なぜ日本人は「芸能人の不倫」が許せないのか…赤の他人の不祥事に飛びついてしまう認知科学的理由

なぜ日本人は「芸能人の不倫」が許せないのか…赤の他人の不祥事に飛びついてしまう認知科学的理由

一時的に「自分のほうが優位にある」と喜びを感じる

著名人の不倫はSNSで“炎上”しやすい。なぜ会ったこともない他人の行為に怒る人がいるのか。認知科学者で東北大学准教授の細田千尋さんは「日本人というだけで芸能人やスポーツ選手を『同じ集団の人』」だと感じているからだ」という――。 ※本稿は、細田千尋『幸せを手にできる脳の最適解 ウェルビーイングを実現するレッスン』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

なぜ他人と自分を比べてしまうのか

自分の長所や短所を正しく理解しようとするなかで、人はどうしても周囲にいる他人と自分とを比べてしまうものです。他人と自分を比較する理由のひとつは、自己評価のためです。これはなにもおかしな状態ではなく、むしろ人のなかに根づいている、極めて普通の状態といえます。

わたしたちは、社会生活にうまく「適応」していく必要があります。そのためには、まず自分の能力や、置かれた環境、そこにおける立場などを、自分でよく認識しておくことが欠かせません。

人は「自分と同じランクの人間」と比較する

そこで、常に「果たして自分は正しいのか?」「自分の能力はどの程度なのか?」ということを確認するために自分を他者と比較すると、研究上説明されています。これを「社会的比較(Socialcomparison)」として、アメリカの心理学者であるレオン・フェスティンガーが提唱しました。

ただし、人が社会的比較をするときには、より自分と近い、同じカテゴリに属する他者と比較する傾向があります。一般的に、「自分と同じ土俵」「自分と同じランク」などという言葉が使われますが、要は、境遇や能力、見た目などが自分と似ている人と比較するわけです。

その理由は、自分と似たような立場にいる多くの他者と、自分の考えや行動が一致すると、自分の意見や能力の正確性や妥当性を感じやすく、その一致によって「自分の確かさ」を得ることができるからです。

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2025.09.04

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