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【産婦人科医監修】妊娠11週目(妊娠初期)のつわりやお腹の大きさ、赤ちゃん、ママの様子
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田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠初期である11週目の特徴やママの身体の変化、おなかの大きさや赤ちゃんの様子を、医学博士、産婦人科医師である田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもとお伝えします。妊娠11週目のママが気をつけるべき注意点についても紹介します。
妊娠週数11週目とはどんな時期?
妊娠11週目は月数で表すと妊娠3カ月の最後の週です。まだ妊娠初期とよばれる時期で、つわりが落ち着いた人や、つわりのピークの人などつわりの個人差が大きいのが、この妊娠11週目あたりです。
一方、ホルモンの影響で気持ちが落ち込んだり、イライラしたり、情緒が不安定になりやすい時期です。
妊娠11週目の妊婦さんの特徴
妊娠11週に入ると、子宮が大きくなり腹痛を感じたり、便秘がちになる人もいます。ほかにも身体にさまざまな症状が表れてきます。妊娠11週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
妊娠10週のときと比べて、赤ちゃんがより大きくなっているため、骨盤や臓器、筋肉などが圧迫されて、つわり以外の腹痛や腰痛を感じる人もいます。自律神経の乱れやホルモンバランスの変化などが原因で、眠気を感じたり、便秘がちになる人も多いようです。
また、お腹の赤ちゃんの成長に多くの血液が必要となるため、脳の血液が減って貧血症状(立ち眩み)を起こしやすい時期です。
お腹の大きさ
妊娠11週目の子宮は、女性の握りこぶしより、ひと周り大きいくらいの大きさになります。グレープフルーツくらいといわれることが多いようです。
妊娠11週目の妊婦さんの身体
体形はあまり変わらなくても、胸や下腹部に張りを感じる人がでてきます。妊娠11週目は、つわりがピークを迎えて悪化する人もいれば、症状が落ち着いて食欲が増す人もいて、つわりに個人差があります。
ホルモンバランスの変化でメラニン色素が沈着し、シミやそばかすなどが濃くなる傾向がありますが、出産後には元に戻る場合が多いです。
妊娠11週目の赤ちゃん
大きさや胎内での様子
妊娠11週目の胎児の身長は5㎝程度です。この時期に、内臓の基盤ができて、肝臓や腎臓、胃が機能し始めます。
胎児の身体を包む皮膚が形成され始め、手足の指や爪が作られ始めるのも妊娠11週目です。まぶたや唇、歯もできてきて、顔がはっきりしてきます。
身体の形
妊娠11週目の赤ちゃんの頭は、割合として身体全体の半分くらいの大きさで頭でっかちな体形です。お尻にあった、しっぽはなくなり、足を動かして歩くような動きが見られるようになります。
妊娠11週目のうちにやっておきたいこと
ビタミンCを意識的に摂る
ビタミンCは、赤ちゃんの新しい細胞を作り、丈夫な骨と歯を作るために重要です。いちごやオレンジ、ブロッコリー、バナナなどビタミンCが多く含まれている食品を積極的にとるようにしましょう。
ベビーグッズを見ておく
実際にベビーグッズを買うのは、性別が分かってからでもよいですが、お腹が大きくなりすぎず、まだ動きやすいときにベビーグッズを下見しておくとよいでしょう。ベビーウェアや肌着以外にも、おむつや、ベビーカー、チャイルドシートなど赤ちゃんが産まれてから必要なグッズ全般を見ておきましょう。
妊娠11週目の現在、なかなか終わらないつわりなどでつらいママもかわいいベビーグッズをみると元気が出たり、赤ちゃんとの生活が想像できるようになるかもしれません。
自分に合った過ごし方をする
妊娠11週目は、つわりが終わらない人も落ち着いてくる人もいます。さまざまな制限から精神的にもストレスが溜まりやすく、ホルモンバランスの影響で気持ちが不安定になったり、体調を崩す人が多い時期です。しかし妊娠もまだまだ初期。これから楽になると信じて、少しでもリラックスできる時間を作って、自分に合った過ごし方をしましょう。
妊娠11週目の妊婦さんが注意すること
産院や、里帰り出産するのか、などを決める
近年は出産ができる産婦人科や助産院は全国的に少ないという現状があります。そのため妊娠が分かったら早めに産院を決め、分娩の予約をすることが大切です。
病院によって入院や出産にかかる費用、妊婦さんの受けられるサービスや医療、新生児医療の質が異なります。また、無痛や計画分娩などの分娩方法を希望したり、ママに持病があるかなどによっても、病院側が受け入れ可能か変わってきます。
ほかにも、里帰り出産を考えている人は、めぼしい病院が見つかったら、現地に行けなくても里帰り出産を受けて入れているか1度電話で確認をしておきましょう。分娩設備のないクリニックで妊婦健診を受けている妊婦さんは提携している産婦人科を紹介してもらいましょう。
感染症に気をつける
妊娠初期から30週までの妊婦さんを対象に、クラミジア感染症の検査が義務付けられています。性病では、ほかにもカンジタ腟炎、また生ものを食べたことにより感染するリステリア菌にも注意が必要な時期です。
これらの菌の感染すると妊娠に影響することがわかっています。妊婦健診内で義務付けられている、クラミジア検査はもちろんのこと、普段から下着を清潔に保ち、妊娠中は生ものを食べないようにして感染症から身を守りましょう。
便秘対策
ホルモンバランスの変化や、自律神経の乱れに加えて、つわりで食事がとれなかったり、身体を動かす機会が減ると、便秘がひどくなる可能性があります。食物繊維の多い食材や水分を意識して摂ることが大事です。
また妊娠中は便秘薬などの薬の服用はなるべく避けた方がよいと、我慢しすぎてしまう人もいますが、担当の産婦人科医に相談をしましょう。影響のない薬を処方してくれるでしょう。
腹痛対策
赤ちゃんが大きくなってくると、腹痛を感じる人も多いようです。腹痛がつらいときは横になって休んだり、患部を温めて血行をよくすると痛みが和らぐかもしれません。
妊娠中は長時間同じ姿勢は避け、腰痛を感じたら無理をしないで休みましょう。
食べ過ぎに注意
妊娠11週目になると、つわりが落ち着いてきて急激に食べ過ぎて体重が一気に増加する人も少なくないようです。また、妊娠初期は特定の食べ物を無性に食べたくなる時期です。
偏った食事や食べ過ぎは、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの病気を引き起こす可能性もあります。量も質もバランスのよい食事を心がけましょう。
妊娠11週目は、つわりの個人差が大きい時期
妊娠週数11週目は、妊娠3カ月の最後の週でまだ妊娠初期です。つわりの症状がおさまってきて過ごしやすくなる人もいますが、ピークを迎えてまだつわりに悩まされている人もいる時期です。つわりが落ち着いてきても、腹痛や便秘などの症状が出てきたり、つわりがおさまると食欲が増して、体重増加への注意が必要になります。
外見はまだあまり変わらなくても、お腹のなかの赤ちゃんは、内臓の基盤が作られ、皮膚や手足の爪ができ、顔がはっきりしてきたりとどんどん成長しています。
妊娠11週目ごろにはどのように出産するのか、出産方法や産院をリサーチし、計画することが大切な時期です。体調などにも気をつけながらパパや家族、かかりつけ医と相談しながら過ごしてくださいね。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。