子どもに「お手伝い力」をつけさせて、ママの時間を15分有効に

子どもに「お手伝い力」をつけさせて、ママの時間を15分有効に

子育てをしているとなにかと「時間が足りない」「自分の時間が欲しい」と感じることがありますよね。KIDSNA編集部でも出勤時に「洗濯物をたたむところまでやりたかったけれど時間が…」のような声をよく耳にします。 時間マネジメントコーチの山中真理子先生に「子どもの家事」を通してママの限られた時間を有効に使うにはどうしたらいいかを教えてもらいました。

「家事の時間が足りない…」ということを口にしているママは多くいらっしゃると思います。実際に私も下の子が生まれたばかりのころは「24時間では足りない!」と感じていました。

そこで、私が提案するのが、「子どもたちにお手伝いをしてもらう」という方法です。

「お手伝い」でママの時間が増える

子どもに「お手伝いをしてもらう」ことで、ママの家事の時間が減ることにつながります。

家事に費やす時間を短くすることで、プラス15分仕事が長くできたり、夕食作りに時間をかけたり、自分の趣味を楽しんだりすることができます。

子どもの責任感をはぐくめるメリットも

子どもにお手伝いを頼むと、メリットがあるのはママだけではありません。

子どもにとっても


責任を持って物事に取り組む練習になる!


という利点があります。

時間があるときだけやってもらうのではなく、「自分の仕事」という意識をもってもらうのが大切なのです。

なんでも親がやること=良いことではない

「お手伝いやって!」と頼んでも、なかなかうまくいかないことも多いでしょう。

先日、保護者会の際に他のお母さんと話していたらお手伝いの話になりました。

「ちょっと大きくなったのだから何かしらお手伝い頼もうかな……」と思っても、「今、遊んでいるからできない~」と言われると、説得するのも面倒なので、つい自分が動いてしまうというママも多く見受けられました。

お手伝いルールを決める

ルールを決めて家族で共有

「お手伝い」とひと口にいっても、各家庭ごとにそれぞれのルールがあると思います。

たとえば「洗濯関連はママで、掃除はパパが担当!」という家もあれば「日替わりで担当を決めてやろう」と、役割分担している家もありますよね。

このルールがあやふやだと「お手伝い=時間があればするもの」ぐらいの位置づけになってしまいがちに……。また、家族によって認識が違ってしまうことも。

大事なのはお手伝いルールを家族で共有しておくことです。


子どもの「お手伝い範囲」を決める

ルールを決めるのにポイントになるのが「子育てのゴールをどう考えるか?」ということです。

ちなみに、我が家では子育てのゴールは「自分で生きていけるだけの知恵と生活力を持った人にすること」。

勉強もするけれど、生活にまつわる自分のことをする力も身につけてほしいと思っています。

「子育てのゴール」はご家庭によっていろいろだと思うので、パパと話してみるとよいでしょう。

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お手伝いは練習することでスキルアップ

子どものころ、私は「大人になったらお裁縫もお料理も上手くできるようになるものだ!」と勝手に思い込んでいました。

でも、あるとき気がついたのです。「大人になっても練習していないことは上達しない」という衝撃の事実に…。

大きくなるからできるようになるのではなくて、練習したり繰り返しやるうちに上手くなっていきますよね。

学生時代から一人暮らしの男子もいます。結婚後も共働きの夫婦が多かったり、男性が単身赴任している家もあるはず。そのため、男女問わず「家事力」をつけること=生活力をつけることにつながると考えています。

お手伝いはいつから始める?

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年齢が低いときの方が「お手伝い欲」が旺盛なので始めどきです

「いつから始めてもらえばいいの?」「何からやってもらえばいいの?」と不安な方もいるのではないでしょうか。お手伝いを始めるベストな時期などについて次で解説します。


子どもの年齢が低いうちにスタートを

男女問わず、お手伝い欲が強いのは意外にも年齢が低いうちなのです。

お母さんのやることを見ていて「わたし(ぼく)もやりたい!」なんて真似したい時期があるでしょう。

実はあの時期が一番お手伝いスタートに向いていますが、まだひとりでお手伝いさせるには危なっかしい部分もたくさんありますよね。

例えば、洗濯物のたたみ方を教えても、上手にできなくてぐちゃっとなることも。「自分でやった方が数倍早いし、きれいだわ」と、思わず考えてしまうママも多いでしょう。

そんな気持ちがよぎったら思い出してください。


わが家の子育てのゴールってどこだっけ?


ということを。

この時期のお手伝いは、


「やり方を教えて、見守り、褒めて、繰り返しやってもらう」


という修行期間なのかもしれません。

やがて子どもたちの生活力も向上し、ママが家事に費やす時間も次第に減ってくるはずです。

「私がやれば早い」という気持ちをグッと抑えて、今は子どもの成長と自立のために見守る大切な時期だと割り切ってください。

責任感をはぐくむ

最後に参考までにわが家のお手伝いルールを紹介します。

お手伝いの担当を決めたら、お手伝いが仕事になります。仕事なので、「やれたらやる」ではなくて責任を持ってやってもらいます。

帰宅時間が早い次男には、夕食のお米を研いで炊飯する仕事をやってもらっています。朝のゴミ出しは、袋も大きく重たいことも多いので、長男の担当です。お風呂洗いは、日替わりでどちらかが担当。洗濯も「干す」「たたむ」を兄弟にどちらかに選ばせてやってもらっています。

最初は、ご飯も硬かったり、柔らかすぎたりしました。
お風呂洗いも、なぜか洗っている間に本人が全身濡れるので入浴前に着替えていました。

うっかり忘れても、私も含めて誰も代わりにやりません。だから「ご飯が炊けていない!」なんて日もありました。そういう日は、仕方なくパスタにしたこともあります。

兄弟の部屋についてはも同じ。兄弟で1つの部屋を使っていますが、真ん中で区切って自分側のスペースについては、自分で整理や掃除は担当してもらっています。

だから、汚くてもいっさい手を出しません。整理が行き届かず、見つからないとなった場合も自力で探してもらっています。

さまざまな失敗から


「自分がちゃんとやらないと家族が困る」

「誰かがやるからご飯が食べられて、気持ちよく暮らせる」


ということを経験するのはとても大事だと感じています。

子どもの「お手伝い」でママの時間をもっと有効に

お手伝いは、子どもが責任を持って物事に取り組む練習になります。ご家庭でお手伝いのルールを決めたら、「お手伝い欲」のある年齢が低いうちに、いろいろなお手伝い経験をさせてあげてください。

将来、子どもの「お手伝い力」がつけば、ママが家事にかけていた時間もおのずと減ることになります。例えば洗濯物をたたむ時間が15分だったとすれば、その15分をママは仕事に費やしたり、夕食作りにかけたり、場合によっては自分の趣味に費やすことができます。

1日15分だったとしても1カ月、1年となると、まとまった時間になるので、いろいろな可能性が広がるはずです。

子どもにもプラスになるので、ぜひトライしてみてくださいね。

時間マネジメントコーチ:山中真理子

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転勤族の妻でただいま子育て5か所目。転勤先で知り合い0、土地勘0の状態から一人で子育てママグループを立ち上げ、今は全国から2000名のママ会員が登録している。

育児休暇中のママ会員から多く寄せられる時間の悩みを解決すべく時間マネージメント講座を考案し、ワーキングマザーや子育てママ向けに開講中。また、幸せに生きる仕事術、時間術をブログで毎日発信中。

山中真理子オフィシャルブログ

2017.07.10

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