2歳の子どもが熱を出す理由と、熱が出る前の兆候をご紹介します。また、熱があるけれど、元気なときに病院に連れていく目安や、熱が下がらないときの対処法、解熱剤(熱さまし)、再受診の目安などもあわせて、おひさまクリニック院長の小児科医、金高太一先生の監修のもと解説します。
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2歳児の発熱は、風邪や感染症のウイルス、細菌が原因のことがほとんどです。気温が高いときに水分をあまり摂らなかったり、帽子などの対策をせずに日光の下で長時間過ごすと熱中症で熱が上がる場合があります。
1日のなかでも、朝より夕方~夜の方が高熱を出す傾向があります。朝に体温を測ったときに熱がないから大丈夫だと思わず、前日の夜の体温や、子どもの様子をきちんと把握しておくことが大切です。
2歳くらいの子どもは、体調が悪いことを言葉で上手く伝えられず口数が少なくなったり、ママやパパから見て、いつもとなんだか違う様子のあとに発熱することがあります。
しかし2歳児の多くは、いやいや期と呼ばれる時期で、普段からよく泣く子どもも多いため、ぐずることが増えても、子どもの熱や体調不良に気づいてあげられないこともあるかもしれません。ママやパパが普段から冷静な目線で子どもの様子をよく観察することが大切です。
ママやパパなどからの声かけに何度か呼びかけないと気づかない、返事が返ってこないなど反応が鈍いときは熱が出る前触れかもしれません。ほかにも視線が合わず、目がうつろでぼーっとしている時間が長くなったり、寝そべる場面が多く見られるときには子どもの熱に注意が必要です。
いつもは泣かないようなちょっとしたことで泣いたり、ずっとぐずっているとその日の夜や次の日に熱が出たという経験をしているママも多いようです。
2歳児くらいだと、寒気を感じていたり、だるさなど体の不調をうまく言葉にするのは難しい子もいるでしょう。体の違和感が不安になってママやパパにくっついたり、いつもは自分でできることもママやパパにやってほしいと甘えてくることが熱が出るサインかもしれません。
いつも食べている食事の量が食べられずに残したり、食べるペースがいつもよりだいぶ遅いときにはこれから熱が出る兆候かもしれません。食事がなかなか進まなくても、せかしたり、無理に食べさせようとせず子どものペースで食事を進め、熱を測るなど様子をみましょう。
大人の一重の人でも、疲れや寝不足が続くと目が二重になることもありますよね。子どもも体調がすぐれないときや、発熱の前に目がぱっちりと二重になったり、体に変化があらわれる場合があるようです。子どもの変化を見逃さないようにしましょう。
熱があっても、子どもの機嫌がよくて、水分や食事がとれている、発熱以外の症状がひどくなく元気なときにはすぐに病院を受診せず、様子をみてもよいでしょう。
反対に、熱が高くなくても水分がとれなかったり、ぐったりしていて元気がない、尿が出ないときには夜間でも病院を受診しましょう。2歳児くらいだと、急激な発熱で熱性けいれんを起こす可能性もあるので注意が必要です。
子どもの熱の高さではなく、子どもの全身状態で判断することが大切です。夜間や休日などすぐの受診を悩む場合には、小児救急相談#8000に電話して指示を仰ぐのもよいでしょう。
2歳の子どもが発熱したときの対処法をご紹介します。
発熱時は、脱水症状に気をつけましょう。汗や尿、唾液など、いつも通りに出ているか、よく観察しましょう。
熱で汗をかくと体の水分が失われやすくなるので、こまめな水分補給が大事です。幼児用イオン水や食塩とブドウ糖混合の経口補水液は体内への吸収がよいので発熱時に適しています。
子どもがぐったりして水分をとりたがらないときには、シャーベットや果物でもよいですが、体が冷えて下痢をする可能性もあるので注意しましょう。
手足が冷たいときは、これから熱が上がるサインです。子どもが寒がっていたり、震えているときには少し厚着にして体を温めましょう。毛布など使いすぎると熱がこもって上がりすぎることもあるので、様子をみながら足してみて下さい。
反対に、熱で暑がっているときには衣類を1枚脱がせて薄着にしたり、タオルで包んだ保冷剤で首や脇、足の付け根などに挟んで体を冷やすのがおすすめです。身体を冷やすのを嫌がるときには、エアコンを上手に使って温度調節をしてもよいですね。
熱があるときには食欲が落ちるものです。無理に食事をさせず、おかゆやうどん、豆腐やバナナ、ゼリーなど消化がよく、子どもが食べたいものを食べさせましょう。
子どもの熱が下がってきたら、野菜スープや雑炊などで栄養をとるのもよいでしょう。
入浴は体力を使い、熱をあげます。また、入浴後は汗をかきすぎると脱水症状が起こるかもしれないので、発熱時に湯船に浸かるのは控えましょう。
熱があっても、食欲や元気があるときにはシャワーを浴びる程度なら大丈夫です。咳や嘔吐があったり、ぐったりしているときは入浴は控え、汗をかいているときには濡れたタオルで汗を拭きましょう。
子どもの熱が下がらないで苦しんでいると心配になりますよね。早く熱を下げたいと思って解熱剤(熱さまし)を考えるママもいるかもしれませんが、発熱したからとすぐに解熱剤(熱さまし)を使わないようにしましょう。
高熱で水分や食事、睡眠がとれないときに解熱剤(熱さまし)を使います。解熱剤(熱さまし)は、一時的に熱を下げて身体を楽にすることはできますが、病気の根本を治すことはできません。
また、おひさまクリニック院長、金高先生は解熱剤(熱さまし)は、1度使ったら次の使用まで、間隔を4~6時間以上あけるなど使用方法を守ることが大切だと進言されています。
処方薬を飲んで、すぐに元気にはならないとママやパパも心配になるかもしれませんが、服用してもすぐには効かない場合もあります。かかりつけ医の指示どおり、薬は続けて飲んで、安静にすることが大切です。
しかし、3日以上熱が続く場合は、元気であってもほかの病気に感染している可能性もあるので、病院の再受診が必要です。水分が取れない、おしっこが出ないなどのときも病院を受診しましょう。
子どもの熱が下がらないときや、熱が続くと不安になりますよね。
2歳くらいの子どもは、だるさや、関節痛など体調不良を言葉で伝えることがまだまだ難しい時期ですよね。特に2歳の子どもはいやいや期と呼ばれる時期で、普段からよく泣く子どもも多いため、ぐずることが増えても子どもの熱や体調不良に気づいてあげられないこともあるかもしれません。
熱が出るときには、ぼーっとしていて反応が鈍かったり、いつも以上に甘えてくる、食欲が落ちるなど、普段と違う様子が見られることがほとんどしょう。子どものちょっとした仕草や姿をよく観察して発熱のサインを見逃さないことが大切です。
熱が下がらないせいで子どもがつらそうだからとすぐに解熱剤(熱さまし)を使うのは控えましょう。解熱剤(熱さまし)は、熱で子どもが水分や睡眠をとれないときに使うようにして、衣服の量や保冷剤などで温度調節をするのがベストです。
子どもの熱がさがるように、まず適切なホームケアで対処しましょう。
金髙太一(おひさまクリニック)
おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。
子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。
2018年09月22日
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