働くママの「本質美容」 「家でできるケアはどこまで?」ホームケアと美容医療

働くママの「本質美容」 「家でできるケアはどこまで?」ホームケアと美容医療

自身も子育て中の皮膚科専門医・小林智子先生が、忙しいママたちに贈る美容コラム連載。第6回のテーマは「ホームケアと美容医療」。皮膚科で対応すべき場合と、ホームケアの効果について正しく知り、適切なスキンケアをすすめましょう。

小林智子
これまでのコラムで、美容皮膚科での施術についても触れてきたのですが、よく「ホームケアでどこまでできるのか」「どこからが美容皮膚科の範疇なのか」といった質問を受けます。今回はこの辺りを少し掘り下げてみたいと思います。

最も重要なホームケアは、「生活習慣による予防」

まず、1番大切なこと。これまで何度もお話ししていることではありますが、美容医療は日々の生活習慣、スキンケアの上に成り立つものです。

つまり、必要な美容医療の程度というのは、私たちの普段の日常生活によって大きく変わってくる、ということはぜひ覚えていただけたらと思います。

例えば「シミ」に関して言うと、やはり毎日のUVケアと過剰な摩擦を作らないスキンケア、つまり「予防」が何よりも重要です。

シミのターゲットは「メラニン」です。美白化粧品というのはこのメラニンを作らせない、という予防的効果がメインになってきます。
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※写真はイメージ(iStock.com/LumineImages)
そのため、はっきりと確認できるレベルのシミを改善するには、美容皮膚科でレーザーなどの治療が必要です。

ホームケアで美容医療のパフォーマンスを最大化する

そう言うと、「美白化粧品は無駄なのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

ここで誤解していただきたくないのは、ホームケアと美容医療を、どちらか一方を選択するものではなく、美容はあくまで適材適所で投資していくべき、ということです。
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※写真はイメージ(iStock.com/RossHelen)
シミの話に戻ると、確かにはっきり目立つシミに対しては美容医療の範疇となります。

ただ、シミにレーザーなどを照射した後は、通常以上に紫外線に対してダメージを受けやすく、その後のケアによっては炎症後色素沈着という状態になったり、またシミとして再発してしまったりというケースも少なくありません。

これを予防するのには、美白化粧品が有効となります。実際、普段から美白ケアをしている方とそうでない人では、美容医療におけるシミの経過が大きく変わってきます。

ホームケアと美容医療をうまく組み合わせていくことで、シミの経過が大きく変わるということはぜひ押さえておいていただくといいでしょう。

ホームケアでできるエイジングケアとしては、以前のコラムでも「レチノイド(レチノールなど)」をご紹介させていただきました。

レチノールは肌細胞に働きかけ、遺伝子レベルでアンチエイジングをもたらしてくれる成分です。

また、ビタミンCも、紫外線によって生まれる過剰な活性酸素が肌細胞の膜にダメージを与えることから守ってくれる、エイジングケアにはなくてはならない成分です。
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※写真はイメージ(iStock.com/Artfully79)
これらはいずれもご自宅でできるエイジングケアですが、残念ながらそれだけでエイジングの悩みが全て解決できるわけではありません。

ただ、こういったホームケアを継続している人と行っていない人では、美容医療のパフォーマンスも変わってくることを、私たち皮膚科医は経験として知っているのです。

同じく多くの人の悩みである「たるみ」についても同様です。目に見える効果を求めるのであればやはり美容医療に頼ったほうがいいでしょう。
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※写真はイメージ(iStock.com/Taras Grebinets)
ただ、ホームケア(生活習慣)によってたるみの進行は大きく変わってきます。

具体的に何が重要かと言うと、それは「筋肉」と「骨」のケアです。たるみは皮膚だけでなくその下の組織にも影響を受けます。

特に女性の場合、閉経イベントによって骨のエイジングが加速します。

骨は骨を作る細胞と壊す細胞が常にバランスを保ちながら健康な状態を保っていますが、ホルモンによってこのバランスが崩れ、骨を壊す細胞が優位となってしまいます。

そうすると骨の密度が低下し、スカスカな状態になってしまうのです(病的なレベルに達した状態を「骨粗鬆症」と言います)。

できるだけ骨を若々しく保つには、骨を作る細胞を刺激する「運動」と、骨の形成をサポートするビタミンDを意識した「バランスの良い食事」が大切だと言われています。
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※写真はイメージ(iStock.com/Aamulya)
筋肉のケアについては前回のコラムでも触れたように、表情筋の使い方を普段から意識するといいでしょう。

このように、ホームケアでできることを行いつつ、美容医療で底上げするやり方は最も自然で、効果の高いエイジングケアになると思います。

いずれにしても、たるみケアは早い時期から意識することをお勧めします。

最初に美容医療を頼るべきは「永久脱毛」「ニキビ」

次に、話は変わりますが反対に最初から美容医療を頼った方がいい場合もいくつかあります。

まずは脱毛です。いわゆる「永久脱毛(治療によって毛が長期に渡って減った状態であること)」を求めるのであれば、医療脱毛が唯一の適応となります。
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※写真はイメージ(iStock.com/ZeynepKaya)
医療脱毛はレーザーや光治療によって毛を生やす司令を送っている「毛包幹細胞」にダメージを与えます。

これは医療行為であり、エステでの脱毛や自宅での毛抜き、シェービングなどの処理では毛包幹細胞にダメージを与えることはできません。

結果としてまた毛が生えてくることになります。今では自宅でもできる光脱毛など様々ありますが、自己処理が面倒だという人は早い時期に医療脱毛を受けることは一つの有効な方法です。

また、ニキビ痕で悩んでいる方も、早く美容医療の門扉を叩いた方が賢明だと思います。

もちろん、ニキビ痕にも様々な種類があり、炎症後紅斑(赤いニキビ痕)や炎症後色素沈着(茶色いニキビ痕)は時間経過とともに少しずつ改善してくることが多い一方、クレーターなどの瘢痕は、化粧品などではどうしようもありません。
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※写真はイメージ(iStock.com/Adene Sanchez)
自分がどのニキビ痕のタイプで、どの治療が適しているかを一度医師に診断してもらい、もし瘢痕が目立つのであれば早めに美容医療の手を借りた方がいいと思います。

化粧品や美容家電などに多くを期待したい気持ちはよくわかります。特に忙しいママの場合、クリニックを受診すること自体ハードルが高いですよね。

ただ、肌悩みによっては早々に美容医療を受けた方が、結果的にコスパ的にも時間的効率的にも良いケースも少なくありません。

とは言え、ホームケアと美容医療はそのバランスも重要で、どちらも欠かせないものだと私は考えています。

今回の話を参考に、一度ご自分の美容スケジュールの計画を立てていただくことをおすすめします。
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小林智子

小林智子の記事一覧

皮膚科専門医、医学博士。アンチエイジングリサーチセンター研究員。2010年日本医科大学医学部卒業後名古屋大学皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了。同志社大学アンチエイジングセンターにて糖化と肌についての研究を行う。また、食事と健康に関してレシピや情報などを医学的な立場から発信するブランド「ドクターレシピ」を監修。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)、『おくすり朝ごはん - 皮膚科医が肌荒れしたら食べる - 』(‎ワニブックス)など。2016年長男、2019年次男をアメリカにて出産。

2022年04月15日

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