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健康保険の扶養の手続き。考えるタイミングや条件、申請期間など
手続き中に病院に行きたいときはどうする?
結婚や子どもの出産、親の退職などのタイミングで、健康保険の扶養の条件や申請の期限が知りたいと考えるママやパパもいるかもしれません。今回の記事では手続きの期間や遅れた場合はどうなるのか、市役所や会社など申請をする場所や手続き中に病院に行きたい場合の対応についてまとめてみました。
健康保険の扶養について考えるタイミング
日本には国民皆保険制度という制度があり、国民みんなが公的医療保険に加入する必要があるそうです。会社などに勤めている場合は会社が加入している健康保険に入ることになりますが、自営業や無職の場合など、どの健康保険にも加入していない人は国民健康保険に加入することになるようです。
人生のさまざまな場面で健康保険の扶養について考えることもあるかもしれません。健康保険の扶養について考えたタイミングをママたちに聞いてみました。
「結婚を機に正社員で働いていた会社を退職しました。家事をしながらパートもしていましたが、夫が会社で加入している健康保険の扶養に入れるということなので手続きをしました」(30代ママ)
「出産をしたので、子どもの健康保険について考えました。私も夫の扶養に入っていたので、子どもも扶養に入れる手続きを夫にしてもらいました」(20代ママ)
「同居している夫の父親が退職をしたので、少しでも金銭的な負担が減るとよいと思い夫の扶養に入る提案をしました。年齢や年金額に問題がなかったので扶養に入ることができました」(40代ママ)
ママたちは結婚や子どもの出産、親の退職などのタイミングで扶養について考えたようです。収入や年齢によっては扶養に入れない場合もあるようなので、扶養に入るための条件を事前に確認しておく必要がありそうです。
健康保険の扶養に入るための条件
健康保険の扶養に入るためにはどのような条件を満たす必要があるのでしょう。健康保険の扶養に入るための条件をまとめてみました。
被扶養者となる人の条件
日本年金機構のホームページによると、被扶養者となるための条件は以下となります。
- 被保険者の配偶者子ども、孫、兄弟姉妹など直系の親族である
- 被保険者と同居している
- 3親等以内の親族である
- 内縁関係の配偶者の父母やその子どもである
被保険者により生計を維持されていることが前提となり、「配偶者」「直系尊属」「子」「孫」「兄弟姉妹以外の3親等内の親族」は同一世帯でなければならないようです。
また、75歳以上の高齢者は広域連合が運営する独立した後期高齢者医療制度に加入して給付を受けることになっているため、後期高齢者医療制度の被保険者は扶養に入ることができないので注意が必要です。
収入の条件
被扶養者と認められるためには、年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)であることが条件となります。
被保険者と被扶養者が同居している場合は収入が被保険者の収入の半分未満、別居している場合は収入が被保険者からの仕送り額未満である必要があるようです。
ここでいう年間収入とは、過去の収入ではなく被扶養者に認定された日以降の年間の見込み額を指し、具体的には月額108,333円以下、雇用保険等の受給者の場合は日額3,611円以下であることが条件となります。
また、雇用保険の失業等給付や公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も収入に含まれるそうなので、これらを受け取る予定がある場合はそれを含めた年収に収める必要があります。
健康保険の扶養に入るための手続き
健康保険の扶養に入るためにはどのような手続きが必要なのでしょう。申請期間や必要書類などの必要な手続きについてまとめてみました。
申請期間、提出先
被保険者に被扶養者の追加があった場合は、事実発生から5日以内に会社の担当者へ必要な書類を提出するとされています。
申請期間が短いことから、あらかじめ必要な書類を確認しておき、期限に遅れないようにするとよいかもしれません。
必要書類
子どもや親を扶養に入れるためには、「健康保険 被扶養者(異動)届」の提出が必要となります。
加えて、添付書類として「被保険者の戸籍謄(抄)本」などの被保険者との続柄が確認できる書類や、「退職証明書」「年金額の改定通知書などの写し」などの収入要件を確認できる書類が必要になります。
家庭の状況によってその他に添付書類が必要な場合があり、結婚や親との同居などで住所が変わるときは同時に「被保険者住所変更届」を提出しなければならないようです。
国民健康保険の脱退手続き
扶養に入る前に国民健康保険に加入していた場合は、市役所や区役所に行って国民健康保険の脱退手続きを行う必要があるそうです。
大田区のホームページでは、国民健康保険の脱退手続きは14日以内に届出をするとされています。届出が遅れて国民健康保険の保険証を使って診療を受けてしまうと、国民健康保険から支払われた医療費を返還する必要が出てくるので、期限までに忘れずに届出をするようにしましょう。
また、必要な書類は市区町村によって異なり郵送でによる届出が認められているところもあるため、市役所や区役所に必要書類や申請方法を確認しておくとよいかもしれません。
扶養の手続き中に病院に行きたいときは?
健康保険の扶養に入るための手続き中に、病院に行く必要がある人もいるかもしれません。扶養の手続き中に病院に行きたいときはどのようにしたらよいのかをまとめてみました。
一旦自己負担する
協会けんぽのホームページによると、医療費の全額を負担したときの対応について以下のように紹介されています。
“
保険医療機関の窓口に保険証を提示して診療を受ける現物給付が原則ですが、やむを得ない事情で現物給付を受けることができないときや、治療のために装具が必要になったときなどは、かかった医療費の全額を一時立替払いし、あとで請求して療養費(被扶養者の場合は家族療養費)として、払い戻しを受けることができます
出典: 医療費の全額を負担したとき / 協会けんぽ
扶養に入る手続き中で保険証を提示できないときは、一度自己負担をして後日払い戻しを受けることができるようです。治療内容によっては健康保険が使えないケースもあるようなので、払い戻しが該当するかを受診前に病院に確認しておくとよいかもしれません。
「健康保険被保険者資格証明書」を利用する
健康保険被保険者証が交付されるまでの間に、被保険者または被扶養者が医療機関で受診する予定がある場合は、申請に基づいて「健康保険被保険者資格証明書」を交付するとされています。
事業主または被保険者が「健康保険被保険者資格証明書交付申請書」を管轄の年金事務所へ提出することで交付されるようなので、事前に受診の予定がある場合は「健康保険 被扶養者(異動)届」と同時に申請をしておくとよいかもしれません。
健康保険の扶養の手続きは遅れず期間内に
結婚や子どもの出産、親の退職などで健康保険の扶養を考えるときは、収入の条件や申請の期間をよく確認しておくとよいようです。
また、手続き中に病院にかかりたいときでも、自己負担後の払い戻しや資格証明書によって受診することができるそうです。
扶養に入る前に国民保険に加入していた場合は、会社への申請の他にも市役所や区役所へ脱退の届け出をする必要もあるので、事前に手続きの流れや必要な書類を確認し期限に遅れることがないようにできるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2018年1月21日時点で作成した記事になります。