期待するのはダメ、あきらめるのもダメ…新学期に不登校のわが子が動き出す「親ができる最高の準備」
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新学期が始まる前に、親は不登校の子どもにどう接したらいいのか。不登校ひきこもり専門カウンセラーのそたろうさんは、「新学期はどうしても、心機一転して学校に行ってほしいという親の期待が高まるもの。しかし、それがプレッシャーになると子どもはかえって動けなくなってしまう。そこで親はあえて、最悪の未来をシミュレーションしておくといい」という――。
「親が期待を手放す」と良いスタートが切れる
新しい年が始まると、どうしても「今年こそは」という気持ちが強くなりますよね。「3学期からは行けるかも」「4月からは心機一転できるかも」。そんな親御さんの期待感は、お子さんの背中を押すエネルギーになることもあれば、逆に重たいプレッシャーとなり、お子さんの足をすくませてしまうこともあります。
大切な時期だからこそ、まずは親御さん自身の心の状態を点検し、より良い親子関係の土台を作っておくことが重要です。
具体的な方法についてお話しする前に、僕が実際に見てきた、あるご家庭の変化をご紹介します。
以前、新学期を前にして「子どもが学校に行くかどうか」で毎日胃が痛くなるほど悩んでいたお母さんがいらっしゃいました。彼女はそれまで、不安のあまり「来週から学校だよ」「準備はできてる?」と、お子さんをせっついたり、顔色を伺ったりしていました。しかし、お子さんは部屋にこもり、昼夜逆転は直らず、会話も減る一方でした。
そこで、彼女はアプローチをガラリと変えました。お子さんを動かそうとするのをやめ、まずは自分自身の心を整えることに集中したのです。
「もし学校に行かなくても、この子の人生が終わるわけじゃない」「私が笑顔でいることの方が大事だ」
そう腹をくくり、朝は自分のために温かいコーヒーを淹れてゆっくり飲む時間を作ったり、好きな趣味の時間を持ったりして、自分に「ゆとり」を持たせました。すると、不思議なことが起きたのです。
親御さんから発せられるピリピリとした「期待」や「圧力」が消えたことで、お子さんがリビングに降りてくる時間が増えました。そしてある日、ボソッとこう言ったのです。
「……俺、3学期からちょっと行ってみようかな」
親に言わされたのではなく、自分の意志でそう決めたお子さんは、そこから少しずつ登校を再開し、今では自分のペースで進路に向き合っています。これは奇跡ではなく、親御さんが「期待」を手放し、安心できる土台を作ったからこそ起きた、必然の変化なのです(参考:図表1「親が期待を手放すと子どもが動き出すメカニズム)。

では、逆にうまくいかないケースとはどのようなものでしょうか。親御さんがやってしまいがちな、よくある2つのパターンを見てみましょう。





























