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子どもの「マネーリテラシー」を高めるために、家庭でできること
近年、子どもの金融教育やマネーリテラシーが注目されています。2022年からは高校でも金融教育がカリキュラムに組み込まれ、国民のマネーリテラシーを高める動きも見られます。今回の記事では子どもにマネーリテラシーを身につけさせる意味などについて考えます。
ママたちがイメージする「マネーリテラシー」の意味
お金に関する教育が注目される昨今、マネーリテラシーという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
これからの時代を生き抜くために、子どものマネーリテラシーを高める必要があると考えるママやパパもいるのではないでしょうか。
マネーリテラシーとは具体的にどのような能力のことを指しているのでしょうか。子育て中のママたちにマネーリテラシーという言葉のイメージについて聞いてみました。
ママA
ママB
お金に対する知識が豊富で、貯めるだけでなく、うまく運用している人が「マネーリテラシーが高い」イメージがあります。
ママC
リテラシーという言葉に「読み書き能力」という意味があるので、マネーリテラシーは「お金の正しい使い方」のことだと思います。
ママD
「必要なお金を把握して管理し、その範囲内で運用しようすること」でしょうか。
ママE
マネーリテラシー=今の時代に合わせたお金の使い方、というイメージがあります。
さまざまな意見がありましたが「お金を運用するための基本的な知識」という共通イメージをママたちは持っているようです。
マネーリテラシーを身につけるメリット(利点)
マネーリテラシーを身につけるメリットについて、金融広報中央委員会の暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識共有サイト「知るぽると」には以下のように記載されています。
何のために金融リテラシーを身につける必要があるのか?
国民一人ひとりが、より自立的で安心かつ豊かな生活を実現するためです。
・現代社会では金融との関わりを持つことは避けられません。「生活スキル」として金融リテラシーを身につける必要があります。
・国民一人ひとりの金融リテラシーが向上すれば、結果として、健全で質の高い金融商品の提供の促進や、家計金融資産の有効活用にもつながり、公正で持続可能な社会の実現に役立ち得ると考えられます(消費者教育促進でも、「公正かつ持続可能な社会の形成」が目指されています)
出典:「金融リテラシー・マップ」金融広報中央委員会「知るぽると」
親子でマネーリテラシーを高める
同じく金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査 2019年」によると、日本において金融教育の経験がある、もしくは金融教育を受けたと認識があるのは、わずか全体の7.2%です。
これはアメリカの21%と比べると低い数字で、日本の現在の親世代は金融教育を受ける機会がほとんどなかったといえるのではないでしょうか。
出典:「金融リテラシー調査」( 2019年)金融広報中央委員会「知るぽると」
日本では投資より貯蓄が好まれる傾向があり、資産形成に対する意識やマネーリテラシーも決して高くないといわれています。
しかし、子どもにマネーリテラシーを身につけるためには、家庭での金融教育が必要です。そのためにはまず私たち親世代が、学んでこなかった金融教育について理解を深めることが必須ともいえます。
子どもにマネーリテラシーを身につけさせるために
まずは、なぜマネーリテラシーを高めたいと思ったのか、なぜ子どもにお金の知識を持ってもらいたいと思ったのか、各家庭でその目的を明確しておくと金融教育が進めやすいのではないでしょうか。
また、マネーリテラシーを高めるためには、金融教育を子どもの「体験」につなげるとより理解しやすいかもしれません。
子どもが「お金に触れる」機会を活用する
実際にお金を使ったり、貯めたり、管理するという体験を通して、お金が生活に直結していることを実感すると、子どもにとってマネーリテラシーがより身近に感じられると思います。
スーパーなどでの買い物
普段の買い物のとき、商品の値段をチェックしたうえで選ぶことや、同じ商品でも店舗によって値段が異なることなどを、子どもに伝えることができます。
子どもにレジでお金を出させるのもよいと思います。実際にモノとお金を交換する体験を通して、お金の価値や意味を伝えることができるでしょう。
買い物は、欲しいものをすべて買うのではなく、お金には限りがあり、使い方を考えなければいけないことを学ぶよい機会になると思います。
お小遣いやお年玉の貯蓄
もらったお金を貯金することも、マネーリテラシーを身につけるための第一歩といえるのではないでしょうか。
お小遣いやお年玉を貯めるための貯金箱を準備し、一緒にお金を入れたり、いくら貯まっているのかを一緒に確認するのもよさそうです。子どもと一緒に銀行に行って、お金を預ける一連の流れを体験するのもよいかもしれません。
お金を貯めることの大切さや達成感、お金の管理方法や貯めたお金をどう使うかを考えることで、マネーリテラシーを身につけることができると思います。
大人が一方的に決めるのではなく「今回のお小遣いは使う?それとも貯める?」「目標金額はいくらにする?」など、子どもに問いかけ、考える機会をたくさん作ってあげるとよさそうです。
マネーリテラシーを高めるためのコツ
親子でマネーリテラシーを身につけるためには、正しいお金の使い方を知ることが必須です。
前出の金融広報中央委員会「知るぽると」には、以下のように書かれています。
・お金の使い方として、大切なことは、「価値の高い使い方」をするということです。
・収入には限りがあります。お金は、有限で貴重な資源です。あることにお金を使うと、他のことには使えなくなります。このため、他のことに使うよりも、高い価値(満足や効果)が得られる使い方をしなければ、見合わないことになります。
・お金は有限→「価値の高いお金の使い方」をしましょう。
これを元に大人も改めて子どもと一緒に「価値の高い使い方」について考えてみてはどうでしょうか。消費、寄付、貯金、投資…お金の使い方といってもさまざまな方法があります。
それぞれのお金の使い方の例を出して、「どんな使い方がしたい?」「この使い方は好きかな」など子どもに問いかけ、一緒に考えることは、大人のマネーリテラシーを磨くことにもつながるのではないでしょうか。
ママたちの「子どものマネーリテラシー」体験談
最後に、子どものマネーリテラシーを高めるためにはどんなことを伝える必要があるのかについて、ママたちに体験談を聞きました。
ママA
「人生ゲーム」などのゲームでお金についての知識を遊びながら深めたり、おこづかいやポイントを運用させることがマネーリテラシーを身につけさせることにつながると思います。
そのためには、親自身がしっかりとお金を管理・運用している姿を見せながら教えていくのがいいのではないでしょうか。
ママB
最近はキャッシュレス化が進んだこともあり、お金に対する価値観が変わりつつあるように感じています。
だからこそ、そもそもなぜお金が必要なのかを改めて考え、また日本以外の国のお金の価値観を知ることでちがいを知ることなどが大切だと思います。そのうえで、お金をどう考えるか、自分の考えを持たせる教育が必要なのかもしれません。
ママC
まずは大人が意識をしっかり持って、お金とどう向き合いたいかを考え、その姿を見せることが大事なのではないでしょうか。
自分もわからないから一緒に学んでいく、という姿勢を見せるのもいいと思います。
また、お金に関する知識は一度インプットしたら終わりではなく、常にアップデートし続け、トライアンドエラーを繰り返して自分に合ったやり方を見つけていくしかないような気もします。
ママD
日常生活の中で、子どもにお金の使い方をやさしくかみ砕いて伝えることは必要だと思います。お小遣い帳を子どもが自分でつけるのも効果的かもしれません。
親子で楽しみながら、少しずつマネーリテラシーを高めよう
子どもにお金について伝えることは、大人も自分のお金の使い方や価値観について改めて考えるいい機会になるのではないでしょうか。
近年、日本でも金融庁などによる金融教育の推進活動や現場での教育も始まり、今後、日本人のマネーリテラシー向上が期待されています。
家庭でも子どもにお金のことを伝え、大人も一緒に学びながら少しずつマネーリテラシーを身につけることができたらいいですね。
お金をうまく運用する能力、株や投資の知識などが思い浮かびます。