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住宅資金を贈与されたときの非課税の手続き。申告に使う添付書類
110万円の基礎控除と非課税の特例の併用
住宅資金の贈与を受けると非課税の手続きをどのように行うのか気になるママやパパもいるかもしれません。今回の記事では、戸建てやマンションの購入資金を贈与してもらったときの非課税額や申告をする時期と添付書類、110万円の基礎控除や消費税について、ママやパパの体験談と国税庁の資料をもとにご紹介します。
贈与された住宅資金は非課税にできる?
住宅購入のための資金を贈与してもらった場合、贈与税が非課税になる制度は利用できるのでしょうか。贈与を受けた経験のあるママやパパに聞いてみました。
「私は父から住宅資金を贈与してもらいました。直系の親族から贈与された場合は非課税の対象になると聞いたので、非課税制度を利用しました」(30代ママ)
「私はマンションを購入するときに祖父から住宅資金の贈与を受けました。非課税制度を利用するためには私の年収が関係あるということでしたが、調べてみると所得が制限内だったので非課税の特例を申告することができました」(40代パパ)
国税庁の資料によると、父母や祖父母などの直系親族から住宅資金を贈与されたときに、非課税限度額までの金額の贈与税が非課税になる制度を「非課税の特例」というようです。
非課税の特例を利用するためには、贈与者が直系の父母または祖父母であることや贈与を受ける人が20歳以上であることとされています。
また、贈与を受ける人の年収が2000万円以下であることも条件の1つのようです。この制度には他にどのような条件があるのでしょう。
贈与された住宅資金が非課税になる金額や条件
住宅資金を贈与された場合、非課税になる金額は購入する家屋の種類や契約をした年月日によっても異なるようです。贈与してもらった金額がいくらなら非課税になるのかなどを、国税庁の資料をもとにまとめてみました。
非課税限度額について
非課税限度額とは住宅資金として贈与された金額にかかる贈与税が非課税になる金額のことで、贈与を受けた人が新築や購入をする家屋の種類と契約の締結日によって違いがあるようです。
国税庁の資料では制度の対象になる家屋の種類は省エネ等住宅とそれ以外の住宅の2種類があり、省エネ等住宅の非課税限度額はそれ以外の住宅に比べて500万円ほど高くなっています。
省エネ等住宅とは、省エネ等基準に適合する住宅のことで、書類での証明が必要になるようです。
では非課税の特例が適用される契約の締結日とはどのようなものなのでしょう。
契約締結日による非課税限度額
国税庁の資料によると契約締結日とは家屋の新築や取得に係る契約を締結した日のようです。
締結日は平成32年3月31日までの期間と平成32年4月1日から平成33年3月31日、平成33年4月1日から平成33年12月31日までの3つの期間に区切られており、期間ごとの非課税限度額に違いがあるようです。
非課税の対象となる受贈者の条件
国税庁の資料によると、非課税の特例を利用するための受贈者の条件は、
・贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得資金の全額を充てて住宅用家屋の新築や購入をする。
・贈与を受けた年の翌年の3月15日までに新築または購入した家屋に住むこと。遅れた場合はその家屋に住むことが確実であると見込まれること。
などがあるようです。この他に親族など特別な関係の人との契約で新築や購入をするものではないことなどの条件もあるそうです。
非課税の対象となる家屋の条件
非課税の特例を利用するための家屋の条件については、
・建築後使用されたことのない住宅用の家屋
・建築後使用されたことのある住宅用家屋で、取得した日以前の20年以内に建築されたものであること。
などがあるようです。新築の家屋や購入するマンションの条件には、この他に登記簿上の床面積や受贈者が居住する床面積などもあるそうです。
住宅資金贈与の非課税の手続き
住宅資金を贈与されたときに非課税制度を利用するために、どのような手続きをするとよいのでしょう。ママやパパの体験談と国税庁の資料をまとめてみました。
申告の期間
「私は1月に父から住宅資金の贈与を受けたので、翌年の2月の確定申告のときに非課税の特例を受ける手続きをしました。贈与されてから1年以上経ってからの申告なので、忘れることのないように手続きをしました」(30代ママ)
住宅資金を贈与されたときの申告は、贈与された翌年の確定申告の期間におこなうことになるようです。
贈与の契約書が12月31日付けの場合は申告まで日数がないので、早めに準備をするとよいかもしれません。
手続きをするときに用意するもの
「贈与税の非課税制度の手続きでは、非課税の特例の適用を受けるための贈与税の申告書の他に、添付書類として戸籍謄本などを取り寄せました。申告書はわからない点を聞くために直接税務署に行ってもらってきました」(30代パパ)
国税庁の資料によると、非課税の申告には添付書類が数通必要になるようです。
戸籍謄本の他には登記事項証明書、住宅新築やマンション購入などの契約書の写しなどがあり、作成した書類は申告書といっしょに管轄の税務署に提出することになっているそうです。
また、個人番号などを記載した申告書を提出する際は、本人確認のための添付書類も必要になるとされています。
手続きの方法
「贈与税の非課税制度の手続きは住所のある市区町村の税務署で行なうそうですが、仕事で行く時間がなかったので郵送で手続きをしました。税務署の所在地を調べ、郵便局の窓口で発送の手続きをしました」(40代パパ)
非課税の特例の手続きは住んでいる市区町村の税務署で行う方法の他に、郵送やインターネットを使う方法もあるようです。
国税庁のホームページで税務署の所在地を調べることができるので、住所を確認して郵送するとよいかもしれません。
贈与を受けるときのポイント
住宅資金の贈与を受けるときには、どのようなことをポイントにするとよいのでしょう。ママやパパに意識したことなどを聞いてみました。
110万円の基礎控除と非課税の特例の併用をする
「住宅資金を贈与された場合は、非課税の特例と年間110万円の基礎控除を併用することができました。住宅の新築に費用がかかるので、父に非課税限度額に110万円をプラスした金額を贈与してもらえました」(30代パパ)
住宅新築やマンションの購入などの場合、特例の非課税限度額と110万円の贈与税の基礎控除を併用することができるようです。
国税庁の資料を見ると、贈与された金額から110万円を差し引いた金額で贈与税を計算することになっています。
消費税率に気をつける
「消費税が上がると非課税限度額上がるもようなので、住宅を新築する時期やタイミングをどのようにするか考えています。住宅資金の贈与を受けてから住宅に住むまでの期間が決められているので、贈与を受ける契約日についても気をつけようと思います」(30代ママ)
国税庁の資料によると消費税率が8%の場合と10%場合とでは非課税限度額に違いが出るようです。
10%になると住宅の購入にかかる費用が増えることもありますが非課税限度額も上がるので、住宅資金の贈与をいつ受けるとよいか、家族で検討してみるとよいかもしれません。
住宅資金の贈与を受けたときは非課税の申告をしよう
住宅資金の贈与を受けた場合、翌年の確定申告で非課税の手続きを行なうことになっているようです。
住宅を新築する場合もマンションを購入する場合も、申告に必要な添付書類はしっかり準備をしておくとよいかもしれません。
住宅資金の贈与を受けるときは110万円の基礎控除や消費税率による非課税限度額のことなどもあわせて考えられるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2019年3月19日時点で作成した記事になります。