家庭でできる子どもへの「マネー教育」のコツと注意点

家庭でできる子どもへの「マネー教育」のコツと注意点

2022.06.14

2022年から日本の高校でも投資信託などの金融商品や資産形成などの教育が始まりました。家庭でも子どもにマネー教育をしようと考えているママやパパもいると思います。今回の記事では、子どもに伝えたいマネー教育について、コツや注意点について考えてみました。

これからの時代にマネー教育は必須

「人生100年時代」である今、そして不確実性が高くなりつつある今後の社会で生きていくためには、進学や結婚・出産などのライフイベントや老後の生活に必要な「お金」に対して不安を感じる人も多いようです。

 

そのため、子どもへのマネー教育の必要性や、これから起こりうる経済ショックや金融トラブルに対処できる大人になってほしいと考えるご家庭も増えているのではないでしょうか。

 

お金に対する知識を身につけることで、子どもが人生の選択肢を広げ、将来幸せになることにつながるのではないか、という親の気持ちがマネー教育への意識の高まりに表れているのかもしれません。

マネー教育
iStock.com/agrobacter

日本では投資より貯蓄が好まれる傾向があり、資産形成に対する意識や金融リテラシーも決して高くないといわれています。

 

金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査 2019年」によると、日本において金融教育の経験がある、もしくは金融教育を受けたと認識があるのは、わずか全体の7.2%です。

 

これは、アメリカの21%と比べると低い数字です。日本の現在の親世代は金融教育を受ける機会がほとんどなかったといってもよいでしょう。


出典:「金融リテラシー調査」( 2019年)金融広報中央委員会「知るぽると」


それでは、家庭での子どもへのマネー教育はどのように行えばよいのでしょうか。

マネー教育
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マネー教育の目的をクリアにする

まずは、子どもにお金の知識を持ってもらいたいと思った理由を考え、各家庭でのマネー教育の目的を明確にしておきましょう。

 

一般的な金融教育の目的は、子どもが経済的自立をするためにお金の動きや資産形成理解することです。これを踏まえたうえで、「お金の大切さを伝える」「お金のよりよい使い方を学ぶ」など、各家庭で子どもの年齢や性格によって目的を設定しておくといいのではないでしょうか。

 

子どもの成長に合わせて「税金など世の中のお金の仕組みを考える」「どんな金融商品があるかを知る」など、その都度目標を見直してみるのもいいかもしれません。


親も一緒に学ぶつもりで

子どもへのマネー教育の必要性は理解していても、自分が受けたことがない物事を子どもに伝えることにハードルの高さを感じるママやパパも少なくないと思います。

 

近年、マネー教育に関する書籍もたくさん出版されています。ネット上にもたくさんの情報があります。

一部、金融商品を勧めてくるサイトもあるので注意が必要ですが、具体的にどう子ども伝えたらよいのかなどマネー教育のヒントがたくさん書かれているので、調べてみるのもよいでしょう。

 

大人も1から学ぶつもりで、子どもと一緒に調べたり考えをまとめるとよいのではないでしょうか。


できるだけ実体験を交える

マネー教育を子どもの実際の「体験」につなげると、より理解がしやすくなります。

 

スーパーなどでの買い物で子どもにレジでお金を出させることや、お小遣いやお年玉などもらったお金を貯金箱に入れること、銀行に一緒に行ってお金を預ける一連の流れを見せるのもマネー教育につながると思います。

 

実際にお金を使ったり貯めたり管理する体験により、お金が生活に直結することが子どもにわかりやすく伝わるでしょう。

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マネー教育の注意点は「少しずつ伝えること」

子どもへのマネー教育は、一気にたくさんのことを伝えるのではなく少しずつ進めていくとよさそうです。

 

金融広報中央委員会が運営する「知るぽると」の「学校における金融教育の年齢層別目標」によると、以下のような目標で金融教育を進めています。

 

【小学校低学年】対象:2年生(道徳)

 

目標「ものやお金の価値を知り、大切にする」「欲しいものはすべて手に入れることはできないと知る」

 

【小学校中学年】対象:3、4年生(社会)

 

目標「ものやお金には限りがあることやお金の大切さを理解する」

 

【小学校高学年】対象:6年生(家庭科)

 

目標「ものやお金には限りがあることを理解し、よりよい使い方を考える」

 

このような「お金を知ることやお金で得られることを伝え、その次にお金の大切さや使い方を考える」という伝え方の順序は、家庭でのマネー教育の参考にもなるのではないでしょうか。

出典:金融教育プログラム「学校における金融教育の年齢層別目標」【改訂版】/金融広報中央委員会「知るぽると」

マネー教育
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マネー教育の体験談

実際に子どもへのマネー教育をしていたママたちに、学んだことや気づいたことについて話を聞いてみました。

ママA
ママA

自分がマネー教育を受けたことがなかったのでなにから始めたらよいのか最初は戸惑いましたが、子ども向けの書籍を読みながら説明することで、自分自身の勉強になったような気がします。

ママB
ママB

マネー教育の一貫として6歳の子どもにお小遣い帳の書き方を伝えましたが、なかなか継続して記録をつけることができませんでした。

 

自分も家計簿などがつけられないタイプなので家計簿管理アプリを使ったら継続して記録をつけられたので、子どもにも私のスマホにダウンロードしたお小遣い管理アプリで記録をつけさせたらうまくいきました。

 

お小遣い帳をつけることで「なんとなくお金を使う」という習慣がつかなかったのでとてもいいと思いました。

ママC
ママC

子どもへのマネー教育のために、まずは夫と私の金銭感覚をすりあわせることから始めています。

 

そもそもお金ってなんだろう、なぜ使いすぎないようにするんだっけ、と改めて考えるきっかけになっています。

 

投資や株についても、少しずつ子どもと一緒に勉強していきたいと思っています。

ママD
ママD

株やFX、長期信託という言葉を聞くようになって、子どもにそれらを説明するために、まずは自分が知るべきだと考えてメリットデメリットなどの概要を学びました。

 

また、ボードゲームの「人生ゲーム」はお金持ちになったり、倒産や結婚などを疑似体験できるので、子どもと一緒に遊ぶマネーゲームとしておもしろいと感じます。

ママE
ママE

夫婦ともにお金の知識に自信がないので、子どもにはしっかりとした金銭感覚を身につけてほしいという思いから、幼児期から家庭で簡単なマネー教育をしています。

 

子どもが小学生高学年になって思うのは、子どもが柔軟な幼児期のうちに親が意識的にマネー教育をすれば、子どもはまっとうな金銭感覚を持つことができると感じています。

 

「三つ子の魂百まで」の言葉どおり、幼少期のマネー教育の大切さを痛感しています。

マネー教育をきっかけに視野を広げよう

マネー教育
iStock.com/kazuma seki

日本でも金融庁などによるマネー教育の推進活動が始まり、実際に教育現場でのマネー教育が始まっていて、今後さらに日本人の金融リテラシーが向上することが期待されています。

 

子どもへのマネー教育を通して大人も一緒に学んでいるという家庭は多いのかもしれません。

 

親子で楽しみながらマネー教育によって知識を身につけ、よりよい生き方を選択できるようになったらよいですね。

2022.06.14

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