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保育園or幼稚園、教育熱心な親たちが選んだ理由
未就園児を持つママパパにとって未知の領域である保育園と幼稚園。「教育に力を入れるなら幼稚園?」「保育園ではどんなことを教えてくれるの?」、そんな疑問を解消すべくにアンケートを実施。園を選んだ決め手や、気になるそれぞれの教育内容についてご紹介していく。
子どもが1日の大半を過ごすことになる保育園や幼稚園。しかし、「何を基準に選べばいいか分からない」というお悩みを持つ方は多いのではないだろうか。
もちろん、重視する点は家庭ごとに異なるはずだが、実際に通わせている家庭が、どんな点を基準に選んだのか知ることで、自身の園選びのヒントとなるだろう。
そこで今回は、実際に子どもを保育園、幼稚園に通わせる保護者へのアンケート結果をもとに、保育園、幼稚園を選ぶ際に重視したポイントや、教育状況、子どもを通わせたい理想の園について保護者たちの本音をご紹介していきたい。
通わせているのは私立幼稚園が44.7%
まず、「現在子ども通う・または通った園の形態」についてのアンケートでは、
- 私立幼稚園 44.7%
- 私立保育園 23.7%
- 公立保育園 15.8%
- 公立幼稚園 13.2%
- 認定子ども園 10.5%
と、私立幼稚園がもっとも多い結果となった(その他は認可外保育施設)。
また、「保育園から幼稚園など、異なる園への転園の有無」についての質問では、約13%が転園を経験していることが分かった。
転園先の内訳は、
- 保育園から保育園 2.6%
- 幼稚園から保育園 2.6%
- 保育園から幼稚園 7.89%
と、保育園から幼稚園に転園している家庭がもっとも多く、転園理由としては、
私立幼稚園保護者
私立幼稚園保護者
保育園ではアレルギー対応をしてもらえず保育中にアレルギーが起きても責任を問わないと誓約書を書かされ、アレルギーが起きた場合は病院には連れて行かないで保護者に連絡をするという規約だったため転園。
私立幼稚園保護者
2歳までの保育園だったため強制転園することに。
など、保育園への不満や、個別のケアが足りない部分を求めて幼稚園に転園させていた。一方、幼稚園から保育園の転園ケースでは、
公立保育園保護者
仕事の都合と兄弟で園が異なることが大変で、年中の長男を幼稚園から1歳長女の通う保育園に転園させました。
という理由があげられた。
転園先を見つけたり一から手続きをしたりすることは大変だが、お昼寝が必須の保育園からお昼寝のない幼稚園に転園など、理想の環境を求めて転園することは決して珍しいことではない。
教育面に力を入れているのは幼稚園
次に、それぞれの園での教育についてみていきたい。
「通う園は教育に力を入れているか」という質問に対しては「とても力を入れていると思う」という回答が私立幼稚園でもっとも高く、「力を入れていると思う」では私立保育園がもっとも高い結果となった。
また、公立保育園よりも私立保育園のほうが「力を入れていると思う」割合は高かった。
保育園の管轄は厚生労働省、幼稚園の管轄は文部科学省なので当然の結果ともいえるかもしれないが、幼児期からさまざまな教育をおこないたいと考える保護者にとってはやはり私立幼稚園は魅力的といえるだろう。
また、具体的に力を入れていると感じる部分については、体操が26.2%ともっとも高く、ついで英語24.6%、音楽9.2%、アート、リトミック、幼児教育がそれぞれ7.7%だった。
「とくに力を入れている感じる」「力を入れていると感じる」と答えた中で具体的には、
私立幼稚園保護者
英語、iPadを使ったネット教育、専門講師を招いての運動。
私立幼稚園保護者
英語、リトミック、体操を保育時間内に行っている。退園後は希望者のみ受けられる課外授業(月謝あり)も多数ある。
私立幼稚園保護者
モンテッソーリ教育を取り入れている点。
認定子ども園保護者
体操、音楽、読み書き計算がバランスよく時間割として組まれている。
公立保育園保護者
英語、リトミック、体操教室、スイミング、全て専門講師の元で学んでいる。
などの意見があった。
一方、「どちらともいえない」「力を入れているとはあまり思わない」「力を入れているとまったく思わない」と答えた中でも以下のような肯定的な回答もみられた。
私立幼稚園保護者
情操教育メインで、たくさん遊ばせてくれました。
公立保育園保護者
勉強ではないがプライベートゾーンなどの性教育を3歳頃からしっかり教えてくれている。
公立幼稚園保護者
幼少期の遊びに重きをおいているので、机に向かっての勉強は少ない。
私立幼稚園保護者
お勉強的な教育に力を入れてはいないが、自然の中で子どもたちが日々発見していく「生きる力」を育ててくれたことを親自身に気付かせてくれたと思う。
私立幼稚園保護者
自由保育で遊び中心。遊びから学ぶ事が大事という幼稚園。しつけ、教育をするというより、自分で気がついて学ぶところ。
いわゆる勉強的な教育に力を入れていなくても、さまざまな遊びを提供していたり、子どもの自主性を尊重し成長を見守ってくれたりする園であれば、保護者は納得していることが分かる。
保育園、幼稚園を選ぶ際に重視したポイントは?
「保育園、幼稚園などを選ぶ際もっとも重視した点」についての質問では、全体では「園の方針」と「近さ」がそれぞれ27.3%でもっとも高く、「教育熱心さ」「預かり時間の長さ」はそれぞれ10.52%だった。
個別では私立幼稚園の「園の方針」が18.4%ともっとも高く、次いで公立保育園の「近さ」13.1%で、公立、私立含め保育園では「近さ」(通いやすさ)を重視する傾向があるようだ。
「その他」の回答の中には、
私立幼稚園保護者
小規模で担任の配置などが子どもへのケアが手厚そうな園にしました。
公立幼稚園保護者
一人の人間として尊重され、とことん遊べること。さりげなく目標を持たせてもらい成長できること。
公立幼稚園保護者
園の様子がわかりやすいこと。お迎えや園庭開放があり、園の様子お友だちと遊ぶ様子がわかってよい(園庭開放はコロナのため現在は休止中)。
認可外保育施設保護者
子どもが行きたいと言っているところへ行かせるのがベストと思い、決めました。
私立幼稚園保護者
人見知りの我が子が気に入ったから。
など、子ども自身に合っていることを重視している意見が目だった。
保育園、幼稚園保護者が選ぶ、子どもを通わせたいのは〇〇な園!
最後に、「子どもを通わせた園以外で、通わせたいと思えるのはどんな教育方針の園か」という質問では「自主性、主体性を重視してくれる園」という回答が33.3%ともっとも高く、次いで「(読み書きなどを含めた)教育に力を入れてくれる園」「自然との関わりがある園」が同率の12.5%という結果に。
就学前には、英語や算数、読み書きなどの教育よりも、「自主性や主体性を育んでほしい」と考えている保護者が多かったことが印象的だ。
また、「自然との付き合い方を遊びを通して経験したり学べたりする園」「田植えなどの季節の取り組みなど自然環境に親しむ取り組みが多く行われる園」など、幼少期の自然との関わりを重視している保護者も多かった。
保護者達は保育園や幼稚園に、読み書きなどの狭義の「教育」より、自主性などのより広義の「教育」を求めていることがうかがえる。
もちろん、今回のアンケート結果はあくまで一部の保護者の考えであり、保護者が保育園や幼稚園に求める環境は十人十色だろう。
すべての家庭に当てはまる正解はないが、これらの意見が読者の保育園、幼稚園選びの一助となれば幸いだ。
【調査概要】
・対象:KIDSNA読者へアンケート調査を実施
・調査期間:2021年1月末
・回答数:38人
園庭がないことと、午後の時間の使い方が勿体無いと思った。幼稚園では午後は、園内の習い事ができる。