保育園、幼稚園、子ども園に「アートマインドコーチング」プログラムの導入が開始
「MoMa」が開発した対話型絵画鑑賞法「VTS」と、イェール大学が開発した「絵画鑑賞トレーニング」をベースにした、子どもの“主体性、創造力、思考力”を伸ばすプログラム
「日本アート教育振興会」が、自社が展開する「アートマインドコーチング」プログラムを保育園、幼稚園、子ども園に導入開始。
“アートの力を活用することで8つの能力が開花するプログラム”となっており、変化の激しい現代の世界において、数十年前とほとんど変化を見せない日本の教育に危機感を感じたことをきっかけに、今回の導入へとなった。
「アートマインドコーチング」は、ゼロから1を生み出すアーティストの思考、意識、スキルを一般の人々にも育むプログラム。
・絵画を鑑賞しながら対話をする「対話型絵画鑑賞法」
・創造性を高める「創作アートワーク」
(・音楽の効用を活かしたワークも開発中)
といったセッションを主に行うことで、参加者の本来もつ感性を刺激し、「観察力」「創造力」「思考力」「コミュニケーション力」「言語化力」「美意識」「自己肯定感」といった、生きていくうえでも、仕事をするうえでも、人間にとってとても大切な基礎能力を同時に高めることができる。
プログラムの知見のベースになっているのは、ニューヨーク近代美術館「MoMa」が開発した対話型絵画鑑賞法「VTS(Visual Thinking Strategy)」と、学術的に認められ世界的にも実績をだしているイェール大学が開発した「絵画鑑賞トレーニング」。
人の能力を効果的に最大化すると言われるコーチングの要素を取り入れ、なおかつ日本人の特性に合わせた内容にカスタムした「日本アート教育振興会」オリジナルのプログラムを導入している。
「VTS」は、アメリカでは公立学校300校で効果を実証。「絵画鑑賞トレーニング」は、創始者のアーマン・ヴァーマン氏が医学生たちの知覚力低下に気づき、その解決法として取り入れたことがきっかけとなったトレーニングだ。
わずか2時間半のセッションだったにも関わらず、トレーニングを受講した学生たちの患者を見極める目は13%も向上し、受講しなかった学生と比較すると74%も高くなる結果に。
皮膚科の疾病に関する診断能力も56%向上し、診断能力だけにとどまらず全般的な観察能力、特に細部の変化に気づく能力が10%向上したという結果もでている。
また、美術作品を見て考える力をつけると、生徒の学力や社会的なスキルも向上するというハーバード大学による研究結果や、 ノーベル賞受賞者の90%以上が「アート愛好家」であるというデータも。
2000年にノーベル経済学賞をとったジェームズ・ヘックマン教授は、自身の著作「幼児教育の経済学」において、「乳幼児期に非認知能力を伸ばす教育を」と提唱。
「非認知能力」とは、自尊心、自己肯定感、自立心、自制心、自信、目標に向かうために努力する力や意欲、やり抜く力といった数値では測れない能力。
一般的には、社会性と呼ばれる、協調性、共感する力、思いやり、社交性、道徳性などの「人と関わる力」もこれにあたり、いわば非認知能力は、「心の能力」のようなものだ。
これに対して、知的能力を指す読み書き・計算などの知能指数(IQ)として計測できる能力を「認知能力」といい、ヘックマン教授は「社会的成功にはIQや学力といった認知能力だけでなく、非認知能力も不可欠である」と主張。
こういった教育法は、アメリカを筆頭に世界中で「とても大切な教育だ」ということが共通認識になりつつあるが、まだまだ日本ではそれが認識されていない現状がある。
少しでも日本の教育が進化するよう「クリエイティブな日本人を育てる」ことを目指したプログラム。この機会にぜひチェックしてみては。
問い合わせ先/ 日本アート教育振興会