現役ママたちに聞いた「子育ての悩みや不安を和らげた一冊」は?専門家の本、漫画や絵本も
子育てには悩みや不安がつきもの。しかしときに本や漫画で見つけたひとことが、抱えていたネガティブな気持ちを和らげてくれることも。そこで、KIDSNAアンバサダーのママや子育て経験のある編集部員に「子育ての悩みや不安を和らげた一冊」を聞きました。誰かを救った一冊が、今度はあなたのお守りになるかもしれません。
▽▼KIDSNA STYLE連載中の人気漫画家4名に聞いた「一冊」はこちら▽▼
説得力が違う! 育児や脳科学の専門家による本
佐々木正美『この子はこの子のままでいいと思える本』
多くの著書を遺した児童精神科医・佐々木正美先生の本を挙げる方はほかにも。
2歳で下の子が産まれて、上の子が大暴れで手がつけられなくなりましたが、佐々木正美先生の本を何冊も読み、先生のおっしゃる「甘やかし」や「かわいがり」を実践したところ、数日でニコニコかわいい上の子に戻りました。上の子が変わったのではなく、先生の言葉で私自身も変わったのだと思います
工藤勇一、青砥瑞人『最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方』
ひとりの人の経験値を頼りにするのではなく、脳研究をベースにした育児に関するアドバイスがまとまっているので、読んでいて説得力を感じました
横浜創英中学・高等学校校長を務める工藤勇一さんと脳神経科学の世界で注目を集める青砥瑞人さんの共著。教育と脳神経科学を軸として、「当事者意識のある子ども」を育成するために考えたいことがまとめられています。
KIDSNA STYLEでは近日中に青砥瑞人さんのインタビューを掲載予定です!
忙しいときでも読める! 育児に効く漫画や絵本
「育児本はたくさんあるけど、読む時間がない……」そんな方に向け、スキマ時間や子どもが寝た後に気軽に読める絵本や漫画のおすすめも聞きました。
H.A.レイ『ひとまねこざる』
子育ての参考にしていたのは「おさるのジョージ」の原作絵本である『ひとまねこざる』です。小さいころから好きな絵本で、ずっと読み続けているためボロボロですが、黄色いぼうしのおじさんは子育ての理想だと思います。なんでも許すし、そのままのジョージを受け入れるので、子育てで悩んだときに「こういう子育てが理想」というベンチマークにしてました。実際には、その理想からかなりかけ離れていますが……
絵本ではほかに、林明子『おつきさまこんばんは』、かがくいひろし「だるまさん」シリーズが挙がりました。
伊藤理佐「おかあさんの扉」シリーズ
Twitter発の子育てエッセイを日ごろからたくさん読み、書籍もいくつも購入しましたが、「人の家はちゃんとしてるな…」「ちゃんとかわいがってるな(うちはめっちゃ怒ってる)」と思ってしまって苦しくなることも。
そんな中で楽しく読めたのが、漫画家・伊藤理沙さんの育児エッセイ漫画シリーズ「おかあさんの扉」です。
もともと赤裸々に人の奥底に深く切り込む作風なので、ギャグでありながら、ほかの育児漫画とは一線を画しているように思いました。あと、ズボラなところをさらけ出しているので、「ちゃんとしなきゃ」と思いがちな育児において救いになりました。
伊藤さんの作品を読むと、お母さんになる前はみんなただの女であり、お母さんになっても、母親である前にただの人間であるという当たり前のことを思い出させてくれます。並行して「おいおい!ピータン」を読むとなおさらよいですよ!
深見じゅん「ぽっかぽか」シリーズ
集英社のレディースコミック「YOU」(現在は休刊)で連載されていて、ドラマ化もされたマンガです。独身時代から読んでいて、最初はそこまで気にはとめていなかったのですが、自分が妊娠して家に籠るようになってから改めて読むと、当時の私にとっては安らぎを感じるものでした。
内容は、独身時代にものすごくがんばっていた女性・麻美が、ママになって家族との日々をのんびり過ごすお話で、彼女に対峙して描かれる登場人物が当時の私が持つ悩みや気持ちを表現してくれていると感じ、「自分だけでない」という安心感を覚えました
忙しい毎日。手が空いた時間にはついついスマホに手が伸びるものですが、たまには本、絵本、漫画を手に取ってみるのもいいかもしれません。あなたが開いた本のなかに、気持ちをふと楽にする言葉が見つかりますように。
子育ての相談に応える本で、悩んでいるときの参考になります。「ダメな親だ……」と思ってしまうときに、「子どもを幸せにするのなんてとても簡単なことですよ。親が笑顔ならそれだけで子どもは幸せなのです。自分が親を幸せにしたと思って自信たっぷりに育っていくのです」という佐々木先生の言葉はとても心に響きます