろうとするよね?」

とイライラしても、こちらのストレスが溜まるだけです。

相手に変わる意志がない場合は、怒りを抱え込まないようにあきらめるという選択もあります。

あきらめるという言葉は、仏教用語で「明らかにして見極める」という意味です。あきらめられず、精神的に疲弊していく管理職は少なくありません。余計なストレスを抱えず次に進むために、肯定的なあきらめもあることを知っておいてください。

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2025.09.06

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