現金を知らずに金銭感覚は身につく?キャッシュレス時代のマネー教育

現金を知らずに金銭感覚は身につく?キャッシュレス時代のマネー教育

2022.04.26

今やお財布を忘れても、スマホでお買い物ができる時代。QRコードに電子マネー、クレジットカードなど、キャッシュレス決済は日常に溶け込みつつあります。もはや「お金=現金」の認識を持たない子ども世代を見て、「実際の現金を知らないで適切な金銭感覚は身につくもの?」と不安に感じることはありませんか。そこで、キャッシュレス時代に家庭でできるお金教育について考えていきます。

キャッシュレス化がお金教育にもたらす影響

何らかのキャッシュレス決済を導入している店舗は、今や全体の約7割。保護者が現金を使用する場面を見たことのない子どももいるかもしれません。

参考:経産省 キャッシュレス決済実態調査アンケート結果

さらにはコロナ禍の影響で、子どもに物理的な接触の少ないICカードを現金替わりに持たせる保護者も増えました。

現金になじみのない子どもたちにとっては、「〇〇ペイ」などの電子決済の名前のほうが現金よりも身近な存在でしょう。お札や小銭の使い方がわからない、おつりの存在を知らない、という子どもも珍しくありません。

家庭でできるキャッシュレス時代のマネー教育

今後キャッシュレス決済のさらなる拡大が予測されるなか、保護者は子どもに現金の使い方を教えるべきなのでしょうか。それとも、キャッシュレス時代には現金以外の方法でお金の感覚を身に着けさせるのがよいのでしょうか。

いずれにせよ、子どもには適切な金銭感覚を身に着けてほしいもの。家庭でどのようなお金教育ができるでしょうか。

・保護者自身がキャッシュレス決済を学ぶ

まず大前提として、保護者自身がキャッシュレス決済の仕組みを知っておく必要があります。

そもそも、キャッシュレス決済にはどんな種類があるでしょう。現在主に使われているのは、クレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイド)、スマートフォン決済(QRコード)です。

その仕組みやそれぞれの決済方法のメリット・デメリットをのちほどまとめますので、そちらもご参照ください。

 
※写真はイメージ(iStock.com/Asia-Pacific Images Studio)

・子どもの理解度や個性を把握する

子どもはどのくらいお金のことを理解しているのでしょう。たとえば、お札や小銭の種類を高い順から安い順に並べて、と言ったら正しく並べ替えられるでしょうか。

また、お金を与えたとき喜んですぐに使うのか、それともよく考えてから使うのか、子どもによって反応は異なるでしょう。

子どもの理解度を確認せずにむずかしい話をしても、咀嚼できないまま忘れ去られてしまいます。保護者が知るべきは、子どもがお金をどの程度理解し、どのように捉えているのか。普段の言動や子どもへの投げかけで確認していきましょう。

また、ICカードやスマートフォンなどを買い物に使うのは、それらのツールの使い方をある程度理解できるようになってからが望ましいでしょう。まずは「見えるお金=現金」を使うことで、お金の増減を物理的に理解し、感覚を養うことをおすすめします。

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キャッシュレス決済のメリット・デメリット

子どもがキャッシュレス決済を利用するにあたって、そのメリットとデメリットを伝えておきましょう。


キャッシュレス決済のメリット

・会計が素早く済む

現金を財布から取り出し、おつりをもらう手間がないのでスピーディに会計が終わります。

・物理的な接触が少ない

現金の授受では手と手が触れ合う可能性もあるので、コロナ禍では現金支払いではなくキャッシュレス決済が推奨されました。

 
※写真はイメージ(iStock.com/AsiaVision)

・お金の流れが記録されている

電子マネーの購買履歴を一緒に見る時間を取れば、子どものお金の使い道を把握でき、子どもも何にいくら使ったか振り返ることができます。

・ポイント還元される場合がある

すべてではありませんが、キャッシュレス決済の中には利用金額の数パーセントをポイント還元してくれるサービスがあります。現金よりもお得な場合があります。


キャッシュレス決済のデメリット

・使いすぎる可能性がある

プリペイド型であれば残額がなくなれば使えなくなりますが、後払いタイプの場合は好きなものを無限に買える感覚を持ってしまうかもしれません。

子どもがキャッシュレス決済を打出の小槌と勘違いしないようあらかじめ教えましょう。

・無くした時に不正利用される可能性がある

子どもがICカードやスマホを紛失したり盗難されたりした場合、悪用される可能性があります。

肌身離さず携帯し、万が一無くしてしまったら隠さずすぐに報告するよう伝えておきましょう。

・現金しか使えない店がある

記事冒頭で伝えた通り、キャッシュレス決済の導入店舗は約7割。裏返せば約3割の店舗は現金しか使えないということです。

子どもには、現金しか使えない場面もあることを教えておくのがいいでしょう。

子どもとキャッシュレス決済のエピソード

 
 

習いごとで電車移動するため、子ども用に交通系ICカードを作りました。

あるときから自動販売機やコンビニで買い物ができることを覚えてしまい、電車を降りるときに残金不足で改札を通れず、駅まで迎えに行ったことがあります。子どもにICカードを渡す際に、仕組みを教えるべきだったと反省。

その後は念のために、必ず500円だけお財布の中に入れるようにしました。

 
 

私自身がキャッシュレス派なので、息子はクレジットカードを「なんでも好きなだけ買えるカード」だと思っているふしがあります。

子どもたちにはクレジットカードの仕組みやリボ払いのおそろしさ、そして仕事をしてもらったお金が銀行になければこのカードは使えないことをくり返し教えています。

 
 

私自身まだあまりキャッシュレス決済を使っておらず、子どもにも使わせたことはありません。

ただ息子が塾に通うようになると交通系ICカードを渡す必要があるので、そのときにはきちんと説明してから使わせるようにしたいです。

親子でキャッシュレス決済の仕組みを理解しよう

現金に比べて利便性の高いキャッシュレス決済。今後もますますの拡大が見込まれますが、現金を知らない子どもたちにも適正な金銭感覚を身につけてほしいもの。

利便性とその裏にあるリスクを正しく把握して、親子でキャッシュレス決済をうまく活用していきましょう。

2022.04.26

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