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【小児科医監修】とびひになったらプールはいつから入れる?目安となる日数
スイミングが可能な症状の見分け方と悪化させない対策法
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子どもがとびひになったら保育園や幼稚園、学校のプールやスイミングスクールにはいつから入っていいのか悩む人は少なくないでしょう。とびひになった場合、プールに入れる症状や日数の目安を解説します。また、とびひを悪化させないために日常でできる対策法をご紹介します。
とびひとは
とびひの正式名称は「伝染性膿痂疹」(でんせんせいのうかしん)と言います。
人にうつる病気で、水ぶくれをかきむしった手を介して全身に症状が広がる様子が飛び火のように見えることから「とびひ」と呼ばれています。
とびひは、大人もかかる場合がありますが、10歳未満の子どもが多くかかっています。
とびひの種類
とびひには「水疱性膿痂疹」(すいほうせいのうかしん)と「痂皮性膿痂疹」(かひせいのうかしん)の2種類があります。
とびひの原因は、虫刺されやあせもを掻いたり、ケガでできた皮膚の傷から細菌が入り込んで発症します。
「水疱性膿痂疹」と「痂皮性膿痂疹」の原因と症状について詳しく見ていきましょう。
水疱性膿痂疹
水疱性膿痂疹は主に黄色ブドウ球菌が原因といわれています。
黄色ブドウ球菌は、健康な人の皮膚の表面や鼻の中にいる菌で、虫刺されやあせも、傷をひっかいて感染を引き起こします。
水疱性膿痂疹は、7歳児未満の乳幼児が夏にかかりやすく、主に目や鼻、口のまわりに発疹がではじめて全身に広がります。
水ぶくれが破れて皮膚がただれると、かゆみを伴い、場合によっては患部が膿をもつことがあります。
痂皮性膿痂疹
痂皮性膿痂疹は、年齢や季節に関係なく発症します。
水ぶくれはできませんが、炎症が強く分厚いかさぶた(痂皮)ができ、発熱やリンパ節の腫れ、のどの痛みを伴う場合があります。
「痂皮性膿痂疹」は、健康な人の皮膚の鼻やのどの中にいる化膿レンサ球菌が傷口から皮膚に入り込むことが原因で、症状が全身にでます。
とびひになった場合、プールに入ってもよい?
プールの水ではとびひはうつりませんが、プールに入ることでとびひの症状が悪化する場合があります。
かきむしった水疱の滲出液を触って周りの人にうつしてしまう可能性があるため、とびひの症状が完全に治り、医師の許可が出るまでプールやスイミングスクールは避けるべきです。
とびひになったらいつからプールに入れる?
とびひの傷がジュクジュクしている間はプールは控え、傷口が完全に乾燥して赤みがなくなったときが感染しない目安になります。
抗生物質を5日間程度飲むと大体の場合、皮膚の状態はよくなります。
抗生物質を飲み始めて2日から3日経っても水ぶくれが増加したり、赤みが増して腫れたり、患部が乾燥しないときは病院で再受診をしましょう。
とびひを悪化させないために日常で注意すること
とびひの症状を悪化させないために日常生活で気をつけることをご紹介します。
皮膚を清潔に保つ
とびひの原因になる細菌を増やさないために皮膚を清潔に保つことが大切です。
石鹸をよく泡立てて、患部はこすらずに優しく洗います。湯船には浸からずにシャワーで済ませましょう。
シャワーを浴びたあとは、清潔なタオルで、ゴシゴシこすらず、優しく水分をふき取ることが大切です。
患部をいじらない
かゆくて患部をかいたり、いじってしまう子どもがいますが、とびひは患部の滲出液を触った手を介してまわりの人にうつります。
爪を短く切って、患部をかいたり触らないように注意することが必要です。
年齢が低いと、無意識にかいてしまう場合があるので、ガーゼや包帯で患部を保護して傷口を露出しないように工夫しましょう。
しかし傷口を密閉しすぎたり、絆創膏を貼りっぱなしで放置すると治るまで長引く場合があります。
正しい処置が治りを早くします。心配があれば医療機関で相談しましょう。
治療を途中で中断しない
かゆみや皮膚の状態がよくなってきても細菌が潜んでいる場合があります。
自己判断で治療をやめてしまうと症状がぶり返したり、長引く可能性があります。
傷口が乾燥して赤みがとれていても、ひっかいて再びばい菌が入ってしまったり、発疹や発疹の周りに少しでも赤みが残っているときに治療をやめてしまうと再発する恐れがあるため、医師の指示に従って完全に治るまで治療を続けることが重要です。
とびひのときのプールは完治をしてから入ろう
子どもがとびひになったら、プールに入ってもよいのか迷うママもいるでしょう。
とびひのときにプールに入るのは原則禁止です。プールの水を介してとびひがうつることはありませんが、水疱の滲出液を触って周りの人にうつしてしまったり、プールに入ることでとびひの症状が悪化する場合があります。
患部が完全に乾いて赤みがなくなり、医師の許可がでてからプールに入るようにしましょう。
患部を優しく洗い、子どもが患部をいじらないようにガーゼや包帯で正しい処置をすることが大切です。
傷口が乾燥して赤みがとれていても、ひっかいた拍子に再びばい菌が入ってしまったり、発疹周りに少しでも赤みが残っているときに治療をやめてしまうと再発する恐れがあります。しっかり完治するまで治療することが重要です。