脳科学者に聞く「非日常体験」が子どもの成長によい理由とは

脳科学者に聞く「非日常体験」が子どもの成長によい理由とは

子どもの健やかな成長のために、好奇心を刺激する体験や非日常体験をさせたいと思うママやパパは多いと思います。では、好奇心や非日常体験は、子どもにとってどう良いのでしょうか。なんとなく良いと思っていた価値観を脳科学者の瀧 靖之先生が紐解きます。

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瀧先生

「非日常体験」が子どもの好奇心を高める理由

子どもの好奇心を伸ばすと良いという話はよく聞きますが、それはなぜなのでしょうか。脳科学者の瀧先生に理由について詳しく教えていただきました。

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瀧先生:

「私たち人間は『いろいろなことを知りたい』という好奇心を元々持っています。これは『情報探索行動』と呼ばれています。

太古の昔、人間は食料を探さないと生きていけませんでした。その『報酬探索行動』が、現在の『情報探索行動』の元だと言われています。

つまり、新しいものを見つける楽しみや、興味を持ったことに対してわくわくすることは、生き物の本能として備わっているのです。

もう少し脳科学的に説明すると、楽しい・わくわくするというような感情を司るのは『扁桃体』とよばれる神経群で、この扁桃体の反応は情報や記憶を一時的に保管する『海馬』に作用します。どちらも脳の発達にはとても重要で、こうして感情と記憶は密接に関わっています。

楽しい・わくわくするという感情は非日常体験で味わうことができるので、そういう意味では脳の発達にとってプラスに作用すると考えられます」

脳

「楽しいという感情やわくわくする好奇心は、記憶力だけでなく深い情報処理能力に有効であるといえます。好奇心が高いと、将来的に集中力や情報処理能力などの知識獲得につながり、結果的に学力向上に寄与するとも考えられています。

このような理由から、子どもには好奇心が大切だといわれているのです。

2、3歳は、他者と自分との区別がついてきて、外の世界に興味を持つ時期です。なぜなぜ期ともいわれているように、どんどん知的好奇心が発達します」

子どもの好奇心を育むために親ができること

子どもの好奇心を伸ばすために親ができるのはどのようなことなのでしょうか。瀧先生に聞いてみました。

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瀧先生:

「人や物事に触れれば触れるほど好きになることを、心理学では『単純接触効果』といいます。

本などで世の中の広がりを見せてあげて、そのあとに実際にそれを見に行くために外に連れていってあげるとよいでしょう。

この『知識や情報を入れて、興味を持ち、それを実際に見にいく』という繰り返しが重要です。

そして、もうひとつ大事なのは親子でいっしょに遊ぶこと。子どもは模倣で能力を獲得していくからです。大人の楽しそうな姿を見て、子どもは真似して同じようにやりたくなります。

子どもはそうやってさまざまな能力を獲得していくのです」

「子どもはこれから知識を得ていく状態なので、非日常体験の中でひとつひとつの刺激がダイナミックに心に刻まれます。

大人もぜひいっしょにたくさんの非日常体験にチャレンジしてみてください」

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子どもが非日常体験によって身につける力

次に、瀧先生に「子どもが非日常体験によって身につける力」について説明していただきました。


自己肯定感を高める

瀧先生:

「いくつかの調査において、自然の中での感動体験などの非日常体験が子どもの自己肯定感を高めるということが言われています。

自己肯定感(自己効力感、自尊心)は自然の中で身につきやすい力です。自然体験、感動体験を多く持つことによってこれらを伸ばすことができます。山に登って朝日を見ることや美しい自然に触れることは子どもにとっても大きな喜びです。

また、自然体験ではやりぬく力も身につくでしょう。その達成感がさらに自己肯定感も高めます」


コミュニケーションスキル

「私たち人間は普段、会話をするにしても言葉だけでやりとりしているわけでなく、仕草や表情も含めてノンバーバルコミュニケーションをしています。

これは、相手の気持ちを理解して適切な行動をとる「共感性」を高めます。

非日常体験でコミュニケーションが増えることで、コミュニケーションスキルや共感性も身につきます」


主観的幸福感

「非日常体験では、主観的幸福感が高まる可能性もあります。

主観的幸福感とは『今、幸せだな』と感じる幸福感のこと。子どもの頃や若いうちにたくさん経験することで生活習慣病のリスクを下げ、結果的に健康寿命が伸びると言われています。

非日常の中では、普段見逃しがちな「ちょっとした幸せ」を感じるいい機会ではないでしょうか」

iStock.com/Hakase_
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ストレスからの解放

「アウトドアや自然体験などの非日常体験は、私たちをストレスから解放してくれます。

都会で日々暮らしていると、道を歩くだけでも何かが起こる前にこれから降りかかってくること、例えば信号や車への対処を考えるなど無意識のうちに身の回りのさまざまなことに注意を払っています。

一方、自然の中では都会のように周りに注意しなければならない状況から開放され、目の前の興味を持ったことに対して探索することができます。外からの刺激に対してストレスを感じることがなくなるため、自然の中ではリラックスして過ごせると考えられます」


レジリエンス(さまざまな状況に適応し生き抜く力)

「自然体験や体を動かすこと、家族など身近な人のあたたかい繋がりによりレジリエンスが身につくと言われています。これは、将来子どもが困難を乗り越えるための大きな力になるでしょう」

たくさん 遊んだら、ゆっくり休もう!

また、好奇心を刺激することと並んで重要なのが「睡眠」だと瀧先生は言います。


瀧先生:

「睡眠は疲れを取る、創造性を高めるなどの目的もありますが、もうひとつ重要なのは『睡眠によって記憶が固定される』ということ。それは、寝ることで海馬を成長させることができるからです。

海馬は、脳の中で記憶に関わるだけでなく、神経細胞が生まれる唯一の領域です。しっかり寝ることで海馬の発達を促進し、記憶力が高まります。記憶力は思考やコミュニケーションの土台になるのでとても重要です。

睡眠は、子どもの脳の健やかな発達に不可欠といえるでしょう」


非日常体験と十分な睡眠が子どもの成長をサポートしてくれるのですね。

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脳科学者瀧先生おすすめの「非日常体験」

では、どのような非日常体験が子どもの成長に最適なのでしょうか。瀧先生がすすめる「非日常体験」について聞いてみました。


自然体験がおすすめ

iStock.com/monzenmachi
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瀧先生:

「自然の中に身を置くことは、とてもいい非日常体験です。

もちろんキャンプやハイキングなど本格的なアウトドアもいいですが、近くの川で釣りをする、公園に昆虫を探しにいく、夜に星空を見上げるなどでも十分です。

景色がきれいとかリラックスできるとか、なんでもいいです。いつもとちがう公園に出かけるだけで、子どもにとっては非日常体験です」


デジタル上での非日常体験とリアルでの体験のちがいは?

オンラインゲームなどデジタル上でも非日常体験を楽しんでいる子どももいます。リアルでは得られるけれどデジタルでは得られない要素はあるのでしょうか。

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「体を物理的に動かすことで海馬での神経細胞の働きは促進されます。ですから、脳の発達のためには体を動かすこと、特に有酸素運動が重要といえます。

また、デジタル上のコミュニケーションは、共感性を養うという意味では少しむずかしいと思います。リアルと違って、相手の繊細な表情が見えないからです。

デジタルだけに偏るのではなく、リアルとデジタルのバランスをとることがポイントですね」


子どもが喜ぶ非日常体験がわかりません……

「子どもになにかをやらせようと考えるより、大人も自分が楽しい方がいいです。とにかく家族でその場所に行ってみて、そこで時間を共有するだけでいいのではないでしょうか。

うちにも10歳の息子がいるのですが、夏休みに、部屋の中でテントを張って寝ました。それだけですごい非日常感でした。

寝室ではなく、リビングで寝てみるだけでも非日常ですし、意外に身近にあるのかもしれません」

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公園などでの外遊びはもちろん、寝る場所の変化だけでも子どもにとってはわくわくする良い刺激になりそうですね。

非日常体験・お泊まりにぴったりの「クラウドスリーパー️」

そんなリアルでの非日常体験のお供におすすめなのが北欧生まれの子ども用品ブランド「ストッケ」のトラベルベッド「ジェットキッズ by ストッケ クラウドスリーパー」です。

お家での体験も、近場へのお出かけも、旅行も、あらゆる非日常体験をサポートしてくれる、持ち運びに便利なエアーマットレスです。

商品画像1
注目の非日常体験を
サポートするアイテムとは?

気軽に非日常体験を楽しめる

アウトドアや旅先にぴったりの「クラウドスリーパー」は、お出かけ先でソファやベッドのように使えるだけでなく、お家でいつもとちがう気分を楽しみたいときにも大活躍です。

どこへでも持ち運べて簡単に広げられるので、気軽に子どものお気に入りの居場所ができ、わくわくする「非日常体験」を味わうことができます。

商品画像2

子どもが自分でできるオールインワン設計

手や足で押すだけで簡単に膨らませることができる「クラウドスリーパー」は子どもの自立心を育みます。

重さは1.4kgと軽いので、子どもでも持ち運ぶことができます。そしてバッグからエアーマットを取り出し、バルブを締めてポンプを押すだけで空気が入ります。

片付けもスムーズに進められるように折りたたみ線がついているので、子どもの「自分でやってみたい」という気持ちをくすぐります。

商品画像3

有名な北欧生まれのブランド「ストッケ」

「クラウドスリーパー」は、大人まで長く使えるハイチェア・ベビーチェアのトリップ トラップで有名な北欧生まれのベビーブランド「ストッケ」の新製品です。

「ジェットキッズ by ストッケ ベッドボックス」は機内用ベッドやレッグレストの機能を搭載したお子さま用機内持ち込み可能スーツケースで、「クラウドスリーパー」も収納可能です。

それぞれのご家庭や親子に合った子育てを応援したいというストッケの考え方は、日本でも多くのママやパパたちに共感されています。

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「クラウドスリーパー」での非日常体験

実際に子どもたちが「クラウドスリーパー」を使って非日常体験を過ごす様子を紹介します。

こんな場所で広げたら気持ちよさそうです。
こんな場所で広げたら気持ちよさそうです。
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畳むとこんなにコンパクトなのでキャンプにもぴったり。
畳むとこんなにコンパクトなのでキャンプにもぴったり。
お家の中でも非日常体験を楽しむことができます。
お家の中でも非日常体験を楽しむことができます。

大人もいっしょに非日常を楽しんで

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子どもの好奇心を育んだり、非日常をいっしょに経験することは実はそんなにむずかしく考えなくてもいいのかもしれません。大人にとってはあたりまえのことでも、子どもにとっては環境を少し変えるだけでわくわくする体験になるからです。

「親が楽しいと子どもも楽しい。大人がいかに人生を楽しむかが大事です」という瀧先生の言葉が印象的でした。

いつもの公園やお家、キャンプなどのアウトドアを「クラウドスリーパー」でさらに楽しめたらいいですね。

ジェットキッズ by ストッケ
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