【木下ゆーき氏に聞く!】子育ての孤独やイライラを笑いに変える発想の転換術

【木下ゆーき氏に聞く!】子育ての孤独やイライラを笑いに変える発想の転換術

「KIDSNA TALK」第3弾はSNSフォロワー数35万人以上の子育てインフルエンサーの木下ゆーき氏(@kinoshitas0309)をお迎えして、子育て動画を配信したきっかけ、シングル子育てのつらかったことベスト3、気になる奥さんの反応などについてトークします。

KIDSNA TALK
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加藤
木下さんはSNSでユーモア溢れる子育て動画を発信する活動をされているわけですが、まず、現在のような活動にいたるきっかけをお教えください。
木下ゆーきさん
僕自身、とくに子どもが幼かった頃は、子育てをしていてすごく孤独感に苛まれることがありました。たとえば、夜中の寝かしつけに2時間かかって、やっとの思いでSNSをひらくと、独身の友だちがビールジョッキ片手に「イエーイ」とやってる写真を見た瞬間。

それで、今、子育てをしてるパパやママが育児に疲れて夜中にSNS開いたときに、くすっと笑えるコンテンツを提供できたらなという思いで、笑いを交えた子育て情報を発信しているんです。
加藤
当時、虐待のニュースを見て他人事とは思えなかったという話もありましたよね。
木下ゆーきさん
はい。ある虐待のニュースを聞いたとき、当初は「なんてひどいことする親なんだ」と思ってしまったのですが、虐待された子どもが生後11カ月の三つ子だったと知って、「同じ立場なら僕もやってしまったかもしれない」と思いました。

そこから「虐待は何故起きるんだろう」と調べ始めたら、育児ノイローゼや産後うつが原因で起こる場合もあると知って。だったらちょっとでも子育てに悩んでいる人たちをくすっと笑わせることでラクに出来たらいいなと思って、笑いを交えた形にしようと。
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加藤
木下さんのオムツ動画を初めて拝見した際はコロナ禍で心が疲れていたので、なにも考えずにクスっと笑って、すごく救われました。私の子どもはもう大きいので、当事者目線ではないのですが、それでも共感できたし面白くて夢中になりました。当時子育てしていた人たちはもっと救われるんだろうなと思います。
木下ゆーきさん
実際コメントでも「子育てで疲弊していたんですが久々に笑いました」というコメントをもらって僕も嬉しかったし、感動してうるっときちゃいました。
加藤
SNSを始めた当初、ここまで影響力が出ると思っていましたか?
木下ゆーきさん
それは全く思ってなかったですね。オムツ動画をきっかけに僕のこと知ってくださった方は多いと思いますが、「おもしろオムツ動画をやってみよう」と思って始めたわけじゃなく、普段からああいう感じでオムツ替えしていて、その1コマを切り取って載せただけなんです。

狙っていたら、汚い部屋で髪もボサボサで、おまけにスウェットをインしてやってないですよ(笑)。だから僕としては、「こんな普段のありまままの木下ゆーきを見て笑ってくれる人がいるんだ」と驚きでした。
加藤
ありのままだからこそよかったんでしょうね。見る側が勇気をもらったり、心が軽くなったりするのももちろんですが、木下さん自身さまざまな反響をもらったことでなにか影響はありましたか?
木下ゆーきさん
僕自身、「こういう大変なことあるよね」「一緒に子育てをしてるんだな」という共感を届けたいと思っているので、子育てをしている人からコメントをもらうことで、「僕もひとりじゃなくみんなと同じように子育てしてるんだな」とあらためて思えるのですごく助かってます。
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加藤
木下さんはかつてシングルファザーだった経験もあるからこそ、育児のつらさをよくご存じで、だからこそ読者の方から共感を得ていると思うのですが、シングルファザー時代苦労した、つらかったことベスト3を教えてください。
木下ゆーきさん
3位は、子育てと仕事の両立ですかね。
加藤
もともと大道芸のお仕事をされていたそうですが、当時もそのお仕事だったのですか?
木下ゆーきさん
もともと15歳から大道芸を始めて、19歳の時に大学を中退して上京してお笑い芸人になったんです。

芸人時代に結婚して長男が生まれ、長男が2歳になってすぐの頃に別居して、実家のある名古屋に戻って会社員になったんです。なので、当時は会社員をやりながら子育てをしていました。
加藤
会社員は勤務時間も決まっているし、幼い子どもをひとりで育てるとなると大変ですよね。
木下ゆーきさん
本当に大変でした。子どもが発熱して、保育園からお迎えコールがかかってくると、電話の画面を見るだけで、「あ、どうしよう」となるじゃないですか。

あれがすごくつらかったので、途中から保育園の登録名を“新垣結衣”に変えてました。一瞬だけドキっとできて、「ガッキーから電話きた!」って優越感に浸れるから。そのあとは何も変わらないんですけどね(笑)。
加藤
それはかかってくるのがちょっとだけ楽しくなりますね(笑)。当時の会社は子育てに理解はありましたか?
木下ゆーきさん
そうですね。ただ理解してくださっていても、こちらは申し訳ない気持ちがあってつらかったですね。
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木下ゆーきさん
2位は、シングルで子育てをしていることで、子どもに寂しい思いをさせているのかなという感情はやはり心のどこかにあって。それはつらかったですね。

保育園の参観日に子どもが歌う場面があり、そのときの曲が「♪ママ、かわいいママ」みたいな歌詞で。2番は「パパ」なんですけどね。それを歌っている姿を見た時に、ママがいないのにママの歌をうたわせていることが申し訳なくて、胸がギュンとなることもありました。
加藤
当時のことをお子さんと話したりしますか?
木下ゆーきさん
子どもには何故シングルになったかは隠さず全部話しています。なので子どもの不安は聞き取れているつもりでいましたし、逆に僕の申し訳ないという気持ちも極力伝えてはきました。
加藤
なかなかオープンにしづらい点をしっかり話せるのは、いい関係を築かれてる証拠ですね。
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木下ゆーきさん
1位はたぶんシングルかどうかは関係なく、どこのご家庭も同じ悩みがあると思いますが、イヤイヤ期が一番大変でした。

うちの息子はあまのじゃくタイプで、「ご飯食べて」と言うと食べない。「じゃあもう食べなくていいよ」とお皿をさげたら「食べる」って言うんですよ。「じゃあどうぞ」と出したらやっぱり食べない……その繰り返しで、もう「うわーっ!!」てなっちゃって。

よくないことですが「じゃあ食べなくていい!!」って大きい声で言ってしまったら、子どもはビックリして泣き出して、その泣き顔を見て「申し訳ないことしてしまった」といったん落ち着いて、今度は「お父ちゃん頑張って作ったんだよ。分かんないかな?」と言ったら「分かる」と。「じゃあ食べてね」って出したら、泣きながら「食べないー!」って結局エンドレスで。
加藤
うちは行動に関しては逆のことをするというのはありましたが、食事に関しては食いしん坊だったから一切なくて、今のお話を聞くとかなり大変ですね。
木下ゆーきさん
大変ですよ。でも途中から「最初から逆のことを言えばいいんだ!」と分かってきて。お片付けしてほしいときは「お片付けしないでね!絶対にお片付けしないでね!」って言うと急いでお片付けし始めるんですよ。そこで「お片付けしないでよー!」と泣くような演技をしながら心の中でガッツポーズしたり(笑)。
加藤
そういう攻略法を見つけると、自分の心の余裕もできますよね。その思考の転換力はどこから出てきたんですか?
木下ゆーきさん
経験しかないんじゃないですかね。万人に通用する子育て法なんてものはないし、実際僕も壁にぶつかって、じゃあこうやったらどうだろう、こうしてみようと試してみたのがたまたまハマっただけであって。瞬間瞬間に深く考える余裕なんて実際の子育てしていたらないですよね。
加藤
ただ、経験しても、そこで発想の転換が出来なくてみんな悩んでるんですよね。木下さんみたいに、自分の中で面白くするほうに考えられなくて、だんだん全部うまくいかなくなってどん詰まりになってしまう。だから発想の変え方をお手本にして、自分に合う方法がうまく見つかるといいなと思いました。
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加藤
子育て本はあまり読まなかったというお話もありましたが、何故ですか?
木下ゆーきさん
子育てに限らず「こうあるべき」と上から言われるのがもともと苦手で、育児本は結構負担になると思って読むのやめたんです。

本だけじゃなく、今ってSNSの情報、先輩ママからの情報、自分の親からの情報など情報が溢れていて、情報が苦しくなってしまうことがあると思っています。だから僕は「マイペースでいいじゃん」というメッセージを込めて、笑って、構えずにラクに読める本を届けたいなと思って作りました。
加藤
私も子どもが幼い頃は、色んな情報に触れすぎて「親だからこうじゃなきゃいけない」と自分で勝手にルールをたくさん作ってしまっていました。子どもが結構大きくなってくるとそれはなくなったんですけど、当時木下さんの本を読んでいたら、「もっと気を抜いていいんだ」と思えただろうなと思います。
木下ゆーきさん
実際に子育てしてきた方にそう言っていただけるのはとても嬉しいです。
加藤
今は情報量がとても多いし、やっぱりSNSを開いたときに目にする情報に結構苦しめられたりしますよね。
木下ゆーきさん
だからこそ僕は、シンプルにくすっと笑えるものを届けられたらいいなと思ってやってるんです。
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加藤
動画によく奥さんの笑い声が入っていますが、それを聞いて、すごく幸せな家族なんだろうなと想像しています。最初に動画を上げる時は奥さんはどんな感じだったんでしょうか。
木下ゆーきさん
本当に普段通りの映像をとって、妻も普段通り笑ってる感じです。おっしゃる通り、妻の笑い声のファンという方もめちゃくちゃ多いんですよ。笑い声だけiTunesに売ったらいいんじゃないかというくらい(笑)。

家族が笑顔になることが大事だと思っていて、僕は子どもとのやりとりで子どもを笑わせるのはもちろんですが、妻が笑ってくれるのが一番うれしいですね。
加藤
そうですよね。奥さんが「また撮ってるよ」みたいにならないのがすごいと思って。
木下ゆーきさん
それは妻のおかげだなと思います。人によっては「また変なことやってるよ」って思っちゃう人もいると思うので。なんかそう考えると妻に会いたくなってきたな(笑)。
加藤
子どもを見ている視点とそれを見ている妻側の気持ち、両方が入ってるのがいいですよね。
木下ゆーきさん
ちょっと照れて暑くなっちゃいました(笑)。
次回の更新は11/10(水)予定です。お楽しみに!
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2021年11月03日

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