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【産婦人科医監修】妊娠10週目(妊娠初期)のママや赤ちゃんの大きさ、様子について
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田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠10週目は妊娠3カ月にあたり、まだ妊娠初期です。吐きつわりの症状が強く出る時期でつらい思いをしている妊婦さんもいるでしょう。妊娠10週目のママの体調の変化やお腹の赤ちゃんの様子や大きさ、注意点を医学博士で田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと、解説します。
妊娠週数10週目とはどんな時期?
妊娠10週は月数で言うと、妊娠3カ月の3週目で妊娠初期です。この時期につわりのピークを迎え、つらい思いをする妊婦さんが多いようです。
妊娠10週目の妊婦さんの特徴
妊娠初期のなかでも、特につわりの症状が強く出る時期です。妊娠10週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
つわりには個人差もありますが、妊娠初期とよばれる妊娠10週目は、多くの妊婦さんが、空腹になると吐き気や気持ち悪さを感じたり、激しい眠気やニオイに敏感になったり、さまざまなつわりの症状を経験するでしょう。
一方、赤ちゃんが大きくなるにつれて、ホルモンが分泌されます。分泌されたホルモンの影響で関節が緩み、身体を支えるのに必死になって腰痛が出る場合もあります。
お腹の大きさ
外見からはお腹のふくらみの変化が分からない妊婦さんが多いですが、子宮の大きさは女性のこぶし程度になっています。
妊娠10週目の妊婦さんの身体
子宮が大きくなってきているので、下腹部にチクチクした痛みが出る人もいます。ほかにも、子宮が大きくなると、膀胱や腸を圧迫するようになるので便秘や頻尿になる人もいるようです。
また、子宮の成長に伴ってじん帯が引っ張られるので、足の付け根付近に違和感を感じる人もいるようです。
妊娠10週目の赤ちゃん
お腹の赤ちゃんは全ての器官が完成し、どんどん成長しています。
大きさや胎内での様子
妊娠10週目になると、すべての器官が作られます。また男子は睾丸、女子は腟が作られますが、まだ超音波(エコー)検査で性別は確認できません。
神経が発達してくるので、手足がしっかり動かせるようになったり、手足や爪、歯、髪の毛の基盤が出来上がる時期です。
身体の形
赤ちゃんの体型が2頭身から3頭身になります。
初めは小さなかたまりのようだった赤ちゃんが手足も動かせるようになり、妊娠初期のこの時期でも超音波(エコー)検査で見ると人間らしくなってきているのが分かる時期です。
妊娠10週目のうちにやっておきたいこと
食べられるものを食べる
妊娠10週のころは、つわりがひどく食欲が落ちる人がいます。十分に食事ができないと赤ちゃんに栄養が回らないのではないかと心配になる人もいるかもしれませんが、食事がとれていないときにも赤ちゃんに栄養は回っています。
つわりがひどく食欲がないときには無理して食べようとせずに、食べられるものを選ぶようにしましょう。
身体を休める
つわりにもさまざまな種類があり、妊娠10週のころには寝づわりのピークを迎える人もいます。眠いときやだるいときは無理をせず、昼寝の時間をとったりしながらしっかり身体を休めることが大切です。
カフェインは控える
妊婦さんがカフェインをたくさん摂取すると、お腹のなかの赤ちゃんにカフェインが蓄積されていきます。カフェインには、血管を収縮させる作用があるので、母体から送られる血液量が減ります。
カフェインの摂り過ぎは、赤ちゃんに十分な栄養素や酸素がいきわたらなくなったり、胎盤形成に影響がでる可能性があるので、なるべくノンカフェインの飲み物を選ぶようにしましょう。
妊娠10週目の妊婦さんが注意すること
むくみ対策
妊娠中は、子宮や胎盤に血液が大量に送られます。急に血液が増えると足がむくんだり、血管が浮いたりします。ほかにも、女性ホルモンが分泌されるせいで普段よりむくみやすくなっています。
むくむときは、むくみをとるためのグッズを使用したり、マッサージや軽くストレッチをしてむくみ対策をするとよいかもしれません。
下腹部の痛み、出血に注意
妊娠によって分泌される女性ホルモンの影響で生理に似た出血が少量出て数日続いたり、おりものに血が混じることや下着に少し血がつく場合がありますが、その程度の出血なら様子をみてもよいでしょう。
しかし、下腹部に強い痛みを伴う出血があったときには、早急に産婦人科を受診してください。少し様子が違う、と感じる時期には大事を取って仕事を休んだり、かかりつけ医を受診してよい時期です。
ストレス解消法
つわりのピークと言われている妊娠10週は、吐き気や食欲不振になったり、思うように動けずにイライラする妊婦さんも多いでしょう。
つわりの症状が重いときには、横になってテレビを見たり、ぬるめのお湯にゆっくり浸かったり、親や友達など話せる人に話を聞いてもらうなどストレスを発散できる方法を見つけることが大切です。
もう少しするとお腹が膨らみ、今まで着ていた洋服や下着が着られなくなります。外に出られなくてもインターネットでマタニティ用の衣料品などを購入するのもよいストレス解消になるかもしれませんね。
無理せず、つわりの時期を上手く乗り切ろう
妊娠10週目はつわりのピークを迎える人が多く、いつまでこのつわりが続くのかと毎日つらい思いをしている人もいるかもしれません。しかし、つわりはお腹の中の赤ちゃんが大きくなっている証拠です。つらいつわりはずっと続くわけではなく、終わりがきます。
外見的にはお腹の膨らみにまだほとんど変化はありませんが、お腹の赤ちゃんは2頭身から3頭身になって、どんどん人間らしくなっています。赤ちゃんはこれからもっと大きくなっていく時期で、成長している赤ちゃんが見られる超音波(エコー)検査が楽しみになる時期でしょう。
食欲が落ちているときには、無理して食べようとせず、身体がだるいときには身体を休めましょう。自分に合ったストレス解消法を見つけてつわりのピークを乗り切れるとよいですね。
気になる症状や我慢できないつわりは無理せず医師に相談し、下腹部の痛みや出血が見られたときはすぐに受診するようにしましょう。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。