「ANYTIMES」代表を務めシェアリングエコノミー協会の理事としても活動されている角田さんに、地域コミュニティと多様化する生き方、働き方についてKIDSNA編集部がお話を伺ってきました。
最近話題となっているシェアリングサービスを展開する会社のひとつ「ANYTIMES」が展開しているのは、生活の中のちょっとした困りごと、例えば部屋の掃除や夕飯の作り置き、数時間だけ子どもの相手をしてほしいなどといったリクエストに、近所の人が自分の得意を活かして応えるスキルシェアサービス。
地域社会に「緩やかなつながり」を取り戻し、多様な働き方を通して自分らしい生き方を堂々と語れる社会の実現へと向けて、「ANYTIMES」代表の角田さんは活動を続けています。
子育て中のママにとって、地域とのつながりは子どもの見守りにもつながりやすく、無視できない問題ですよね。働き方についても社会が変化を始めている今、私たちは母として、女性としてどのような意識をもってそれらを考えていくべきなのでしょうか。
今回は、「ANYTIMES」代表を務めシェアリングエコノミー協会の理事としても活動されている角田さんに、地域コミュニティと多様化する生き方、働き方について、「ANYTIMES」立ち上げに込めた想いとともに話を伺いました。まずは前編として「地域コミュニティ」にかけた想いをご紹介します。
ご近所づきあいの希薄化が進み、特に都心では「隣の住人の顔を知らない」ということも少なくありませんよね。角田さん自身も都心で一人暮らしを始めた当初、近所のコミュニティが存在しないことへの寂しさや不安を感じていたようです。
「田舎だと近所がみんな知り合いだったり、コミュニティがしっかりできているケースも多いですよね。私が育った環境も、近所を歩けばみんなが挨拶をしてくれるようなコミュニティでした。
都心で一人暮らしを始めてからはそんな温かみと疎遠になってしまって、寂しかったり、何か困ったことがあったとき頼れる人がいない不安を感じました。そうした実体験と民間企業に勤めて耳にした高齢者の方の声が、「ANYTIMES」のサービスの基盤にあります」
「ANYTIMES」はアプリやサイトを通じて、日常のちょっとした困りごとを近所に住む誰かの得意で解決する、スキルをシェアするマッチングサービスです。どういったニーズがあり、どのような人が利用しているのでしょうか。
「ニーズとしては家事系、なかでも掃除のリクエストは多いですね。もともと「ANYTIMES」は家事のアウトソーシングの提案から始まったこともあり、スタート当初から家事系が9割を占めていました。
今は家事以外のニーズなども出てきていますが、それでも6割は家事系が占めています。リクエストに応える人は、子育てが落ち着いた主婦の方はもちろん、男性の方も多いんですよ。副業として、本業の勤務時間の前後や、土日で働かれる社会人の方も増えてきています。」
さまざまな人が利用することで近所につながりが増えていく、そのつながりは決して強いものである必要はないと角田さんは考えています。
「近所の人たちと必要なときに助け合う、現代社会にマッチする地域コミュニティは、一昔前のような強いものではなく、「緩やかなつながり」でできていくコミュニティだと考えています。必要なときに、必要な人とマッチングできる、困ったときには誰かが助けてくれると感じられることは、精神的な安定にもつながると思っています。
お子さんがいる家庭でも、そういったコミュニティは子育てをする上で安心材料のひとつになりますよね。将来的には子どもを見守る地域コミュニティまで広げていきたいです。」
「ANYTIMES」は日本が抱える社会問題の解決に向けた取り組みですが、角田さんはもともと、途上国の開発支援に携わることを将来の夢として抱いていたようです。世界から日本へと目を向けたきっかけにはどういった想いがあったのでしょうか。
「小学校のころから、途上国の街づくりやインフラづくりに関わる仕事がしたいと思っていました。いつか国連に入り国際公務員として活動するためにも、まずは民間企業でビジネスや世の中の流れを学ぼうと思い、大学卒業後大手証券会社に就職し3年後IT企業に転職をしました。
実際に民間企業で働いて気づいたのは、自分の身近なところにもたくさんの社会問題があるということ。ずっと世界にばかり目を向けていたけど、まずは日本の社会問題を解決したい、日本の街づくりに関わる仕事をやりたいと考えるようになり、「ANYTIMES」をスタートしました」
小学校のころから世界に目を向けていた角田さんの目に、途上国の問題はどのように映っていたのでしょう。
「例えば、世界の戦場では、自分と同じ世代の子どもが少年兵として戦っていたり、その日の食事にも困る生活を送っている人たちが大勢いることを知って、外の世界に住んでいるからこそできる支援があるのでは、と考えていました。
そして、感銘を受けていたのが、途上国で実際に難民の支援活動をされている日本人女性の存在です。私が小学生だったころは、周りの成人女性のほとんどは専業主婦だったのに対し、途上国や戦地で活動している日本人女性がいることを記事や本で読み、自分もいつかそういう生き方がしたいと漠然と憧れを持つようになりました。」
国連を目指しビジネスを知るために、まずは大手証券会社に就職した角田さん。そこで目の当たりにした日本の課題に、大きな衝撃を受けたようです。
「証券会社では担当していたお客様に高齢者の方も多く、お話を伺う機会が多くありました。相続問題や一人住まいの老人が抱える今後の不安、誰も頼れる人がいないために感じる孤独感、日常生活の中にある困りごとを耳にして、超高齢化社会をとても間近に感じたんです。
昔だったら2世帯がいっしょに暮らし解決できていたことが、一世帯や単身世帯が増えることで解決できないことが増えた、でも地域のつながりは希薄化し頼れるご近所さんがいない、その問題を目の当たりにしたことが世界から日本へ視点を移す大きなきっかけになりました」
地域コミュニティの希薄化に目を向けた角田さんは、その後の転職での経験などから働き方に対する固定観念にも疑問をもち、多様な生き方、働き方ができること、それを堂々と語れることの必要性を見出します。
後編では、「ANYTIMES」のサービスに至った経緯と、その経験から学んだ多様な生き方、働き方に対する想いをご紹介します。
2018年06月05日
性教育にまつわる書籍が次々に出版され、家庭で子どもに性の知識を教える重要性が認知され始めています。しかし正直なところ、子どもへの性教育には不安や疑問がつきもの。そこで、助産師・性教育YouTuberとして活躍されるシオリーヌさんに、親の抱える性教育への不安や疑問について聞いてみました。4回シリーズの最終回は、子どもに対する義父母の接し方について。
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子どもの成長や教育等を考察する動画記事コンテンツ「KIDSNA Academy(キズナアカデミー)」の連載企画「料理と脳科学」0章記事。料理家の栗原心平氏と脳科学者である瀧靖之氏、KIDSNA STYLE編集長・加藤による対談と五感を育むレシピをダイジェストでご紹介します。
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どうすればおいしくなるかを考えて必要な調味料を選び、入れる順番や火加減を見る。素材の変化に気を配りながら、同時にいくつかの作業を行う。KIDSNA Academy 第四回は、様々な場面で活かせる「マルチタスク」と「ロジカルシンキング」を育てることができるレシピを、料理家の栗原心平さんに教えていただきました。また、脳科学の観点から料理を行うことで育つ脳の機能について瀧靖之教授を交えた対談をご紹介します。
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料理は日常的な活動ですが、実は子どものクリエイティブを育むことができる身近なツールです。KIDSNA Academy 第三回では、料理家の栗原心平さんに旬のトマトを使った視覚的にも美しい子どもも喜ぶレシピを教えていただきました。また、料理を作ることで得られる創造力と脳の発達について、瀧 靖之教授のお話をご紹介します。
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男の子に人気の玩具としてのイメージが強いレゴ®ブロック。女の子にも遊びやすいおもちゃを目指し、制作調査に約4年が費やされた「レゴ®フレンズ」シリーズは、今年で10周年。性別や人種にとらわれないキャラクター展開や色使いを特徴とし、女の子にも愛されています。今回KIDSNAでは、クリエイティブ・ディレクターであるフェネラ・チャリティー氏にメールインタビューを行いました。性別にとらわれないおもちゃの重要性や、子どもたちが自由に羽ばたくために大人ができることなどを伺いました。
アウトドアでのキャンプ料理は風土や気候など変化する自然の中で行うため、失敗がつきものです。「どんなに出来が悪くても野外で食べると美味しく感じる」といいますが、できれば見栄えよく作って、美味しく食べたいもの。KIDSNA Academy 第二回は、料理家の栗原心平さんに人気のスキレットを使ったレシピを教えていただきました。また、アウトドア体験と脳の発育との関係について瀧 靖之教授を交えた対談をご紹介します。
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子どもたちは学びを通してワクワクしながら、それぞれの探究を進めていってほしい。そう語る探究学舎代表 宝槻 泰伸(ほうつき やすのぶ)さんにお話を伺うインタビュー動画コンテンツ『KIDSNA TALK』。第3回目となる今回は、「子どもたちが持つ多種多様な可能性」と「保護者の方に気付いてほしいこと」について語っていただきました。
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「デジタルネイティブ世代」と呼ばれる現代の子どもたちにとって「料理」は、バーチャルをリアルに再現できる身近な体験です。そこで、KIDSNA Academyでは4回にわたって能力開発型のオンラインクッキングスクールを開催する料理家である栗原心平さんにお話を伺いました。第一回目は、脳科学者である瀧 靖之教授、KIDSNA STYLE編集長・加藤による対談と五感を味わうレシピをご紹介します。
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子どもの教育は、親にとって最も関心が高いテーマです。今回お届けする「KIDSNA TALK」では、子どもの探究心に火をつける興味開発型教育で話題の探究学舎代表 宝槻 泰伸(ほうつき やすのぶ)さんに3回にわたってお話を伺いました。第1回目は、教室で行われている「学びの特徴」と「親の関わり」についてです。
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