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【産婦人科医監修】妊娠14週目(妊娠4カ月)のお腹の赤ちゃんの様子
つわりの状態や時期の特徴など
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
つわりも落ち着き、ホルモンの状態も安定するため体調が楽になるママが多い妊娠14週目。妊娠初期の14週目のママの身体のトラブルや注意点、おなかの赤ちゃんの様子を医学博士の産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生に聞きました。
妊娠週数14週目とはどんな時期?
妊娠14週目は、妊娠4カ月の3週目で、まだ妊娠初期とよばれています。多くのママは、つわりがおさまって食欲が増加する時期です。一方、赤ちゃんは、臓器や器官が出来上がり、筋肉が発達して動きが活発になります。
妊娠14週目の妊婦さんの特徴
妊娠初期である妊娠14週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
つらかったつわりがおさまり、ホルモンの状態が安定して、基礎体温が下がってくるので、食欲が戻ったり、だるさや熱っぽさも軽減してきます。体調が安定したかな、と思うママもいるかもしれませんが、妊娠に完全なる安定という時期や体調はないので、無理はしないようにしましょう。
妊娠14週はもうすぐ胎盤が完成する時期で、多くの血液が胎盤、胎児に優先的にいくため妊婦さんは貧血になりやすい状態です。さらにお腹が大きくなってくるため、バランスをとろうと重心が偏ったり、姿勢が悪くなるので腰痛を感じる人もいます。そのため、ふらつきやめまいを起こす人も多く、注意が必要です。
また妊娠中は、女性ホルモンの影響で、血流が促進され鼻の粘膜が腫れるために、鼻づまりを感じる人がいるようです。これは「妊娠性鼻炎」と呼ばれています。
お腹の大きさ
子宮の大きさは乳児の頭くらいになり、お腹の膨らみが出てくるころです。
妊娠14週目の妊婦さんの身体
出産に備えて赤ちゃんの通り道を整えるため、おりものの量が増えることがあります。透明や白っぽいおりものが出る場合はそのまま様子をみてもよいでしょう。
しかし、カッテージチーズのようなカスが混じっていたり、色やニオイがいつもと違うおりもののときには、感染症などの可能性があるため、かかりつけ医を受診するようにしましょう。
お腹が大きくなってくると、動くことが負担になり、運動不足や同じ姿勢をとりがちになりむくみやすくなります。さらに、赤ちゃんに十分に栄養を運ぶために、血液量が増えてむくみやすくなります。
妊娠14週目の赤ちゃん
大きさや胎内での様子
脳の細胞をつなぐ神経回路ができ、器官の形成が終わる時期です。食道や気管、声帯が少しずつ形成され、皮膚も厚く不透明になります。
胎内の羊水の量が増えるので、赤ちゃんは手足を伸ばしたり、お腹のなかをぐるりと回ったり動きが活発になります。身体や手足の筋肉や骨が発達し、バランスがとれるようになるため、動きのバリエーションが増える時期です。
顔の筋肉がついてきて、口をあけたり、羊水を飲み込んだり、吸ったりする吸啜反射(きゅうてつ)が見られるようになり、音に反応する場面もでてきます。超音波(エコー)検査では、指をしゃぶっている赤ちゃんの姿が見られるかもしれません。
身体の形
妊娠14週の赤ちゃんの身長は、8センチ程度です。超音波(エコー)検査では、背骨が1本1本はっきり見えます。
また妊娠14週には、男の子、女の子それぞれの外性器も出来上がります。しかしこの時期に超音波(エコー)検査で性別がわかる、というのはまれなことです。
妊娠14週目のうちにやっておきたいこと
むくみ対策
血液量が増えたり、運動不足によってむくみを感じやすくなる人がいます。むくみを感じたときには、水分をしっかり摂り、塩分を摂りすぎないように意識し、栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。
また、簡単なストレッチや体操、マッサージでむくみを解消するのもよいでしょう。足元にクッションなどに置いて足を高くして寝るのも効果的です。それでもむくみがひどいときには、37度くらいのぬるま湯で足湯をしてみるのもよいかもしれません。
歯医者に行く
妊娠中は、ホルモンの関係で歯周病の細菌が増えます。間食の回数が増えたり、つわりで歯磨きが出来ないなどの環境から虫歯になりやすかったり、歯周病などの口のトラブルが起こりやすくなります。食後の歯磨きやうがいをしっかり行いましょう。
また、これからお腹がより大きくなると仰向けになっての治療が厳しくなるため、つわりが落ち着き、かつ、お腹がそれほど大きくない時期である妊娠初期の妊娠14週前後のときに歯医者に行っておくことをおすすめします。
マタニティウェアの準備
妊娠初期とはいっても妊娠14週になると、ズボンや洋服がきつく感じ始める人も多いでしょう。窮屈さを感じたまま、着続けていると、お腹を圧迫してしまい、お腹の張りや腹痛を起こす場合もあります。この時期からマタニティ用の下着やウェアを準備しておくとよいでしょう。
産院を決める
出産する病院や助産院を決定し、予約をするのは、妊娠5カ月に入るまでを目安にしましょう。出産方法やバースプラン、エコーの種類など病院や医師の考え方によって選択肢の種類にばらつきがあります。15週ごろになると3D、4Dエコーが見られるので、興味がある人は、3D、4Dエコーだけでも受けられる病院がないか確認しておくとよいでしょう。
妊娠14週目の妊婦さんが注意すること
体重管理を意識する
つわりが落ち着き、食欲が戻ると食べられることがうれしくて食べ過ぎてしまったり、今までつわりで食べられなかった分、たくさん食べてしまう、という妊婦さんが少なくありません。しかし一気に食事の量を増やすことで、体重が急激に増加する場合があります。
急な体重増加は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などを引き起こす可能性があるので、体重管理を意識することが重要です。一方で、無理なダイエットは、赤ちゃんに栄養が行き渡らなくなるので控えましょう。
妊娠性鼻炎の対策
妊娠すると、鼻づまりや鼻水、くしゃみなどの症状が出るようになったなど妊娠性鼻炎を引き起こす人も少なくないようです。妊娠性鼻炎は産後になると自然と落ち着くことがほとんどです。
加湿器を使用したり、蒸しタオルで鼻を温めたりすると症状が少し楽になるかもしれません。鼻づまりがつらいからと市販の点鼻薬を使うと、慢性鼻炎になり、鼻づまりの症状がもっとひどくなる場合があるので要注意です。また妊婦さんにはおすすめできない成分が入っていることもあるので医師や薬剤師に確認してから使用しましょう。
赤ちゃんの成長が著しい時期
妊娠14週は、つらかったつわりも落ち着き、ホルモン状態が安定して体調が楽になるママも多いでしょう。赤ちゃんの臓器や器官も出来上がり、筋肉がついて動きも活発になる時期です。まだ妊娠初期の段階ですが、赤ちゃんはどんどん成長しています。
まだつわりがある、というママも、もう少し経つと楽になる人が多いので、今はできるだけリラックスして過ごしましょう。
お腹のなかの赤ちゃんに、ママが摂取した栄養がたくさん送られているので、腹痛や貧血などが起こりやすいときでもあります。つわりが改善し、動きやすくなっても、食べすぎや無理をせず安静に過ごすことが大切です。
かわいいマタニティウェアや産院選びなどをしながら、赤ちゃんの成長や産まれてくる日を楽しみにしましょう。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。