1カ月で1000語が覚えられる"ズルい学習法"の極意…世界一効率がいい「英語の習得法」5大鉄則

1カ月で1000語が覚えられる"ズルい学習法"の極意…世界一効率がいい「英語の習得法」5大鉄則

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① 心構え

英語プレゼンを控えていても、いきなりスピーキング練習は×

物事の解像度が上がる「複眼的思考」とは

翻訳アプリがこれほど発達した時代に英語を学ぶ必要があるのか。そんな疑問を持つビジネスパーソンは少なくないのではないかと思います。

確かに、旅行で使うコミュニケーション程度なら翻訳アプリでも間に合います。しかしビジネスの現場では取り返しのつかない齟齬が起きかねません。

たとえば、商談の際に「それは難しいですね」と遠回しに断ったとします。翻訳アプリにはdifficultと表示されます。英米人には「難しいけれど、やれる」と解釈される可能性が高い。アプリで翻訳された文字や言葉の表層だけを見ても、相手が話した内容の背景に気づけずに、マイナスの結果をもたらしてしまう場合もあるのです。

英語を学ぶメリットは、単に意思疎通の齟齬をなくし、コミュニケーションを円滑にするだけではありません。相手の価値観や、文化の理解を深めて「複眼的思考」を可能にします。

「複眼的思考」とは何か。ひとつ例を挙げましょう。

「おはよう」という意味のGood morning.は、直訳すると「よい朝」です。なぜこれが朝のあいさつなのか。実は、Good morning.の前には、Iwish you a が省略されています。つまり本来の意味は「あなたによい朝が訪れることをお祈りしています」です。

一方、日本の朝のあいさつは「朝からお早くいらっしゃいましたね」の「お早く」が「おはよう」になりました。英語の「お祈り」に対し、日本のあいさつは「事実描写」なのです。英語では、どんな天候でもGood morning.ですが、日本では悪天候なら「ヒドい天気ですね」をあいさつ代わりに会話を切り出すこともありますよね。

朝のあいさつを比較しただけで、英語と日本語では発想がまったく異なることがわかります。こうした発想や文化の背景の違いを知るだけで、視野が一気に広がり、物事の解像度が上がります。その気づきこそが「複眼的思考」につながります。

プロすら1~2技能しか“商品”にならない

英語学習にあたり、意識してほしいことがあります。それは、学ぶ目的をはっきりさせること。目的が曖昧なまま英語の4技能をまんべんなく伸ばそうとする人は少なくありません。

英語を、読む、書く、聞く、話す。これが、英語の4技能です。もちろんすべてできるのが理想ですが、現実的ではありません。英語を仕事にするプロですら1〜2技能に特化しています。

たとえば、通訳者はリスニングとスピーキングに特化しています。プロフィールに「TOEICリスニング満点」と書いている通訳者をよく見かけますが、裏を返せばリーディングは満点を取れていないわけで、プロとして誇れるリーディング力はないということです。また、大学受験の予備校講師はリーディングに特化しています。ライティング力が求められることもありますが、長文が読めれば基本的に仕事は成り立ちます。

4技能すべてを高いレベルでマスターするのは至難の業。いわば、サッカーと野球とラグビーと格闘技の技術を同時に習得しようとするのに似ています。また4技能すべてに注力すると、進歩を実感できずにモチベーションを維持しにくくなるという弊害も出てきます。

いつ、どこで、どのように英語を使いたいのか。学習する前に、具体的に目的やシチュエーションを想定し、どの技能が必要なのかはっきりさせることが重要なのです。

なぜTOEIC900でもビジネスで使えないのか

4技能の「バランス神話」と同じように、英語学習には様々な俗説があります。なかでもよく耳にするのが、「TOEIC900点をとってもビジネスでは使えない」という無責任な言説です。

仮に英語を格闘技に置き換えてみましょう。TOEICを柔道、ビジネス英語をプロレスとします。どちらも格闘技ですが、ルールが違います。TOEIC900点の人は柔道で言えば、五段です。でも、その人がビジネス英語を使うのは、柔道家がプロレスをするようなもの。柔道の達人でも、いきなりドロップキックを食らって場外に連れていかれ、パイプ椅子で殴られたら、あっけにとられて手も足も出ないでしょう。

でも、プロレス特有のルール(ビジネス英語特有のルール)さえ知っていれば、柔道(TOEIC)で培った基礎体力を活かす方法はいくらでもあります。世間で言われる「使える英語」とは、どこでどう使うのかを定義していない無責任な幻想なのです。

だからこそ、「TOEIC○○点」「仕事で英語を使う」といった目標を掲げる前に、まずは基礎を身につけることを重視してください。基礎とは英検2級レベル、欲を言えば英検準1級レベルです。少しハードルが高く感じるかもしれませんが、難関大を目指す高校生たちは他科目の勉強をしながらその級を取るので、十分可能でしょう。

基礎を身につけるには、次の5つの順序で勉強すると効率がいいです。

1つ目が、すべての土台である単語・熟語を覚える。

2つ目が、文法を学び英文解釈の力を鍛えることで、リーディング力をつける。

3つ目が、返り読みしない(英文を頭から理解する)リーディング力を土台にして、リスニングのトレーニングを繰り返す。

4つ目が、アウトプットであるライティングの力を上げる。

最後に、瞬発力を鍛えてスピーキングをできるようにする。

読めない英語を書けるわけがありませんし、聞けない英語を話せるわけもありません。読む・聞く力を身につけたうえで、ゆっくりでも書けるようになれば、瞬発力を上げることで話せるようになるわけです。

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語学は継続が大事です。継続するコツは、目標を一つ一つクリアしてモチベーションを保つこと。まず英語学習をスタートする前に1カ月後の目標を決めてみてください。最初の目標としては、単語・熟語のセクションで紹介する「ウロ覚え反復メソッド」で1カ月で1000単語覚える、などがいいかもしれません。

それでは次のページから、英語の基礎力を高める学習法を分野別に解説していきます。

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2025.04.26

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