安定期といわれる妊娠7ヶ月、妊娠26週目はお腹の重さや、胎動をはっきり感じて赤ちゃんの成長を嬉しく思う場面が増えるかもしれません。この時期の妊婦さんの体調や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠26週は一般的に安定期とよばれる妊娠7ヶ月の3週目です。
安定期といわれる妊娠7ヶ月、妊娠26週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
安定期といわれる妊娠7ヶ月、妊娠26週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
妊娠26週は、健診で赤ちゃんが平均より小さい、大きいなどと言われることがあるでしょう。赤ちゃんの大きさに個人差が出てくる時期なので、あまり気にする必要はありません。何かあれば、かかりつけ医から指導がある、と思っておくとよいかもしれません。
妊婦さんの2~5%は妊娠糖尿病になるといわれています。
妊娠26週、妊娠7ヶ月のころは、ホルモンの影響を特に受けやすいため、妊娠24~28週の間に妊娠糖尿病になっていないかを調べる妊娠糖尿病検査を行うことが勧められています。
高血糖は出産後におさまることがほとんどですが、出産や胎児にリスクをもたらすことがあるため注意が必要です。
寝ると下半身から心臓に戻る静脈を大きなお腹が圧迫するため、息苦しさを感じるようです。抱き枕を使ったり、身体の向きを左下にして横向きで寝そべると少し楽に寝られるかもしれません。
脳と聴覚が発達するので、この時期の赤ちゃんは外部からの音もしっかり聞こえています。
ママの好きな音楽を心地よい音量で聞いたり、ママだけでなくパパも積極的話しかけてみましょう。このくらいの時期から絵本の読み聞かせやクラシック音楽を聞かせるなどの胎教を始めるママやパパもいるようです。
里帰り出産を考えている妊婦さんが帰省をするのは、一般的に妊娠30週くらいからが多いようです。
仕事の都合があったり、パパを1人にする時間が長くなることが気になるママもいるかもしれませんが、赤ちゃんは予定日に必ず生まれるわけではなく、日にちが早まることもあります。里帰り出産を考えている人は、早めに準備や段取りを整えておくとよいでしょう。
妊娠線は、ホルモンの量が変化することや、皮膚の伸びが原因でできます。お腹が大きくなると、お腹の皮膚が急激に伸び、皮膚の内側が伸びるスピードについていけずに切れて裂けると妊娠線になります。
日常的に妊娠線専用のクリームやオイルでマッサージ、保湿をすることが大事です。下腹部や、乳房、太ももは特に赤い妊娠線ができやすいので注意が必要です。後期になると妊娠性皮膚搔痒などの肌トラブルを抱える妊婦さんも増えるので、この時期から全身の保湿をしっかり行うようにしましょう。
ホルモンバランスが変化することで、妊娠中は歯のトラブルを起こしやすくなります。また妊娠中は、体内の血液量が増えるため、歯茎が腫れたり、炎症を起こし出血するなどの口内トラブルが増えます。
一見妊娠とは関係ないようですが、口内環境の悪化をそのまま放っておくと早産や低体重児といったリスクとなる可能性があります。
食後は毎回歯磨きを徹底し、虫歯や口内トラブルはしっかり治療することが大事です。体調が優れず、歯磨きをするのが難しいときには、うがいをしたり、シュガーレスのガムを嚙むなどして口内環境に気を配りましょう。
妊婦さんは高血糖に注意が必要な一方、空腹が続くと低血糖にもなりやすい状態です。低血糖になると、めまいや倦怠感などを感じるようになります。お腹が空いたら一気に食べるのではなく、少量を数回に分けて食べるようにして、血糖値を一定に保つことが重要です。
妊娠7ヶ月である妊娠26週は、赤ちゃんの発達が目覚ましい時期で赤ちゃんの身体もぐんぐん成長しています。一方でこの時期の赤ちゃんの大きさは平均より小さかったり、大きかったりそれぞれ個人差が出てきますが、それも赤ちゃんの個性。かかりつけ医から指導がない限りは心配しずぎずに過ごしましょう。
一般的に安定期といわれている妊娠7ヶ月の妊娠26週ですが、お腹や胸が大きくなり、腰痛や肩こりなどの症状に悩まされたり、仰向けに寝るのがつらいなどのマイナートラブルに悩まされるママも少なくありません。適度に休憩をとりながら、体調が悪いときは無理せず休むことが大切です。
また妊娠後期に入る前、安定期といわれるこの時期に、虫歯や口内トラブルの治療をしたり、口内環境を整えるよう意識しましょう。
妊娠26週目のころは、洋服の上からお腹に手を触れても胎動が感じられる人もいるでしょう。赤ちゃんは聴覚が発達し、外部からの音や声が聴こえるようになっています。パパといっしょに話しかけたり、音楽をきかせたりお腹のなかの赤ちゃんとたくさんコミュニケーションをとってくださいね。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2019年06月28日
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