「スーパーで」「母親を見かけて」「肩を叩いた」…そんな他愛のない話を一気に笑いに変換する"必殺の一言"
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相手を会話で笑わせるには、どうすればいいか。話し方講師の野口敏さんは「スーパーで母親を見かけて肩を叩いたと言葉を短く伝えたら、聞き手は、スーパーの店内を歩く中年ぐらいのご婦人の後ろ姿を想像する。そうした一つのイメージを相手に想像させ、それをオチで覆すと笑いが起こる」という――。 ※本稿は、野口敏『どんな人とも楽しく会話が続く話し方のルール』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
人が笑う会話3つの要素
テレビではお笑いの人たちが大人気。その影響でしょうか、私の教室に通う生徒の多くが「最後は笑いがとれるくらいまで話し上手になりたい」と訴えます。
多くの人の憧れともいえる「笑い」も、コミュニケーションブリッジの話し方を使えば、割と簡単に手に入ります。
人はどんな会話で笑うのか。それには次のような要素があります。
- 聞き手にありありと「映像」を描かせる話術
- その先の展開を聞き手に予想させる「間」
- 悪い方向、あり得ない方向に予想を覆すオチ
この三つの流れを使って、聞き手に意図して先を想像させ、それを悪い方向に外すと、張りつめた緊張の糸が一気にはじけます。それが笑いとなって爆発します。
むずかしそうに見えますか。しかし例を見れば、一目瞭然です。
まずは簡単な会話例から入りましょう。あなたも聞き手になったつもりで、次の話を頭の中で映像にして、相づちを軽く打ちながら読んでみてください。