家庭でのプログラミング教育、実施率は約1割。課題は情報収集不足

家庭でのプログラミング教育、実施率は約1割。課題は情報収集不足

2020年教育改革のアベノミクス成長戦略の義務教育段階からのIT教育の推進に伴い、本年度から必修化となった小学校でのプログラミング教育。保護者が学習内容をフォロー出来ず、家庭学習が浸透していかないという声も。「KIDSNA」で行った家庭でのプログラミング教育に関するアンケートからその現状を解説する。

2020年は教育改革の年と言われ、アベノミクスの成長戦略の一つに義務教育段階からのIT教育の推進が盛り込まれ、小学校でのプログラミング教育は今年度から必修化となった。

今回、「KIDSNA」では、家庭でどのようにプログラミング教育を行なっているか、子育て世帯を対象にアンケート調査を実施。保護者たちは家庭でのプログラミング教育に対し、どのような意識を持っているのだろうか。

家庭でのプログラミング教育、実施率は約1割

ご家庭でプログラミング教育を実施していますか?
ご家庭でプログラミング教育を実施していますか?
子育て世帯の約9割が、家庭でのプログラミング教育を「実施していない」「必要性は感じているが実施していない」と回答した一方で、約1割が「実施している」と回答。

およそ4割の世帯では、家庭でのプログラミング教育の必要性を感じていても実施していない。その理由はなぜなのだろうか。

実施していない理由は「どうすればいいかわからない」が最多

家庭でのプログラミング教育を実施していない理由の多くが、何から始めたらいいかわからずにいる。

「何から始めてよいかわからない」

「興味はあるが、いつから実施すればいいかわからない」

「情報収集不足のため、どのような形態で学ばせたらいいか等検討できていないため」

というような回答が目立つ。

また、

「親が学習内容についてフォロー出来ず、積極的に取り組ませることが出来ていない」

「親では教えられないので習い事などで補いたいが、どこに行けばいいのかわからない」

などの回答も。

親世代にとってプログラミング教育が身近な存在でなかったことから、家庭で子どもに学習内容を教えることができない。このことが、家庭でプログラミング教育が浸透しない大きな理由なのだろう。

なかには、「学校での授業が始まっており、一定そこで習得した上で、本人のこれ以上の学習希望があるかどうかを見極めてから検討したいため」という子どもの意欲や適性を見極めたいという前向きな回答もあった。

多くの保護者と子どもにとって、プログラミング教育に触れるのは初めてのことで家庭でどのように学習すればいいかわからなく、悩んでいる現状が見受けられる。

乳幼児からプログラミング教育を行っている家庭も

プログラミング教育を何歳から実施していますか?
プログラミング教育を何歳から実施していますか?
プログラミング教育を「実施している」と回答した家庭では、3歳と7歳~10歳から開始している家庭が最も多く、次いで0歳、5歳から実施。

プログラミング教育を必要だと感じる理由で最も多いのは、「論理的思考力を身に着けるため」だ。

また、

「AIネイティブ世代となる子どもたちには、プログラミングに早い段階で触れることで苦手意識などを持たず、将来幅広い分野での活躍の可能性を与えることができる」

「ITの知識は、子どもたちが将来大人になったときには、今とは比べものにならない程必要だと思います。社会でおいていかれないために、彼らが将来生きていくために当たり前の知識として必要なもの」

という声もあり、これまでより一層プログラミング教育の重要性を感じている保護者が多いことがわかる。

小学校でのプログラミング教育が必修化となったことをきっかけに、乳幼児期から積極的にプログラミング教育に取り組む家庭はこれからどんどん増えていくのではないか。

家庭でのプログラミング教育の方法とは?

家庭でのプログラミング教育の実施方法では、「教材などを使用した家庭学習をしている」が首位、次いで「塾やスクールに通っている」という回答となった。

教材を使用して子どもの関心を高め、プログラミングに触れる機会を日常的に作れば、子どもが抵抗なくプログラミングを学べるかもしれない。塾やスクールに通えば、より専門的な知識を身に着けることができそうだ。

デジタル化・オンライン化が加速し、未来のIT人材の育成にも関心が更に高まっている。2021年度には中学校でプログラミング教育が拡充されることが決定している。時代の流れにのって、これからはプログラミング教育をスタンダードと捉えていく必要があるのではないか。

プログラミング教育を通じて、子どもの可能性を広げる

今回のアンケート調査を通じて、家庭でのプログラミング教育の実施率の低さや保護者が抱える悩みが明らかになった。「KIDSNA」でプログラミング教育について話した上野朝大氏は、「テクノロジーを武器として、自らのアイデアを実現し、社会に能動的に働きかける人。この“テックキッズ”を新世代の人材として増やしていきたい」と語る。

生まれたときからスマートフォンやインターネットが身近にあったデジタルネイティブ世代の子どもたちが、ITの知識やプログラミングの技術を身に着ければ、将来、社会に大きなインパクトを与える取り組みができるかもしれない。

これからの時代、プログラミング教育が社会の進歩に必要な知識となってくるのは間違いないだろう。保護者ができることは、プログラミング教育に向き合い、家庭でプログラミング教育を実施せずにそのままにしている現状を変えることではないか。プログラミングに触れる環境を整えれば、子どもの学習意欲にもつながるかもしれない。

将来、子どもが自分の夢を実現できるよう、教育の機会を作ることを考えていきたい。

2020年09月15日

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