言葉の通じない国で、スマホに頼らず看板やメニューに書かれた「外国語の意味」を"解読"するお手軽テク
リトアニアの店の入り口に書かれた「I-V 10-19」の意味
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知らない言語が使われている国で、単語の意味を推測するにはどうすればいいのか。言語教育が専門で山口大学教員の山本冴里さんは「単語に隠されたヒントを読み解くことができれば、ドイツ語であってもリトアニア語であっても、簡単な情報であれば推測することができる」という――。 ※本稿は、山本冴里『8週間語学の旅 水先案内人はずれっちと様々な言語の海へ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
ドイツの本屋で「絵本コーナー」を探す方法
多言語が併記されているとヒントが多くて助かりますが、そうでなくても、わかること・わかるときは、多々あります。
こんどはオーストリアからの資料です。ここはウィーンに次ぐオーストリア第2の都市グラーツ(Graz)。図表1は、メインストリートの本屋さんで、入り口近くに置かれていた案内板を模したものです。ここはなかなかの品揃えで建物も大きく、3階建てでした。案内板はドイツ語(オーストリアの公用語はドイツ語です)で書かれています。
みなさんは、親戚の子に「おみやげに絵本を買っていく」ことにしましょうか。さあ、この写真から、見つけだしてください。絵本をさがすためには何階に行けばいいのでしょう?
ヒント
まずは、ドイツ語で「本」はどのように書くかということを推定してください(なお、ヨーロッパの近隣諸国とおなじで、日本式にいう1階=オーストリアでのゼロ階で、日本式にいう2階=オーストリアでの1階、日本式にいう3階=オーストリアでの2階です)。
答
◆絵本をさがすときには、何階に行けばいいでしょうか。
→2階(日本式にいうならば3階)
やたらと看板に出てくる「BUCH」に注目
解説
ヒント通り、ドイツ語で「本」は、どのように書くのかということの推定からはじめます。共通点をさがしましょう。図表2を見てください。
なんども共通して出てくる言葉にマーカーをつけています。そう、“BUCH”です。ここは本屋であることから、“BUCH”は英語でいえば“BOOK”、つまり「本」である、という推定ができます。
では、その次には何をすることが、絵本売り場にたどりつくための鍵になるのでしょうか。